がっしりとした読み応えのある本。
ユングの心理学の中心にあると思われる、集合的無意識などの考え方が19世紀末に流行った神秘学などの影響を受けたということを書いている本でした。
また、ユングの研究姿勢についてや、ユング自身の問題、ユングの取り巻き達の対外的姿勢の問題なども含めて追及している。
たしかにこのようなことはあると思う。ユングにかかわる人は確かに反発しそうな内容だと思った。
ユング理解の一端とはなるし、19世紀末のニーチェから始まる神秘思想や新異教主義、ひいてはナチズムの源流までのことがわかるという意味でも面白い本だった。