- Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798119786
感想・レビュー・書評
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広告でレスポンスを獲得するための方法論がまとめられた本。実際にテストで検証したノウハウが具体物でわかりやすく紹介されている。新聞広告などの紙媒体での話が中心だが、考え方はWEBを含め販促物全般に応用できる。著者のこの分野での経験の深さが滲み出ている。販促物制作を携わる全ての方にオススメの一冊。
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【読書メモ】
●通行人にとって広告というのは見えてはいるが見てはいない「歩行中の風景」のようなもの
●レスポンス広告の役割:こちらから仕掛け、必要に気づかせ、欲望に火を点け、購買させること
●「レスポンスをさせる」は「衝動買いをさせる」ことと同じ!
●レスポンス広告の業界における経験率としては、レスポンスの四割は商品のルックスで決まり、次の四割がメディア、一割がタイミング、最後の一割がようやくクリエーティブによって決まると言われています。
●"Acquire with intent to keep! Retain with intent to profit!"
あらかじめ維持管理することを念頭に置いて(その価値のある客だけを)獲得せよ!あらかじめ収益を上げることを念頭において維持管理せよ(顧客理解や顧客満足はそのための手段に過ぎない)!
●「名探偵になるな!名推理小説家になれ!」
●失敗レスポンス広告が生まれる理由?
1)レスポンス広告を一般広告と混同している
2)製品やサービスの優位性を過信している
3)ターゲットが商品に飢えていると勘違いしている
4)ターゲットが買いモノ気分でいると勘違いしている
5)ターゲットの忍耐力や理解力に期待しすぎている
●広告の到達レベル
1)ほとんどの広告は読み飛ばされる!
2)足切り試験はわずか0.1秒!
3)さらに待ち受ける二次試験も長くて10秒!
4)最終試験にたどり着き、本来の評価をしてもらえる確率は千分の一!
レスポンスを獲得する上で重要なのは、いかにしてターゲットを"レベル4"まで連れてくるかです。
●レスポンス広告が担っている使命は、まず"一期一会"から"一生のお客様"となる"一度目のお客様"を獲得することです。
●「電話番号を大きく入れろ!」「価格を大きく入れろ!」-それ自体がアイキャッチになり、一般広告でなくレスポンス広告(店舗)であることが、ただの通行人であるターゲットにも、一目で伝わるからです。
●買ってもらうために必要なのは通行人の足を止めさせること、すなわち広告自体に対する"集客"です。
●"集客"のきっかけとなる14のポイント
1)つかみOK!の強いキャッチ
2)お金をあげる
3)0円と無料
4)プレゼント
5)良さそうに見えること
6)ブランドに頼らない
7)ターゲットを限定する
8)ターゲットはだれか?
9)ターゲットの問題意識に適合しているか?
10)ターゲットによって響く言葉が違う
11)ターゲットの恐怖心に訴えかける
12)単品かラインナップか(ラインナップ広告は総花的で決め手に欠く訴求になりがち)
13)目的を複数持たせない・複雑化させない
14)質的に異なる広告に見せる(新築マンションなど。ターゲットを広げる)
●英文キャッチは、ターゲットが翻訳してくれなければ意味が伝われないので"集客力"は和文の半分以下
●"説得"をする上でのポイント
1)先手必勝(会話の口火は必ず先にきる)
2)バーチャル・インタラクティブ・コミュニケーション
●"説得"のための6つのポイント
1)数値データによる説得
2)権威づけによる説得
3)テスティモニアル・証言による説得
4)ターゲットに応じて説得のポイントを変える
5)効果のある説得ポイントは何度でも繰り返す
6)サービス開発により説得する(全額返金、お祝金進呈など)
●レレバンシー:レスポンス広告におけるコミュニケーション全体のマネジメント(トーン&マナーや作法を含む"最後の詰め")
●"レレバンシー"を生み出す10のポイント
1)主役はお客様とお客様のベネフィット
2)人物がいて目線が合う広告
3)年齢別のアプローチ(登場するモデルを想定ユーザーにするなど)
4)頭揃えで段組みがよい
5)頭揃えで縦組みがよい
6)文字を写真に埋め込まない
7)文字をデザインしない
8)斜め読みしやすいレイアウト(EyeFlowを意識)
9)インターネット広告も新聞広告の考え方と同じ
10)書体・級数・文字間・行間・他
・書体:ターゲットが普段から多く接触していて見慣れているものを
・文字級数:重要なポイントは大きい文字。最低級数は新聞や雑誌に合わせる。
・文字間・行間:ターゲットが慣れている印刷物に揃える
・一行あたりの文字数:新聞の要約部分が22文字から33文字でこのあたりを目安に
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レベル1:通行人1→0.1秒で見切る。広告を風景としてしか認識しない
レベル2:通行人2→広告のキャッチ部分にオヤッと目(足)を止める
レベル3:検討層→どれどれと広告の見出しコピーとサブカットを斜め読み
レベル4:来店層→購買することを前提に本文をくまなく読み商品の詳細を確認する
レベル5:レスポンダー=購入者→レジに行くかわりにレスポンスする
●サイトにスペースの制限がないからといってあまり多くの情報を盛り込みすぎると、せっかくシームレスでつながったコミュニケーションも遮断されかねません。
●文字の大きさには限度があり、一定の大きさを超えると意味を持った文字や文章ではなく画像データ化してしまい、伝えたかった情報が逆に伝わりづらくなってしまいます。
●レスポンス広告の方法論・基礎編のまとめ
極意1「集客」:欲望に火を点ける広告、思わず立ち止まらせる広告であること!
極意2「説得」:行動阻害要因を排除・解決する広告であること!
極意3「レレバンシー」:ターゲットインサイトに根差した納得・共感を呼ぶ広告であること!
●強い広告案"チャンピオンクリエーティブ"一案だけでは、継続的で長期的なビジネスに勝利することはできません。常に複数の広告案を用意し、効率よく出稿していくこと。同時に次の広告案や"チャンピオンクリエーティブ候補"を開発し続けていることが、継続的で長期的なビジネスに勝利するための要となる。
●広告の掲載結果を正しく検証し、それを次の施策にフィードバックさせる。-正しい検証作業とは、レスポンスの件数の多寡に一喜一憂することではなく、なぜそうなったのかという理由について深く考え、そこからレスポンスの改善につながる仮説を導き出すことです。そして、フィードバックとは、それらの仮説を既存の広告原稿に反映させることや、それらをもとに次の新しい広告案を開発することです。
●"キラークリエーティブ"を考える上で外せないのが現場経験です。レスポンス広告のハンドリング作業を実際に担当し経験することです。
●いつまでたっても"現場経験"や"売り場感覚"の重要性-継続して担当する(させる)こと-の意味や価値に気づかず、頻繁に制作チームを交代させたり、複数の制作会社を毎回レスポンス数だけで競わせるといったことを繰り返しているとすれば、やはり問題があるでしょう。
●カタログハウス創業社長 斉藤駿氏発案のトレーニング方法「売上トップ50位・ワースト50位表」・・・カタログ下版直前に全300種類の掲載商品の中から売上げ上位50と下位50商品の順位を"予想"し、表にして提出する。実体としてのレスポンス-その構造や仕組みのようなもの-が少しずつ理解できるようになってくる。
※同社のカタログは、継続商品の割合が非常に多いので、同じ商品の場合であれば、説明の仕方や表現の違いだけで考えればよい。
●「売れる」ということは、あなたの観察力とアイディア、それらを形にする能力、検証と分析、それらの積み重ねと体系化による成果です。そしてそのエンジンとなるのは、あなたの心のうちにある"売りたい魂"に他なりません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
具体的な例が多くわかりやすく、読みやすかった。
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レスポンス広告について例を交えて説明
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10/8ダイレクトマーケティングの理解に繋がった。レスポンス広告は認知広告ではなく販売だという意識を強く持って業務に取り組む。
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全くそのとおり、と納得しかなかった。
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ありとあらゆる広告は、
どのような形であっても、最終的にはカスタマからのレスポンス(=アクション)の為に存在する。
とするならば、
少しでも広告に関わる仕事をしている人で、今よりもっと広告の効果(レスポンス)を上げたいと考える人は是非読んでみて欲しい。
また、広告には関係ないが、身の回りにある広告が何故そのような中身になっているのか?と、興味がある人にはその答えの一つがこの本にはあります。 -
■レスポンス広告で電話番号が大きい理由は、申し込みのためでなく、レスポンス広告と認知させるためである。<br />■「レレバンシー」
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レスポンスを高めるためのポイント
1集客(欲望を刺激する)
2説得(行動阻害要因の排除)
3レレバンシー(ターゲットの琴線にふれる。適切性、関連性、妥当性のマネジメント)
一般広告とレスポンス広告の違い
一般広告がAIDMAの「A」「I」を刺激するもの
レスポンス広告はAIDAつまり広告に出会わせてそこで買わす。
レスポンス広告の使命
まず一期一会から一生のお客様となる一度目の客様を獲得すること
レスポンスまでの流れ
広告は町の中の風景とおなじ。広告に接触する時間は僅か0.1秒
この間に興味を持たし広告自体に集客させる
広告を斜め読みまでもっていき、購入することを前提に詳細情報を読ます。 -
基本広告なんてだれもきにしない。特にWEB広告は、売れないストリートミュージシャンみたいなものだなと思う。
好きなアーティストの歌を好んで聴きに行く「ライブ会場」(お店で商品を買う行為)に対して、ストリートミュージシャンは「街の風景の一部」でしかなく、みんな無視してうるせーってかおして素通りする(WEB広告などで商品情報を見る行為)のが普通、一般的、あたりまえなわけですよ?
で、そこをはっきりくっきり自覚した上で、どう涙ぐましく、みんなきいて!わたしのうたをきいて!と、努力をすべきかっていうノウハウを本の後半に具体的な方法論をこまかくかいているようです。
んだけど、そうしたWEB広告などの立ち位置を改めて明確に意識づけしてくれたっていうだけで僕には読んでよかったとおもえましたです。