- Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797671803
作品紹介・あらすじ
米国のイラク統治の内実を暴いた衝撃のインサイド・レポート。英国「サミュエル・ジョンソン賞」受賞。
感想・レビュー・書評
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なぜアメリカはイラクの統治に失敗したのか、その原因を探ったドキュメント。本書を読むといかに彼らが無知で楽観的に過ぎ、独善的であったかがよく分かります。
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2010.5.29 紹介
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通りがかりの映画ポスターを見て、購入。
が、ハリウッドアクション映画の原作本であり、スリル・アクション満載かと思いきや・・・。
実に「アメリカが、何故イラク統治に失敗したか」というハードな内容です。
行政の失敗
フロンティアスピリッツ
内向的な行政
準備不足
GHQ・マッカーサー・ルメイに悪い印象を持っていない日本人だからこそ、非常に興味深く読める内容。
映画?DVDになるまで、我慢します。 -
イラク戦争における連合国暫定当局(略:CPA)の内情を取材した本。CPAは制服組ではなく私服組。フセイン政権を武力で倒したしたあとにおけるイラクの再建模様等。
長所→イラクとアメリカ(アラブ諸国とアメリカ?)における考え方の違い、革命よりも革命後の方が数倍も困難な事業というのがよく理解できる内容に仕上がっている。
短所→やや文章が単調。欲を言えばもう少し米軍とCPAの関係も取り上げてほしかった。
読後の変化→やはりイラク戦争は失敗だったと再認識した。CPAがこんな素人集団によって運営されていたなんて初めてしったとともに、「エリートだけれども素人な人たち」に無限の資金を与えると、とんでもなく現実とかけ離れたことをしでかすのが理解できた。(机上の空論が、机上でなくなってしまう状態) -
アメリカ人スタッフたちがバグダッドの安全地帯グリーン・ゾーンにひきこもって、戦後のイラクにアメリカに範をとる民主的なモデル国家を建設しようとするが……。
肝心のアメリカ人スタッフたちの選出の仕方は、
「国のためにCPAで働きたいという超一流の人物たちの履歴書が、ゴミ箱に放り込まれるのを目撃した。『ブッシュ大統領のイラク構想』に対する忠誠心が『不確実』というだけの理由で。……イラクの官庁の再建を手伝いたいという財務省やエネルギー省、商務省の高官が断られ、彼らが就きたがっていたポストが共和党に多額の献金を行った人に渡されるということもよくあった」(p155)
という具合で、
「価格も品質も考慮されなかった。重要なのは、商品を輸出する国がサダム・フセインを支持しているか、この一点に尽きた。」(p173)
という、サダム・フセイン時代の国営企業の仕入れの仕方と何が違うのやら。