パーソナル・プラットフォーム戦略 (ディスカヴァー携書)
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2011年11月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799310892
感想・レビュー・書評
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本書で提案されているプラットフォーム戦略は、企業で働くサラリーマンに対しても、また企業の経営者にとっても長期的な事業計画を想い描く上で欠かすことの出来ぬ視点である
パーソナルプラットフォームは、数年前に田坂広志先生が提起された個人シンクタンクと共通するものであり、目指す世界はスティーブン・R・コーヴィが七つの習慣で語る相互依存の状態であります詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
平野さんの本を最初に読んだのは、自分が前の会社を辞める直前(2010年11月)だったと記憶しています。『たった一人で組織を動かす 新・プラットフォーム思考』だったと思いますが、この本にもおサイフケータイのことも書かれており、本書のベースとなったものだったかと思います。
そのときの感想は、今も同じように感じているのですが、自分には難しそうだ、ということでした。自分の場合、周囲とのコミュニケーションを取るのがあまり得意ではなく、他者を「巻き込む力」が足りていないので、この人のようにはいかないだろうと思いましたし、うまく巻き込んでもらえればラッキーなのかなという感じです。
なので、どうすればそのような立ち位置に行けるのか、自分では全くわかっていないし、本書を読んでもなかなかぴんときませんでした。
読書会や勉強会の主催は何度かしているけれど、それが仕事の役に立っているかというと、かなり微妙。趣味として読書会に参加しているという部分があり、仕事に結びつけようという意識がないからかもしれませんし、主催はするけれどそれ以上の価値を提供していないからかもしれません。あるいは、仕事に結びつけた形での勉強会をやっていないからでしょうか。
個人的には、勉強会や読書会は、趣味的に、あるいは自己啓発として行うものであって、仕事に役立てようと下心を持って参加すると、かえってうまくいかないのではないかとも思っています(そういう考えが勉強会と仕事を切り離してしまうのかもしれませんが)。
ただ、正直、気になったことを。
おサイフケータイにせよ、iDにせよ、平野さんが自分の手柄として語れることなのでしょうか。たしかに、実現させたいという強い意志を持ち、いくつもの障害を乗り越えながら、多くの人の力によって実現させたのは間違いないかと思います。その過程で平野さんが果たした役割というのがどれくらい大きいのか、本書にあるとおりだとしても実際よくわからない、と感じてしまいます。
とはいえ、それは、プラットフォーム戦略というのは表に出てこない部分だから、ということができるのでしょう。自分目標や夢を強く持ち、ひとりでも多くの人にそれを伝えることによって賛同者を集め、仲間を増やしていく。実際に旗を振ったり最前線に出てくれる人は自分ではなくても、自分の思いを共有してくれているので、物事は進みやすい。平野さんも自分が行ったことを文章にしていますが、決して自分の手柄とは思っていないかもしれません。みんなで作り上げたものであり、みんながいて初めて実現できたのだと、そういった感謝の気持ちがあってこそのプラットフォーム戦略ですね。 -
勉強になる。1000円お支払いできて良かった。
勉強する方法論、目的意識の本と理解。自分自身を、望洋しとした領域でしかし真剣に高めつつ、同時に、発信手段を使って、相手の求めることを言われる前に提供し続けること。この繰り返しで、自身の人脈が広がり、自分を中心としたプラットフォームができて行く。
幅や実績を社に留まらないこと。社の仕事を誠実に完遂して行くためには、社を超えた努力と勉強。そして社へ還元する具体的手続きが必要。 -
SNS等のソーシャルメディアを活用して周囲に場を提供できる器でもないので、そのあたりの記述は流し読みでしたが、周囲の巻き込み方や、場をどのように維持管理していくのかというマネジメントについて参考になるところもありました。
技術云々よりも、考え方、ふるまい方、心構えの部分が心に残りました。
http://tak-bon.jugem.jp/?eid=158 -
情報化社会と言われ、情報があふれているが、信頼できる情報を得ることが難しい時代になってきている。
また、国家の破綻懸念、震災、リーマンショックなど、「生きていくことすら危うい世の中」になってきた。
そのため、自分をプラットフォーム化し、何があっても生き残れる「一人社長」を目指そうというのが著者の考え。
一人社長とは、自らのノウハウを武器にして様々な企業や人と連携し、自分をいろいろな人が集まる場にすることによって、どんな時代になっても何があっても稼いでいける人のことである。
そのために、ソーシャルメディアを活用し、できることを提供し合う関係(WIN-WIN)の関係を築いて行きましょうという内容。
情報化社会において、ツールは変わったかもしれないが、こういう世の中だからこそ「人を大切にする」ことが重要である。
ただ単に儲け主義では、プラットフォーム化は不可能。
そんなことを強く感じた。 -
自分をいろいろな人が集まる場所=「プラットフォーム」にすることによって、ひとりではとてもできないようなことを、多くの周りの力に助けてもらう&自分も周りに貢献して実現する。
タイトルは「パーソナルプラットフォーム」ですが、内容としては著者がおさいふケータイを開発したときの体験など、組織で作るプラットフォーム作りの話が多かったです。
それは個人にも通じます、という展開で、表面的なパーソナルブランディングというよりも、根本的な思想を扱っているので、わかりやすいし納得がいくものでした。
印象に残ったのは、「自分のものはみんなのもの、みんなのものは自分のもの」という思想。
自分で考えたとてもいいアイデアがみんなのアイデアになってしまったら、自分の評価が正当になされないと思っていないか。。。なるほど、そういうのありますね。。。
よく○○が成功すると、○○をやったのは私なんですよ~っていう人がいっぱい出てくるって、わーわかるわかる!!って苦笑いですが、けれどもそれこそが「プラットフォーム化」が成功したという証だと。
個人の仕事という「点」での視点から、同士を募り「線」の視点へ、そして会社等組織の「面」の仕事視点にシフトチェンジすることが必要、と。
所詮1人でやれる事は限られてる、周りを引き込む力がないとアイデアがあっても実現できないよ、ということですね。
このように自分をプラットフォーム化するにはどうしたらいいか。人が集まってくるようになるには、目先の利益を追わない事。謙虚さと素直さ、感謝する心が必要。どれも当たり前の事ですが、これがいつも出来ているかというと微妙。。。。
そしてこれなら人に役立てるという得意分野を1つ持つ事、もしそれが今見つからないなら、今やっている事を一生懸命やって得意にすることだ、と書かれていました。
至極真っ当な本で共感できる本でした。 -
ビジネスマンの可能性に希望が持てる本。
外に出たいとは思うけど・・・と、できないと思ってる人にぜひ読んでみてほしい。
簡潔で分かりやすいです。
おかげで新しいアンテナが建てられました。
すぐに実行してみます。 -
将来に対する展望に迷いを抱いているビジネスパーソンにぜひ読んでいただきたい一冊ですね。
プラットフォーム戦略という言葉は2012年のキーワードの一つ。
本書で提案されているプラットフォーム戦略は、企業で働くサラリーマンに対しても、また企業の経営者にとっても長期的な事業計画を想い描く上で欠かすことの出来ぬ視点であると思います。
パーソナルプラットフォームは、数年前に田坂広志先生が提起された個人シンクタンクと共通するものであり、目指す世界はスティーブン・R・コーヴィが七つの習慣で語る相互依存の状態であります。
思えば、インターネットや通信端末の発展は、個人が情報を発信することでもって個人のライフスタイルを豊かにし、社会をより明るく活発なものとしていくことを目指していたのだということに気がつきます。
本書を読み進めることで、自分にも何かが出来るということに気がついていただければと思います。 -
個々の事例は共感できる。ただ全体にパーソナルプラットフォーム戦略という言葉に無理やりまとめてしまった感があり、もっと掘り下げして欲しかった。
印象に残ったのは引用部分くらいかな。 -
本書の考え方を、学級担任に当てはめながら読んでみた。
まずは、教室にいる人間に良い環境(プラットフォーム)を与え、彼らのメリットとなるようにする。そのプラットフォームの中で、様々な活動を行い、こちらが手をかけすぎずに、成長していける状態を作り出すことが大切。
前半部分は、著者の考え方が楽しくてしっかり読んだが、後半は流し読み。