ヌードがわかれば美術がわかる (インターナショナル新書)
- 集英社インターナショナル (2018年8月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797680287
作品紹介・あらすじ
美術館にはなぜヌード作品がたくさんあるのだろう? 女神像が服を脱いだ古代ギリシア時代から現代美術までをたどり、印象派や藤田嗣治のヌード作品にも言及。美術をより深く理解し、楽しむための1冊。
感想・レビュー・書評
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美術としてのヌードを実際の絵画、彫刻、歴史や解剖学の観点から解説している本。自分は美術についての背景知識があまりなかったけど楽しめた。ヌードの変遷とヴィーナス、マリアの関係は非常に納得できる面白い話だった。
ただ、解剖学について興味を持ってもらいたいのなら、なおさら最後のようなただ説明するだけの文章はない方が良いと思った。
「ヴィーナスは、その意義を失った芸術状のすべてのモティーフに襲いかかるのと同じ運命を辿った。すなわち彼女は宗教から娯楽に、娯楽から装飾へと変転し、次いで消滅してしまった。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦隊ヒーローの「スーツは尻が命ですから。」って爽やかな台詞が話題になったドラマがあるようですが、「ヌード像でお尻を見るときは、大腿筋や脂肪ばかり見ていないで、その奥にある骨格も想像して味わうと、趣が深い。(230頁)」って、この本もなかなかディープな世界ですね。
ちなみに私は、大腿筋に注目する境地にも達しておりません。
絵や彫刻を見る目線が少し変わったかも。 -
うーん、美術を観る人は、いろんなこと考えてるんだな。
ローマ期はヌードは全て男性で女性ヌードはなかったというのはなるほど。 -
ヌードの事についてこれでもかと書いてある。全くいかがわしさはない。
解剖学が分かればヌードの鑑賞が楽しくなる。
服の下には脂肪、筋肉、骨格があり、それを想像する事で鑑賞が更に楽しくなるらしい。
名画と言われるものが、その構図を前時代の名画から拝借する事も多い事に驚いた。
肩は人間にしかない骨格だとか、裸の彫刻は男性像が先で後から女神も裸像になったとか、絵画は光で動きを表現するが彫刻は風で表現するので衣服が脱ぎ難かったなど、面白い。