- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800204899
作品紹介・あらすじ
経営は冗談抜きの破綻寸前、一時は「偏差値ナシ」まで落ち込んだ高校をたった8年で人気校に生まれ変わらせたヤンチャ校長の奮闘記&教育論。
感想・レビュー・書評
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長崎にある膨大借入金を抱えて破綻寸前の落ちこぼれ高校を立て直した理事長・校長の幼少期から現在まで。学ぶ点が多い。とにかく「熱を持って」学生に接している姿が魅力的な人だ。それがオープンスクールにおいても、普段の学生との接触においても、この方のヤンチャな個性が凄く活きている。周年行事もラジオDJも制服も、ホームページも、広告もあっと驚く型破りさ!破れかぶれからスタートしたとはいうものの、マネはできそうにない。なお、この学校の校訓は「自発徹底」とのこと、ユニークな言葉がこの学校を象徴している。今は甲子園の常連校にもなってきている。
全然、話は外れるが、おもしろい逸話があった。
「沈没船ジョーク」豪華客船が沈没しそうな状態で、船から逃がす ために海へ飛び込ませるにはどのように声をかければよいか、というもの。
ロシア人には、海を指差して「あっちにウォッカが流れていきました」と伝える。イタリア人には、「海で美女が泳いでいますよ」と伝える。フランス人には、「海に飛び込んでください」と、ちゃんとフランス語で伝える。ドイツ人には、「規則ですので飛び込んでください」と伝える。アメリカ人には、「いま飛び込めば、あなたはヒーローになれますよ」と伝える。そして日本人には、「ほら、みなさん飛び込んでますよ」と伝える。
日本人の特徴を見事に示しており、苦笑い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こういう事実があった→そこにはこういう信念があった「はず」→だからこの信念が大切だ、という結論づけには説得力が欠けた。
「絶対に」とか「必ず」という言葉を自らの経験のみで用いている点も同様。
学力向上に対する考えが見受けられる残念。 -
私は気になったところに付箋を貼りながら読むので、読み終わったら本が付箋だらけになりました。
教育とは「熱」である。
素晴らしいです。 -
長崎県諫早市にある奥田学園創成館高校の理事長、校長である奥田修史さんの本。創成館高校は、今年の春の選抜に初出場したので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれない。
フェアネスのために明かしておくと、私は筆者と知り合いである。本人もこの本の内容同様、とてもアツい人である。
少子化の中、私立学校の経営は大変難しい時代だと思うが、努力次第、といっても単なる根性や精神論ではなく、具体的な知恵と工夫次第で、生徒が集まる学校にすることは可能だというよい例ではないだろうか。
同校は全国的に又は九州全体で名をしられた例えば鹿児島ラサールのような名門校ではない。(これからは有名になっていくかもしれないが)。
しかし、急逝した父の後を継いだときは、経営的には破たん寸前、学校の評判も最悪、行きたくない学校(又はだれでも入れてくれる学校)と言われていた同校を、地域の生徒が行きたくなる学校にまで高めたという努力は、素晴らしいと思う。
社会全体を含むどんな組織のどんな問題であっても、やはり解決につながるのは、理屈や精神論ではなく、具体的で一見小さく見えるかもしれない工夫の数々なのだと、改めて認識した。
元々力量のある教員が多かったのかもしれないが、制服の改善、オープンスクールの工夫、トップがラジオで番組を持つ、広告を工夫する、校長資質をオープンにするなど、公立学校教員たちは、そんなもの学校教育の本筋ではないと批判しそうなことも、必要だと思ったことは実践してみるというこのトップの姿勢が学校の雰囲気を変えていったのではないかと思う。
もちろん教員のリストラを含む意識改革などもやっておられるのだが、基本的には教育の中身については教員を信頼し、自分はそれ以外のことでできることを何でもやる、そういうやり方が功を奏したのだろう。
状況がよくならない私立学校が、努力をしてないのか、努力を間違っているのかは良く分からないが、まっとうなことをまともにやればいいのだということを教えてくれていると思う。
教育関係以外の人にも読んでほしい。