行政書士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本[第2版]

著者 :
  • 秀和システム
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798054438

作品紹介・あらすじ

あなたは、行政書士がどんな仕事をしているかご存知ですか? 資格名は聞いたことはあるけれど、具体的に何をしているのかはよく分からないのではないでしょうか。本書は、これから行政書士を目指そうと考えている人を対象に、行政書士として開業し、実務を行っている著者が業界の内実をありのままにお伝えします。独立後の年収、短期合格のための勉強法、開業したら何をすればいいのか等、行政書士のホンネと仕事がよくわかります!

感想・レビュー・書評

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  • [墨田区図書館] 行政書士関連⑤

    独立開業を考える際には再読したい本。
    まだ数週間とはいえ、行政書士についてその仕事内容、受験勉強方法と少しは知識が備わってきたので、"わかったつもり"ではいたものの、この本で改めてこれまでに得た知識+開業(仕事の仕方)に関する部分の話が読めて興味深かった。

    あくまで現時点では仕事としては考えていないし開業も考えてはいない反面、実務(実用知識)面での繋がりや情報は欲しいので、運よく受かったら協会への所属だけはしたいなーなどと漠然と考えていただけだったが、例えばバッジは「コスモス×行」のデザインでねじ式ピン式の二種類があり、2600円(以上)で購入すべきものだとか(笑)、「職務上請求書」は登録書士会で1冊500円で購入するとか、行政書士会への登録費用が約28万(東京都行政書士会の入会金は20万、登録手数料が2万5千、会費3か月が1万8千、政治連盟会費3か月で3千、登録免許税が3万)かかるとか、現実的な話が多く、"仕事"として目指す方なら一読の価値があると思う。

    ■集客方法
    ・DM(ポスティング)
    ・FAX
    ・セミナー(遺言セミナーfor高齢者/起業セミナーfor法人設立業務/税金面比較for個人事業vs法人、株式vs合同、一般社団法人vsNPO法人)→個別相談会
    ・知人紹介

    ・ブログ
    ・オウンド(Owned)メディア/ペイド(Paid)メディア/アーンド(Earned)メディア
    ・HP(SEO(検索エンジン最適化)、PPC広告、動画導入→アクセス数だけでなく成約数を意識!)
    ・FB(やはり利用者数の多さは侮れない&交流会や勉強会情報も豊富)

    ■仕事に関する場所
    ・公証役場:公証人(主に裁判官、検察官、弁護士の中から30年以上の実務経験がある者から法務大臣が任命)が執務を行っている場所で、契約書や遺言を公正証書にしたり定款の認証を行う場所。
    ・都庁:主に許認可手続きで利用。都庁は集約されているが自治体によっては業務によって申請場所が異なるので注意。
    ・法務局:登記管理を行っているので、登記簿謄本の取り寄せ(全国どこでも利用可、1通600円くらい)で利用。逆?に登記されていない証明(成年"被"後見人等でないことの証明、東京なら法務局後見登録課のみ、地方は本局戸籍課のみ、1通300円くらい)でも利用。
    ・入国管理局:入管業務などで利用。申請人の住所地によって申請先が異なる。東京入管は月金&2-3月は特に人が多く2H~10H待ちなどもある上、新規(A)と変更・更新(B)でカウンターが異なるなど注意が必要。申請取次行政書士なら、曜日限定の新規申請だけだがFAXも可。
    ・警察署:風俗営業(保安係)や古物商(防犯係)の許可申請や車庫証明(生活安全課)の取得など。古物商は防犯係が窓口なので事件が起きると担当者がおらず出直すとか、支払いも署内会計課(東京都)だったり別の建物(神奈川県)だったり押印が必要な書類が違っていたりと警察署ごとに異なる点があるので注意。
    ・区役所・市役所・役場:住民票や戸籍(職務上請求書で委任状なく取得可能)、身分証明書(市民法務処分(禁治産者、準禁治産者、後見登記、破産宣告)が書かれたもので本籍地でのみ取得可能、職務上請求書の範囲外なので委任状を用意して代理申請)などの取得など。
    ・その他:車の名義変更なら運輸支局、金融商品取引業法に関する手続きは財務局、お酒を販売する酒類販売の手続きなら税務署、建築関係は土木事務所…

    ■14法人設立(P110~)
    最も関係なさそうだが、会社法で躓いたときヒントになるかも?

    ■15許認可手続き(P129~)
    これも関係なさそうだが、下記の4種の用語の違いと関連業務のイメージは大事かも。

    ・許可:公益上の理由から一般的に禁止されている行為について禁止を解くこと。風俗営業、建設業、産廃業の許可などや、農地の売買(法律上の文言は許可)、自動車運転の免許もこれにあたる。申請を受けた行政官庁に裁量があり不備がなくても拒否されることもある。
    ・認可:自由に行える行為に一定の要件を設け、その要件を満たしていれば法律上の効果を完成させるもので、宗教法人の設立や学校法人の設立など。
    ・特許:発明などだけでなく、国民が本来有していない特別の権利や地位を新たに与える行為で、鉱業権設定の許可、公益法人の設立の許可、外国人の許可など。許可以上に、申請先行政官庁の裁量の幅が認められる。
    ・届出:行政庁に一定の事項の通知をする行為で、電気通信事業者の届出や、建設業や古物商などの役員や会社名の変更届など。書類不備等がなければ行政官庁での判断は不要で書類到達時に履行完了となる。

    ■16市民法務業務(P138~)
    弁護士法72条との関係(弁護士以外は紛争への介入、交渉代理は行えない)を注意。相続や離婚、内容証明や交通事故などの市民法務業務では争いのある事案もあるため、注意。弁護士との協業も大事。
    遺言書でなく死後事務委任契約や民事信託を提案したり、成年後見制度など。
    ・一般社団法人コスモス成年後見サポートセンター:成年後見に関する十分な知識・経験を有する者を正会員として組織する団体で平成22年発足。このセンターで研修を終えた会員は、全国の家裁に後見人・後見監督人として推薦される。
    ・ADR(裁判外紛争解決手続)センター:ADRの「訴訟手続きによらず市民法務上の紛争の解決を図る手続き」のうち、行政書士会としては仲裁手続き以外の調停手続きに対して行う。裁判のように法律を適用するのではなく、あくまで話し合いによる手法で対話から問題を抽出して要求を明確化し、利害調整しながら解決までをサポートするもの。で、所定のトレーニングを積んだ調停人が対応する解決機関。

  • 内容が濃くてためになった。

  • 稼げない資格というイメージが世間的に行政書士にはある。
    筆者は、行政書士ほどクリエイティブな士業はないという。
    司法試験に落ち行政書士にデモしかでなった筆者だが、今は行政書士にやりがいを感じているようだ。
    行政書士の勉強をするモチベーションを高めてくれる本。

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著者プロフィール

行政書士法人GOAL 代表
一般社団法人行政書士の学校 代表理事
株式会社ボランチ 代表取締役
1978年栃木県生まれ。立教大学法学部卒業。平成19年行政書士受験に合格。平成20年に行政書士石下貴大事務所を開業。平成26年10月に行政書士法人GOALを設立。29才まで司法試験に失敗続きのフリーター生活のため、当然金もコネも社会人経験すらない状態での開業だったが、産業廃棄物やリサイクルなどの環境ビジネス支援と起業支援に特化し、多数の案件を手がける。また、行政書士が実務を学ぶ場が少ないという実情を変えるべく、各業務の現役の専門家のみを講師に迎える行政書士の学校を開校し、自身も講師をつとめる。

「2022年 『行政書士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本[第3版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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