SCRUMMASTER THE BOOK 優れたスクラムマスターになるための極意――メタスキル、学習、心理、リーダーシップ
- 翔泳社 (2020年9月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798166858
作品紹介・あらすじ
「スクラムマスターは何をすればよいのか」に答えてくれる本
本書は、「スクラムチームの母」と呼ばれ、著名なスクラムトレーナーでもある著者が、
その経験則――スクラムマスターは何をすればよいのか――をまとめた、
Addison-Wesley Signature Series(Cohn)『The Great ScrumMaster: #ScrumMasterWay』
の日本語版です。
スクラムには、3つの役割があります。
プロダクトオーナー、開発チーム、スクラムマスターです。
プロダクトオーナーは、プロダクトの責任者であり、
開発チームは、プロダクトを開発します。
一方で、スクラムマスターは「サーバントリーダーであり、
促進と支援に責任を持つ」とあります(スクラムガイドより)。
これを読んで、何をすべきか理解できますか?
そう、スクラムマスターは、縁の下の力持ちであるがゆえに、
何をし、どのような姿勢でいればよいのか、理解が難しいロールなのです。
著者のZuzana Sochova氏も、本書の中で
「スクラムのロールの中で一番誤解されやすい」と述べています。
たとえば、突然、あなたはスクラムマスターを命じられたとします。
明日から、スクラムマスターとして、チームを支援していかなければなりません。
●何から始めたらよいでしょうか?
●スクラムマスターとして、どのようなスキルが必要でしょうか?
●これから起こる困難に、どのように立ち向かっていけばよいでしょうか?
●もっとチームが機能するにはどんな働きかけをしたらよいでしょうか?
本書は、これらの疑問に真っ直ぐに答えてくれます。
開発者としてスクラムチームに参加した当初は、
まったくスクラムが好きになれなかったという著者。
そして、その後スクラムの良さに気づき、
その「スクラムチームの母」となっていく経験を通じ、
「スクラムマスターというロールについてもっとよい説明が必要だ」と、
彼女自身が #ScrumMasterWay というコンセプトで始めた活動がもとになったこの本。
スクラムマスターだけでなく、アジャイルコーチや、
組織改革を担うリーダーにもぜひ読んでいただきたい一冊です。
組織改革に立ち向かうあなたに、知恵と勇気を与えてくれることでしょう。
感想・レビュー・書評
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さらっと読めるけど大事なエッセンスの詰まった良本。「スクラムとはマインドセット、文化、哲学であり、決まった手法のセットではありません」「新たなスクラムの理解・定義は「生き方」そのものです。」素敵な表現、まさにそのとおりだと思っている。スクラムマスター道(ScrumMasterWay)として、自チームがある程度軌道に乗ったとしても偉大なスクラムマスターへはまだ遠いことを教えてくれる。もっと色々やりたくなる!
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優れたスクラムマスターになるための方法をわかりすく書いてあるとても良い本でした。途中にあるエクササイズがとても勉強になりました。
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SCRUM MASTER THE BOOK 優れたスクラムマスターになるための極意
「スクラムチームの母」と呼ばれ、著名なスクラムトレーナーであるZuzana Sochova氏の著書です。
スクラムマスターについて書かれた本は少なく、よいガイドになる貴重な本です。
スクラムマスターになりたい人だけでなく、リーダーをやっている人が身につけるとよいスキルがわかる内容になっていると思います。
日本語版付録として、スクラムの概要が説明されているのが親切です。
【本書で学べること・考えること】
- スクラムマスターの役割と責務
- 心理状態モデル(どのようなケースで何をやるか)
- #ScrumMasterWay(スクラムマスターの哲学)
- メタスキルとコンピタンス(収得すべきスキルや心構え)
- チームの構築方法(チームビルディングについて)
- 変化を起こすための方法
- 実際のスキルの使い方
- 実際にスクラムマスターとしての実践するには
読んでみての感想です。
「スクラムマスターとは?」という疑問に対し、役割や目的、必要なスキル、一般的な進め方のステップなどが体系的に説明されています。
スクラムマスターは、「開発チームが自己組織化することを推進し、責任を持って目標に向かって行動することを支援する」ことが役割であり、責務であると明確に定義されています。これはわかりやすいです。
スクラムマスターは、開発チームから一歩引いた視点で物事を観察し、以下のスキルを駆使して責務を全うすることがわかります。
- ティーチング
- 傾聴
- コーチング
- ファシリテーション
- 自己コントロール
- スクラムへの理解
- 専門知識 など
抽象的で具体的でないという意見もあると思いますが、具体的な内容はケースバイケースなので仕方がないと考えます。
上記したスキルは、それぞれで本一冊になるテーマなので、それらを習得するにもコストがかかりますし、人の適性もあるかと思います。
それでも、何を学び、実践していけば良いかというガイドになりますし、収得するには実際にトレーニングを積む必要もあるということが理解できるので、全体像を体系的に理解するには有用だと思います。 -
スクラムマスターとしてのマインド、理想像、必要スキルをまとめた本。具体的な手法を教示する本ではないので、それを期待して読むと肩透かしを食らう。
理想を体現するのはとても難しいが、スクラムマスター(というかスクラムそのもの)は基底のマインドセットがとても重要になるので、実現困難だとしても理解し把握しておくに越したことはない。現場で問われる場面は確実に存在する。
(紙の本で読了(上司から借りた)) -
同僚たちと読書会をやって、おおよそ一年かけて読み終わった。
すごく抽象的な話が多く、読書会で脱線しながらわいわい話すにはちょうどよかった。
たまにパラパラと読み直すと良さそうな本。 -
スクラムマスターの必要性やマインドセットなどスクラムマスターに関連する情報は見れたものの、具体的な実践方法というよりは抽象的なコンセプトの話でした。なので概要をざっくり理解したい人にはいいと思いますが、実践方法を知りたいという人には向いていない気がしました。
自分は追加で書籍を読むかセミナーに参加しようと思います。 -
どれくらい具体的に書いてあるのかが理解できない。
この本を読んですぐにスクラムマスターできるの?
詳しくは自分たちのワークショップに参加してねと読める。
システム開発の具体的な手法というよりは概念的な解説な気がする...
コーチングやファシリテーションだってそれぞれ本を何冊も読まないといけないし講習も受けないとだめなのでは
だけど本物のスクラムマスターがいてくれたらプロジェクト運用スムーズな気がする、いっぱいいると良いのに...
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チームや組織の状態に応じて、
ティーチングやコーチングなどを適切に選択し、
スクラムチームを自己組織化されたチームに導く。
そして、自分のチームだけでなく企業全体を変革していく。
分量が少なく読みやすいとも言えるが、
スクラムマスターに求められるスキルは幅広いこともあり、
個人的にはかなり薄っぺらい内容に感じた。
マネジメントやリーダーシップ系の内容の表層をなめる感じというのか。
ま、参考文献がいっぱい紹介されているので、
意図的に薄くしか触れていないのだろうけど。
これでこの価格は正直チョット割に合っていない印象。
"Everyone is right but only partially"
「誰もが正しい、ただし部分的には」
ORSC(システムコーチング)のこの表現はとても気に入った。 -
具体的な手法やアクションについての内容を期待していたのですが、抽象的な内容でちょっと拍子抜け。値段を考えるとガッカリ感の方が強かったかもしれません。
これを買うならコーチングの本や、出典となっている「あなたのチームは、機能してますか?」など書籍を買って読んだ方が良かったんじゃないかと思いました。