図解入門よくわかる最新洗浄・洗剤の基本と仕組み (How-nual図解入門Visual Guide Book)

著者 :
  • 秀和システム
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798031828

作品紹介・あらすじ

洗浄剤、装置の基本から汚れ別の洗浄方法までわかりやすくビジュアルに解説。

感想・レビュー・書評

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  • 汚れには①水溶性、②油性、③固体があり、洗浄方法もそれぞれ異なる。洗浄には①分離型(界面活性剤やアルカリで汚れを引きはがす。再汚染を防ぐ)、②溶解型(有機溶剤や酸や弱アルカリや水で汚れをバラバラにする。攪拌が鍵)、③分解型(タンパク質、油脂、糖類などを強アルカリや酸化漂白剤で汚れを汚れではないものに変える)の3つがある。汚れの除去効率は分解型>溶解型>分離型の順。取扱いやダメージの面では逆の順になる。

  • よくもわるくも一般人が知っているとよい洗浄についての基礎知識が事典的に網羅されている本。すべて読むというよりも、全体を把握して辞書的に使う方が使い方としてはよいと思う。

    まず1章で洗浄を①分離型洗浄 ②溶解型洗浄 ③分解型洗浄として、それぞれを ①界面活性剤(2章)、②酸と塩基(3章)、③酸化剤と還元剤(4章)として解説している。

    この後に効能を期待した軟化剤(5章)、溶媒が水以外のもの(6章)を扱ったものや、洗浄装置(7章)、洗浄法と条件、清浄度の評価、環境問題との関連(8~10章)からも説明している。

    いろいろな意味で広範囲にわたっているが、洗浄の基本は、付いている汚れの分類、洗いたいものの分類、効能機能などや溶質や装置なども考えて洗うことを考えると、これ以上の解説は現時点ではできないのかもしれない。

    参考のために目次のみを下記に記しておく。

    第1章 洗浄の基本
    1-1 洗浄の意味と種々の洗浄分野
    1-2 3つの汚れ除去メカニズム
    1-3 分離型洗浄の特徴
    1-4 溶解型洗浄の特徴
    1-5 分解型洗浄の特徴
    1-6 汚れの分類
    1-7 洗浄性を決定する要素

    第2章 界面活性剤
    2-1 洗剤と界面活性剤
    2-2 界面活性剤の基本構造
    2-3 界面活性剤の吸着
    2-4 表面張力の意味
    2-5 界面活性剤の濃度特性と基本作用
    2-6 浸透湿潤作用
    2-7 乳化作用
    2-8 分散作用
    2-9 可溶化作用
    2-10 起泡作用
    2-11 再汚染防止作用
    2-12 汚れ除去のしくみ
    2-13 界面活性剤の分類法
    2-14 石けんの化学構造と製造法
    2-15 脂肪酸の種類と石けんの性質
    2-16 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)
    2-17 高級アルコール系陰イオン界面活性剤
    2-18 その他の陰イオン界面活性剤
    2-19 ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)
    2-20 アルキルフェノールエトキシレート(APE)
    2-21 AE、APE以外のノニオン界面活性剤
    2-22 陽イオン界面活性剤と両性界面活性剤
    2-23 新型界面活性剤

    第3章 酸と塩基
    3-1 酸と塩基とpH
    3-2 アルカリ剤の種類
    3-3 アルカリと負の表面電位
    3-4 DLVO理論と洗浄
    3-5 アルカリの溶解作用と分解作用 84
    3-6 酸が汚れを落とすしくみ
    3-7 無機酸の種類と性質
    3-8 有機酸の種類と性質
    3-9 酸・アルカリの取り扱い上の注意点

    第4章 酸化剤と還元剤
    4-1 酸化と還元の意味
    4-2 漂白剤の種類とはたらき
    4-3 塩素系漂白剤
    4-4 酸素系漂白剤
    4-5 漂白活性化剤
    4-6 活性酸素
    4-7 還元剤

    第5章 軟化剤ほか
    5-1 水の硬度と洗浄
    5-2 リンと富栄養化現象
    5-3 代表的な水軟化剤
    5-4 種々のキレート剤
    5-5 酵素
    5-6 再汚染防止剤
    5-7 蛍光増白剤

    第6章 水以外の液体
    6-1 非水系洗浄の目的と洗浄剤
    6-2 炭化水素系洗浄剤
    6-3 アルコール系洗浄剤
    6-4 塩素系洗浄剤
    6-5 フッ素系洗浄剤と臭素系洗浄剤
    6-6 準水系洗浄
    6-7 準水系洗浄剤
    6-8 KB価、SP値とアニリン点
    6-9 有機溶剤の汚れの溶解性と基質の膨潤性

    第7章 洗浄装置
    7-1 種々の洗浄装置
    7-2 超音波洗浄
    7-3 シャワー・スプレー・ジェット洗浄
    7-4 液流の利用の仕方
    7-5 蒸気を利用する洗浄
    7-6 物理的に擦り落とす洗浄法
    7-7 泡のクッション作用を利用する洗浄法
    7-8 泡の付着作用とせん断作用を利用する方法
    7-9 気泡の気/液界面の衝突を利用する方法
    7-10 プラズマや光を利用する洗浄

    第8章 洗浄法と条件
    8-1 油汚れの除去方法
    8-2 固体汚れの除去方法
    8-3 水溶性汚れの除去方法
    8-4 複合汚れの除去
    8-5 RCA洗浄
    8-6 機械力と化学作用の関係
    8-7 除去が困難な汚れ
    8-8 洗浄時間の影響
    8-9 0次反応と1次反応
    8-10 洗浄の速度論
    8-11 洗浄温度の影響

    第9章 清浄度の評価
    9-1 清浄度の簡易評価法と洗浄率
    9-2 表面反射率
    9-3 表面反射率と汚れ量を結びつける数式
    9-4 画像データを用いる洗浄率算出法
    9-5 有機汚れの機器分析
    9-6 無機汚れの機器分析
    9-7 呈色反応による鉄とタンパク質の定量
    9-8 洗濯用洗剤の洗浄力試験
    9-9 食器洗浄用洗剤の洗浄力試験
    9-10 金属板に付着した汚れの洗浄試験
    9-11 液流の影響を見る洗浄試験
    9-12 6種の汚れ別の汚染布の作成

    第10章 環境問題との関係
    10-1 洗浄剤成分の生分解性
    10-2 水生生物への影響
    10-3 洗浄分野につながりのある環境法関連事項
    10-4 洗浄とエネルギー消費
    10-5 エントロピーから見た洗浄の意味

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