採るべき人 採ってはいけない人 第2版 採用に悩む小さな会社のための応募者を見抜く技術

著者 :
  • 秀和システム
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798069074

作品紹介・あらすじ

採用に悩む中堅・中小企業の経営者や採用担当の方々に向けて、米国発の能力分析手法によって、ウイズコロナの中で「入社後に活躍する、真に生産性の高い応募者」を見抜くための50のポイントを解説いたします。


【50の新常識(一部抜粋)】

●中小企業が人材採用に取り組む際の大前提
・採用をもっと怖がらなくてはいけない  
・大企業よりも優秀な社員を採用することが前提になる
・教育で人を変えることはできない   など

●新卒採用か中途採用か
・「管理職は中途採用でカバーする」は悪手である
・輝かしい経歴の人であっても、生産性が担保されるとは限らない
・「当社に新卒採用はまだ早い」は思い違いである   など

●採用選考の基本方針を定め、プロセスをデザインする
・採用基準は、マネジメント能力に集約されるべきである
・「尖がっている人も採りたい」と考えてはいけない
・逸材を選ぼうとすると女性が多くなる   など

●選考母集団を拡充する
・選考母集団を拡充することが成功への第一歩である
・会社の利害関係者から紹介を受けてはいけない
・「体育会所属者や留学生経験者は優秀」は妄想である  など

●応募者に向き合う際に求められるマインドセット
・第一印象や感覚的な評価を捨ててはいけない
・応募者の志望動機に一喜一憂する必要はない
・内定を出した応募者に過剰に迎合してはいけない  など

●応募者の真の思考力を見極める
・発言内容が立派に思えても、思考力が高いと評価してはいけない
・言動が丁寧過ぎる応募者は、思考力に欠ける人である可能性が高い
・よくしゃべる応募者は、「思考しない学力秀才」である可能性が高い   など

●応募者の心の状態を見極める
・語勢が強い応募者は、心が弱い
・「いい人」を演出する応募者は、心が弱い
・相槌や頷きを繰り返す応募者は、人の話を聞いていない
・気持ちよさそうに滔々と話す人は、ナルシストである
・「キラキラ言葉」を連発する応募者は、泥臭く地道な仕事を嫌う   など

●逸材を見落とさないために知っておくべきこと
・発言の多さだけが応募者の「熱量」を図るモノサシではない
・仕事の質にこだわる逸材ほど「緊張しい」の度合いが高まる
・採るべき逸材は、例外なく静かな「自然体」である   など

感想・レビュー・書評

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  • 面接で何を見たらいいのか、少しわかった気がした。自分が失格な社員にならないようしないと、とも思った。

  • 採用時などに使える、「人の選び方」を学べる本です。
    人口減少下で、採用に苦労しているという中小企業の経営者の方が増えていることを実感します。
    人が見つからないという悩みだけでなく、採った人材が周囲と問題を起こす、すぐ辞めてしまう、という悩みも多いようです。
    実績多数の人事コンサルの筆者が、採用すべき人材の特性、問題を起こす可能性がある応募者の見極め方などを教えてくれます。
    人事関係者はもちろんですが、その他の方も、職場内での人間関係を良くする上で知っておいて損がないことが多そうな1冊です。

    【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】

    「経験で得た情報×仕事力=生産性となるが、仕事力は長い年月をかけ、その人の中の奥深いところで培われる。人が変わるのは、自分が自分の弱みに気づき、本気で変えようとした場合だけ。教育で変えれば良いと安易に考えず、個の能力を不変のものとして尊重する。」
    「会社が求めるものと意向や価値観が異なれば、優秀な人ほど潔く会社を離れる。職場の人的環境整備を整えていないなどの落ち度が会社になければ、過剰にネガティブに捉える必要はない。応募者の本質を採用選考で見抜ければ、リスクのある人の侵入は防げる。」
    「マネジメント能力とは、経験知を持ち込めない未知の領域でも自力で思考し、目標やプロセスを設定して組織や関係者のために質的生産性の獲得に向け自力で進む力。生産性の高い組織ほど、管理職だけでなく、すべての層にマネジメント領域で動ける人を求める。」
    →マネジメント能力のある人材を獲得するのは、当然、簡単なことではありませんが、教育で安易にその人を変えることが難しいという前提に立てば、やはり、探し続ける必要があります。見つけられれば、長い目で見て苦労が減るという可能性も高くなります。

    【もう少し詳しい内容の覚え書き】

    ・「人に向き合う」のは、「その人のことを知ろうとして、一生懸命その人のことを考え続ける」という極めて泥臭い取組。大変な熱量と集中力を要し、中途半端ではできない。一方で、日本では人事に古い常識や通年が残り、人に向き合うパワーを奪いがち。
    ・入社後に問題行動を見せる可能性の高い人物は、採用選考の場で必ず特有の行動特性を示す。そのシグナルを正しくキャッチできるかが、採用の生産性を大きく左右する。期待する理想像を追い求めると、応募者に正しく向き合う意識を薄めてしまう。

    ○中小企業の採用時の大前提
    ・経験で得た情報×仕事力=生産性となるが、仕事力は長い年月をかけ、その人の中の奥深いところで培われる。人が変わるのは、自分が自分の弱みに気づき、本気で変えようとした場合だけ。教育で変えれば良いと安易に考えず、個の能力を不変のものとして尊重する。
    ・会社が求めるものと意向や価値観が異なれば、優秀な人ほど潔く会社を離れる。職場の人的環境整備を整えていないなどの落ち度が会社になければ、過剰にネガティブに捉える必要はない。応募者の本質を採用選考で見抜ければ、リスクのある人の侵入は防げる。

    ○新卒か中途か
    ・管理職の適材がいないと考えがちだが、「外から採る前に現有社員に向き合う」のが組織再編の鉄則。でないと、社内の士気が下がる。「転職市場はマネジメント能力に欠ける管理職経験者で溢れている」事実に向き合わないと、中途採用の繰り返しで会社が弱くなる。
    ・中小企業の説明会や採用選考も学力秀才の学生が参加するが、「思考しない人」も多い。それらが大企業に内定後、学力はそこそこてもじっくり思考できる人、少し不器用でアピール下手だが、誠実で責任感も強く、利他的に動ける人をゆっくりじっくり拾い上げたい。

    ○選考の基本方針設定とプロセスのデザイン
    ・マネジメント能力とは、経験知を持ち込めない未知の領域でも自力で思考し、目標やプロセスを設定して組織や関係者のために質的生産性の獲得に向け自力で進む力。生産性の高い組織ほど、管理職だけでなく、すべての層にマネジメント領域で動ける人を求める。
    ・マネジメント能力の持ち主は、未知の場面でも自分の頭で考え自分で動くための仕事力である思考力と、利己的な欲望を制御して他者の利益や心情に寄り添って動くための仕事力である利他性が高い。この2つの要件に問題があると、必ず「困った社員」になる。

    ○選考母集団を拡大する
    ・多くの応募者と接し、採用する理由、求める人材を自問自答する中で、最適化を求めて頭に汗をかくことで、応募者にも、自分自身の気持ちにも冷静に向き合えるようになる。
    ・思考力が高くても学力が低いと、思考力を発揮する前に日々の作業が滞る可能性がある。選考時は「学歴」の情報も頭の片隅に置いておく。

    ○応募者の真の思考力を見極める
    ・実効性の高い思考力を持っているかを確かめるには、「根拠は?」という質問が極めて有効。具体を概念化し、物事の全体感を把握して本質を知ることが必要な一方で、概念の世界だけに留まらず、具体に降りて、現実的な対応に汗をかくことも必要。

    ○応募者の心の状態を見極める
    ・精神的に自立して心が強い人は、「誰からどう見られようが自分は自分」「自分に不足する部分があっても仕方ない」といい意味で開き直っており、不安も怖いものもない。強い口調で発信する人は、実は心が弱く、不自然さや過剰感を出していることがあるので用心する。
    ・世の中の許容度が低くなっている昨今、前置きによりリスクヘッジしないと怖くて話ができなくなっている人が増えたが、精神的に自立している人は、無駄なことを口にしない。おかしいものをおかしいと断じ、無駄のない行動をリスペクトする感性を常に保っていたい。
    ・わかりにくい冗長な話になるのは、人への興味が薄く、他人に伝える気がなく、「着地点」を定めずに話し始めるから。話したい、伝えたいことを決めて話し出す人は、ゴールを見据え、ストーリーを携えて話を進めるので、聞き手が流れを掴めて、次を予測しながら聞ける。
    ・メンバーの一員という意識が希薄で他のメンバーを意識せず、発言の責任の重さも感じない人は、いきなり話し出す。本来は、自分の発言時に気合を入れて身体を起こす、議論の流れを追いかけ、発信の直前に息を吸うためすっと肩を上げる動きなどがあるもの。

    ○逸材を見落とさない
    ・期待に溢れた心で採るべき人を探すと、思い込みや決めつけを招く。冷静な心で採ってはいけない人の問題行動を見つけていく。それが見つからなかった応募者は、採るべき人である可能性が高まる。
    ・話しかけやすい人(話していて嫌な感じがしない人)、言われたことを素直に受け入れてあれこれ言わずに動く人、真面目でサボらない人は、「いいヤツ」で、リーダーの適性がある。

    ○小さな会社の頑張りどころ
    ・その人に合う仕事を与えていくタレントマネジメントという考え方は、今の日本企業の親和性は低いが、これから世界中の人事で主流となる。個の力を最大限活用しないとやっていけない時代になっていて、早めに取り組めば「独り勝ち」のチャンスでもある。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/784484

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著者プロフィール

奥山 典昭(おくやま のりあき)
◎概念化能力開発研究所株式会社代表取締役
◎アセスメントセンターのプロフェッショナルアセッサー(人材アセスメント職人)

1960年に東京で生まれる。関西大学法学部(体育会ラグビー部)卒業。商社の香港現地法人に5年間駐在したのを皮切りに国際畑を歩むが、35歳を過ぎてヒューマンビジネスへのキャリアチェンジを決心。たまたま飛び込んだ人事系コンサルティング会社で出会った「アセスメントセンター」という米国発の行動分析手法に強い衝撃を受け、「この凄いノウハウは、人の問題に苦悩する小さな会社の経営者のために使われなくてはいけない」という使命感に燃えて、1999年に会社を設立。以来、アセスメントしたビジネスパーソンと大学生の数は、約27,000人(2022年3月末日までの実績)を数える。近年は、採用アセスメントを顧客企業において内製化させる仕事が増え、若い人たちに「人を見極める技術」を伝える日々を楽しんでいる。著書に『間違いだらけの優秀な人材選び』(こう書房)、『採るべき人 採ってはいけない人(第1版)』(秀和システム)などがある。

「2022年 『採るべき人 採ってはいけない人 第2版 採用に悩む小さな会社のための応募者を見抜く技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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