精神科医が実践する デジタルに頼らない 効率高速仕事術
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2019年7月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799325384
感想・レビュー・書評
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脳を極力澄み切った青空の状態にする、昼寝
コントール感、ノイズの遮断
自分の人生を自分の興味・関心に限定するということは、人生を豊かにするうえで最大の知恵
気を散らすような刺激に始終さらされていることこそ人生を無意味なものにしてしまう元凶
すぐやる必要はない、性質にあわせて制限時間内に行えばいい。すぐやる、ではなくすぐ書き留める
ペーパーレスのメリットは保存しておくこと。読みにくいしメモしづらい、でも保存しておくと探しやすいし場所とらない
累積していく雑務、処理は一種のスポーツ
ひらめき捕獲システム
忘れるために書いておく、忘れてはいけないがいちいち覚えていられないことすべて書く -
はじめに――精神科医の考える仕事の方法
本書は、仕事の方法について論じます。
主に①発想の管理、②書類の管理、③時間の管理の3点です。
そこには、精神科医としての私の知識と経験が反映されています。
特に時間管理において、眠気の周期性という生理学的な法則性を考慮に入れた点が特徴と思われます。
私の場合、一般の精神科医と少し違うのは、診療所勤務でも、精神科病院勤務でもなく、大学病院勤務であるということ。
さらにいえば、大学病院の教授職という、管理職にある点です。
中規模以上の組織の、指揮系統の中の上といったところ、会社でいえば、おそらくは部長クラスの職位だと思います。
したがって、本書で述べることとなる仕事術は、通常の会社でいえば、課長職以上、
つまり、中間管理職以上の人向きかもしれません。
しかし、お若い皆さんにとっても、自分もいずれはこういう立場に置かれるわけですから、今からその準備を始めてほしいと思います。
■仕事術の三要点
私は医師であり、精神科医ですから、身体の法則性がいかに強力に思考を支配しているかを知っています。
したがって、根性論、気合主義を採ることはあり得ません。
なぜなら、それらが、生理学的な法則性に反することを知っているからです。
私の場合、仕事術の核をなすのが、以下三点。いずれも適切な方法を採りさえすれば、実行可能です。
根性や気合を必要とせず、無理なく、無駄なく、効率的な方法です。
①「アイデアはすべて5秒以内に手帳に記すこと」(発想の管理)
②「必要な書類の9割を30秒以内に机上に取り出せるようにすること」(書類の管理)
③「時間管理の中心に睡眠リズムを置くこと」(時間の管理)
第一の目的のためには、24時間、ペンを挟んだ5号ノート(A6サイズ)を持ち歩いています。
作業記憶(脳のランダム・アクセス・メモリー)に無駄な負担をかけないためです。
「覚えておく」ための努力は、集中力を妨げますから、「忘れてはいけないが、いちいち覚えていられない」ことをすべてノートに記載し、次の瞬間意識の外に追い払うのです。
第二の目的のためには、書類のしまい方を工夫しています。
角型2号封筒を大量に使い、保管場所はすぐ手の届く、机の右袖引き出しに統一します。
整理の手間をかけず、書類を探す手間を少なくし、作業の流れを中断させないためです。
第三の目的のためには、「昼寝中心主義」。24時間から夜の睡眠7時間を引いた持ち時間は、17時間。
この17時間の覚醒時間の中央、つまり、起床時刻から8~9時間後に昼寝の時間を置き、その前後にそれぞれ何をするか考えます。
集中力のピークを一日に二度以上作るために、休憩効率の高い昼寝をあえて覚醒時間の中央に置くのです。
本書では、この三点を中心に、精神科医の経験を通して培った仕事の技術を紹介させていただきます。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 発想の管理ー5秒以内に手帳に書き留める(「発想には管理が必要だ」という発想をもつ/突然浮かんだ発想を逃さず捕まえる/一日中手帳を持ち歩く ほか)/第2章 書類の管理ー修正型『超』整理法を活用する(必要な書類を30秒以内に机上に取り出せるようにする/いつでも、どの案件でも、同じ場所から資料が出てくるようにする/野口悠紀雄氏の「超」整理法をどのように修正したか ほか)/第3章 時間の管理ー睡眠を時間管理の中心に置く(昼寝中心主義宣言Nap-centrism/思考力を維持するために昼寝する/何から手をつけたらいいかわからないときは、まず昼寝 ほか) -
忙しい中で以下に仕事をこなしていくか、という命題に対して、医師という職業でありながら事務的な仕事も多く、一般ビジネスマンに向けても、というスタンスで書かれているが、少し「効率的」な仕事術をかじったビジネスマンにとっては、目からウロコ的なところはあまりないのではないか。
知ってはいて、それでいて継続させるところで躓く、そこをいかに取り除く知恵をもらえるかを期待しているが、そこは無い。多分、本気さとか気合だとか言われるんだろう。 -
(安易に)薬に頼らない精神科診療を実践されている著者の「ビジネス」書である。著者の手の内がわかるような本で面白かった。メモを持ち歩いて、すぐに記録をすることや、書類管理や時間管理では昼寝の推奨など一つ一つ納得できるものであった。ただ、これまでの著者の著作に比べて、「ビジネス」書だからか、深み?が今ひとつ感じられなかったのが残念である。