最強の教養 不確実性超入門

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799318577

感想・レビュー・書評

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  • 少し冗長的に感じたか、何点か気づきを

    不確実性(+)面:予想外に良い出来事
        (-)面:予想外に悪い出来事
    どうしてもマイナス面に目が向く
    ∴失敗する危険性をみて、何もしない結論を出す
    「リスクをとらないリスク」

    反対意見が付されていない提案≒多様な観点から検討が不十分
    つまり、反対意見がない提案なんてない

  • 勝率より総得失点が大切。勝率にこだわると損切りできない。小さい失敗を受け入れるのが長期的な成功の秘訣。

    ランダムなものに因果関係を見出してしまうのは、バイアスだけど人間らしいところでもあると思う。

  • 不確実とはなにか。確実じゃないこと。
    ある出来事に対してそれを増幅させるようなフィードバックが働く場合に、バブルの加熱とその崩壊のような現象が起きる。フィードバックが起こりやすい構造かどうか。
    不確実性が高い物事に対処する一つの方法は、予測の精度を高めることで対処しようとしないこと。それは効率が悪いというよりもそもそも不可能だからである。予測不可能なことは予測しようとせずに、起こりうることを想定して対処法をいくつも用意しておくこと。

  • 予想外の出来事に対処しなければならない。
    完全に予測しようとしたり、計画するのではなく、リスクを取らないことでもない。
    ビジネスでの意思決定においても役に立つ「不確実性」の捉え方。

  • とても興味深い内容

  • 金融市場も人の感情の影響を受けて変動している。

    不確実性というワードに惹かれて読んでみると、ファイナンスに興味がなかった私も一気に読んでしまうおもしろさ!

    本書は「統計学」×「心理学」の側面から株式市場における不確実性について紹介しています。

    リーマンショックのような大惨事は統計学上滅多に起きない確率なのに、なぜ起きてしまったのか。→ファットテール、べき分布

    シャープ液晶製品への過剰投資→サンクコスト、自己正当化

    このような心理学はマーケティングにも通じる点があって、普段読んでいる本に近く親近感を持ちました。読む前まではファイナンスと聞くと、「近寄りがたい世界の話」という印象を持っていましたが、本書を読むことで「ファイナンスも人が作った世界観、人の感情が影響を及ぼすんだ」というイメージへと変化しました。

    ファイナンスよく分からない、でも統計学や心理学は好き!という方におすすめの1冊です。

  • 自分には難しかったです。投資に活かすことはできそうにないかな。

  • 「安全神話の崩壊」が原発事故を始め、散見されるようになった。いつか崩壊するかもしれないことを織り込んでいるからこそ「安全神話」と呼ばれる。「絶対安全」なものはない。多かれ少なかれどの未来にも不確実な要素が含まれる。そこにはブラックスワンと呼ばれるような壊滅的な崩壊を招くリスクもあるし、過度に怖がっている内にビッグチャンスを逃していたことに後から気づくこともある。

    本書は、どのようなリスクを、どれだけ、どのようにとるべきかを決定するために書かれている。この他、バブルが発生する群集心理についても解説されている。

  • アービングフィッシャーは暗黒の木曜日を予測できなかった。
    リスクを取らなければ、チャンスもない。不確実性に対処することは、不確実性を除去することではない。=リスクを取らないリスク=何もしないことは成功もないこと。
    サイコロを振る前は確率しかない。振った後は結果しかない。結果を積み上げると確率が現れる。
    宝くじは、自分にはほぼ怒らないことが誰かにはおきる。
    ラプラスの悪魔=全知全能の存在=決定論=誰かの予測にすがりたい気持ちになる。
    ロバートルービンの蓋然的思考=断定的に捉えず、確率的に対処する。

    極端に大きな株価変動は正規分布よりはるかに頻繁に起こる=べき乗分布に近い。
    ナイトの不確実性=発生確率が推定できるものをリスク、推定できないものを不確実性とする。
    原因なしに大暴落が起きる。広がる過程は説明できる=売りが売りを呼ぶ。結果が原因となって再生産される。
    世界はランダムである以上に不確実。バブルはいつか弾けるがいつ弾けるかを予測できない。ニュートンもはまった。
    HFTによるフラッシュクラッシュの原因は見つかっていない。
    東ドイツ西ドイツの復興は、ドイツ人の優秀さや勤勉さを表しているといわれているが、長期的な経済成長は持続していたともいえる。
    経済成長が経済成長を生む=テイクオフの条件は難しいが、いったんテイクオフすると経済成長は自己増幅する。一人当たりのGDPがべき分布に近いのは、自己増幅的なプロセスが生み出したものとも考えられる。

    秦帝国の陳勝呉広の反乱=劇的な成功と劇的な没落=自己増幅の例。

    自己奉仕バイアス=成功は自分の要因、失敗は他に要因を求める。
    自己正当化の欲求=本来は前向きな自信を維持するためには役立つ。理由を後付けしやすい。
    スローシステムとファストシステム(ダニエルカーネマン)。
    ポジティブシンキング=気合で乗り切る、につながりやすい。
    成功は失敗のもと=ダイエーなど
    サンクコスト=シャープの亀山工場と堺工場の設備投資金額に囚われた。
    苦しい時の神頼み=バブル崩壊時の銀行の対応。
    ロシア戦争では、伊藤博文が神頼みではなく、優勢なうちに講和に持ち込む努力をした。
    組織で判断するとリスクを取りがちになる。
    異なる視点の重要性=リーマンショックのときのゴールドマンサックスの対応
    ロバートルービンは、気論が一方向に流れ始めると、反対の意見を言った。
    GMのアルフレッドスローンは、反対意見が付されていない議案を承認しなかった=十分な検討がされていない証拠。

  • 不確実性の捉え方、因果関係とランダム性のバランス、その際に起こる人の心理的傾向など。これでスタートに立てたかな。自己増幅的フィードバックが鍵。

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著者プロフィール

金融アナリスト、コンサルタント。
株式会社ミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表取締役。シグマベイスキャピタル株式会社シニアフェロー、シグマインベストメントスクール学長。
1963年生まれ。1985年一橋大学経済学部卒業。日本長期信用銀行(現新生銀行)入行。デリバティブの商品開発、ディーリング業務に従事。2000年よりUFJパートナーズ投信(現三菱UFJ投信)にてチーフファンドマネージャーとして債券運用、新商品開発、フロント・リスク管理、ストラクチャード・プロダクツへの投資などを担当。その後不動産ファンド運営会社社長、生命保険会社執行役員を経て2012年より現職。

「2021年 『「不確実性」超入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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