ニッポンの個人情報: 「個人を特定する情報が個人情報である」と信じているすべての方へ
- 翔泳社 (2015年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798139760
作品紹介・あらすじ
日本のプライバシーはいま、どうなっているのか?
本書は、山本一郎、高木浩光、鈴木正朝からなる「プライバシーフリークの会」によって行われた鼎談、「プライバシーフリークカフェ」を元に構成しています。10年前、個人情報保護法が施行され、個人、企業、学校等、さまざまなレベルで「個人情報」というものが意識されるようになりました。この10年の間、多くの誤解や間違った認識が生まれました。また、クラウドやビッグデータの時代となり、私たち一人ひとりの情報が、私たちの目の見えない形で取得され、「利活用」という言葉のもとで適法に、あるいは違法に、情報がやりとりされるようになり、紙の時代の価値観では対応できないような複雑な問題が発生しています。こうした状況を受け、10年ぶりに、個人情報保護法の改正が行われます。日本のプライバシーはいま、どういう状況におかれているのか。
個人情報保護法改正の議論で考えなければならないこととは?
個人情報とプライバシー、法と技術とビジネス、そして個人―様々な視点から斬り込みます。
▼プライバシーや個人情報に関するよくある認識
× 氏名、年齢、生年月日、住所といった本人特定情報だけが個人情報である。
× 個人を特定できない情報だったら利活用しても問題はない。
× 日本も欧米を見習って情報を利活用しなければ、経済競争に出遅れるので規制緩和をすべきである。
× 自分には漏れて困るような情報はないので心配ない。
× ダイレクトメールがいやだったら、捨てればいいじゃない。
本当に、そうですか?
●内容構成
第1章 「個人を特定する情報が個人情報である」と信じているすべての方へ
第2章 Suica履歴は個人データでした
第3章 そんな大綱で大丈夫か?
第4章 だまし討ち、ダメ。ゼッタイ。
第5章 漏洩が問題なのではない、名寄せが問題なのである
第6章 見えないと、不安。
●プライバシーフリークとは
ヤフー執行役員の別所直哉氏の「ビッグデータの利活用と利用者保護に関する説明会」における発言「日本ではプライバシーフリークが台頭」「EU型の厳格規制(完敗への道)を志向」「ゆえにプライバシーフリークに対抗する動きが必要」が由来。これを受け、山本一郎、高木浩光、鈴木正朝の3名が「プライバシーフリークの会」を結成。法改正へ向けて議論を行うなど、活動を開始。
感想・レビュー・書評
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会話形式といっても、もう少しまとめようがあるだろうって思う。「ええ、ええ」「ああ」とかいう相槌とか、そんないらん。それに、文脈があるのかないのか、ちょっと追うのがむずかしく、頭に残らないのだな。
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社会
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Yotsuya
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勉強になった。
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316.1||Su
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面白かった。以下キーワードにピンときた人にお勧めします。
「「共同利用」において削除は誰がするのだ?」「業界団体に参加してないほうが有利」「行動ターゲティング広告規制」「GPS情報は個人情報か?」「医療クラウド」「個人特定性低減データ」「10年選手がいない弱み」「現時点でない、ってことは後々あるってことですよねえ」「データにしろ、サーバにしろ、データセンターにしろ、それから事業者にしろ、もう、海外 に出ていっちゃいますからね」「要はがんにならなそうな人にがん保険を売りたいわけですよね」
続編早く読みたい。 -
首相官邸が主催する有識者会議である「パーソナルデータに関する検討会」構成員であり個人情報保護・プライバシー問題の学者である鈴木氏、電凸により数多の企業のコールセンターを恐れ上がらせてきた高木氏、某やほお社の「プライバシーフリーク」論争等ネット上の炎上事件の解説には定評のある山本氏の3氏が、個人情報保護・プライバシー問題について自由に語った鼎談「プライバシーフリークカフェ」の模様をまとめた一冊。
自由な議論ではありながら、個人情報に関して勘違いしやすい問題(代表例は、氏名や住所等を削除すれば個人情報ではない、というもの)や、JR東日本/日立製作所によるSuicaデータ販売問題、ベネッセの名簿流出事件に見る裏名簿屋の存在など、広範な問題がまとめられている。
重要な指摘と感じたのは、Googleに対する訴訟など個人情報の扱いについて極めてセンシティブなEUが、今後、自動運転等で今後様々なパーソナルデータを扱うことになるであろう日本の自動車業界にターゲットを向けてくるのではないかというリスクと、それに対して日本の産業界が無自覚なのではないか、というもの。日本におけるパーソナルデータに関する議論についての産業界の指摘が主に某やほお社などの国内でのビジネスが主のネット系企業が中心になっている点について、経団連等の産業界が無自覚なのではないかという点について警鐘を鳴らしている。今後のプライバシーフリークお三方の活動にも期待。 -
個人情報保護法の問題点について、縦横無尽に語り合った本。ただし内容はとても細かく、なおかつ深い。話題に上っている内容をきちんとフォローしようと思うと、脚注からさらに記載されているwebページに飛ばなければならず、かなり大変。
ただ、著者(話者?)が興味深いエピソードを交えていて、語り口そのままで書かれているので、脚注など飛ばして読むのもライブ感があって面白いかも。
さて、改正成立しましたが、プライバシーフリークたちは次に何を語ってくれるのでしょうか。 -
【ながーい内容紹介】
●日本のプライバシーはいま、どうなっているのか?
本書は、山本一郎、高木浩光、鈴木正朝からなる「プライバシーフリークの会」によって行われた鼎談、「プライバシーフリークカフェ」を元に構成しています。
10年前、個人情報保護法が施行され、個人、企業、学校等、さまざまなレベルで「個人情報」というものが意識されるようになりました。この10年の間、多くの誤解や間違った認識が生まれました。また、クラウドやビッグデータの時代となり、私たち一人ひとりの情報が、私たちの目の見えない形で取得され、「利活用」という言葉のもとで適法に、あるいは違法に、情報がやりとりされるようになり、紙の時代の価値観では対応できないような複雑な問題が発生しています。
こうした状況を受け、10年ぶりに、個人情報保護法の改正が行われます。
日本のプライバシーはいま、どういう状況におかれているのか。
個人情報保護法改正の議論で考えなければならないこととは?
個人情報とプライバシー、法と技術とビジネス、そして個人―様々な視点から斬り込みます。
▼プライバシーや個人情報に関するよくある認識
× 氏名、年齢、生年月日、住所といった本人特定情報だけが個人情報である。
× 個人を特定できない情報だったら利活用しても問題はない。
× 日本も欧米を見習って情報を利活用しなければ、経済競争に出遅れるので規制緩和をすべきである。
× 自分には漏れて困るような情報はないので心配ない。
× ダイレクトメールがいやだったら、捨てればいいじゃない。
本当に、そうですか?
●プライバシーフリークとは
ヤフー執行役員の別所直哉氏の「ビッグデータの利活用と利用者保護に関する説明会」における発言「日本ではプライバシーフリークが台頭」「EU型の厳格規制(完敗への道)を志向」「ゆえにプライバシーフリークに対抗する動きが必要」が由来。これを受け、山本一郎、高木浩光、鈴木正朝の3名が「プライバシーフリークの会」を結成。法改正へ向けて議論を行うなど、活動を開始。
<http://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798139760>
第1章 「個人を特定する情報が個人情報である」と信じているすべての方へ
第2章 Suica履歴は個人データでした
第3章 そんな大綱で大丈夫か?
第4章 だまし討ち、ダメ。ゼッタイ。
第5章 漏洩が問題なのではない、名寄せが問題なのである
第6章 見えないと、不安。 -
プライバシーフリーク(←自嘲の意もある)達が、法律や大綱・提言によって提示される個人情報およびその取り扱いを、背景から実態・問題点まで語っていく内容。Suica事件やベネッセ漏洩事件、オプトアウト問題などの概要は説明があるけど、それに伴う各論争はリンクが貼られているだけで、著者たちのブログなりコラムを読んでいないと置いてかれる。鈴木先生と高木氏の主張が微妙に異なるのも面白い。
楽天やヤフーの主張もわからんでもないけど、彼らのサービスは便利になるどころか逆に不快になるだけで、根本的に信用できない。