弁護士探偵物語 天使の分け前 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800205568

作品紹介・あらすじ

第10回『このミス』大賞受賞作。「殺した記憶はない」と、母子殺害事件の容疑者・内尾は言った。裁判のあり方をめぐって司法と検察に異を唱えたことで、弁護士の「私」は懲戒処分を受ける。復帰後、事件の被害者・寅田が私の前に現れ、私は再び、違和感を抱えていた事件に挑むことに。その矢先、心神喪失として強制入院させられていた内尾が失踪。さらに周囲で不可解な殺人が起こり…。

感想・レビュー・書評

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  • 一言多い感じの主人公にはじめはどういうことなのかわからなくて、空気が読めないタイプの障害を抱えているのだろうか、なんて上手く読み取れずにいたけれど、ジョークだと本人が言う辺りから段々と掴めて来て、いつの間にか愛嬌に感じるようになっていた。散りばめられている福岡弁や、法曹界や精神科の病院の雰囲気にも引き込まれた。ただ人のやり取りにばかり目が行って、事件には入り込めなかった。

  • 酒好きで、いつもさえない姿で、女性から依頼をうけ、権力にかみつく一匹狼。「前に読んだ?」と既視感がわくくらい、べたべたなハードボイルド私立探偵小説。
    ワイズラックは頻発なものの、その空回り具合も含め、主人公のキャラになっている。
    裁判官、検察官、警察官に対して、法律と実際の運用の矛盾を指摘していくところは、なかなか痛快。

  • 酔っ払いおじさんの寒いギャグ、私は好きですね

  • めちゃくちゃしょーもないこと言いの弁護士さんで読んでる分には面白いけど、この人と絶対会話てまきんやろなぁと終始思ってた。
    結構ハラハラっとする展開もありつつ、悪人以外の登場人物のキャラが良すぎ!鬼瓦さんもなかなか良い刑事さんじゃないですか。
    この弁護士さんの物言いはクセになってしまいそうなので、とりあえず続編読んでいきたい。

    願わくば、今村さんが幸せな余生を過ごせますように。佳耶ちゃんも素敵な看護師さんになり、きちっとした病院に勤めれますよぉに。

  • 私:へらずくちの主人公。体制に負けない。正義の味方。もうちょい警察に協力した方が良い。
    作品:テンポは良い。良く死ぬ。もう一作を読もうか悩む。

  • 最後まで名前を明かさない主人公のせいでずっとどんでん返しを待たされてしまう小説

    まるでオチのない漫才のよう

  • 単なる天邪鬼にしか見えない主人公に最後まで馴染めなかったけど、相手が検察だろうが裁判所だろうが警察だろうが引いちゃいけないところでは一歩も引かないという弁護士として一本筋が通っているところは魅力的。
    何となく、バチスタシリーズの白鳥を思い出した。

  • 主人公である弁護士の私の減らず口が大部分を占める。そのため、物語が頭に入ってこない事も。しかし、現役の弁護士だという著者の強みは感じる作品。

  • 2016.09.24読了

  • 意固地な臍曲がり弁護士探偵の物語。ストーリーは無理〜なところもあるが、登場人物の会話で面白く読めた。鬼瓦が最後まで活躍しなかったところは少々残念。

  • ストーリーはいまいち良く分からなかった。多分どういう結末だったかは忘れてしまうと思われる。
    なかなかお目にかかれない博多を舞台とした作品として楽しめた。

  • 誰かれ構わず減らず口をたたき続け、意固地なほどに権力に逆らい、敵味方の区別なく美女に翻弄されながら事件に立ち向かう、まさに往年のハードボイルドスタイルを踏襲した作品。
    キャラと舞台設定重視のライトノベル的ミステリーが氾濫するなかで、こんな作家が出てきたのは嬉しいことです。

  • こんなにひねくれていているのに、でも純粋なのかな?

  • 9月-6。3.5点。
    ハードボイルドな弁護士、過去の殺人事件に疑問を持ち、
    弁護士休職をを経験しながら、捜査。
    殺人被害者の夫や、謎の美女などと絡みながら真相へ。
    最初は読み辛かったが、後半一気読み。

    ハードボイルド節が、少しクドい気が。

  • 『このミス』大賞受賞作。
    解説に「斜に構えた視線で皮肉な論評を加え、減らず口を叩きまくる主人公の内面に隠されたシャイな性格は、ドン・ウィンズロウのニール・ケアリーシリーズを思わせて…」とあるけど、ニール・ケアリーはかなり好きなのに、この主人公の減らず口はたまにいらっときたのは何故だろう…読んだときの精神状態が悪かったのか(笑)。
    とはいえ、おもしろく読めたので、次作も読んでみたい。

  • ちょっと、まわりくどいかな。

  • 第10回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作である本書。
    最近、ちょっとした切っ掛けでこの存在を知った為、読んでみました。

    ストーリーは博多を舞台にしたもので、男性弁護士が主人公。
    また、著者は現役弁護士との事で、巻末に弁護士業界で通用する(?)隠語一覧が記載されている等、ちょっと違いが見られる内容となっています。


    では、前置きはこの位にしてあらすじをご紹介。

    主人公はかつて弁護士として活躍していたが、以前引き受けた医者妻子殺人事件の弁護を切っ掛けにキャリアを棒にふり、今では社会の片隅で細々と弁護士稼業を営んでいる身。
    そんな彼の前に上記事件の被害者の夫が現れるとともに、事件後精神病院に強制入院させられていたはずの犯人が自身の事務所内で他殺体として発見される。

    殺人犯とされた主人公は無事危機を切り抜け、真相に辿り着けるのか・・・


    過去と現在の事件の意外な関係性が徐々に浮かび上がってくるストーリー展開は楽しく、巻末辺りまでスイスイと読み進めました。
    しかし、犯人の心理変化に疑問がある締めとなっており、その点が残念でした。

    また、アマゾンのレビューを見てみると、なんだか「著者は知識をひけらかしている」と言った感じの酷評も記載されていますが、この点については、本書の冒頭で、主人公が嫌みな相手側を威嚇するためにカタカナ(つまり英語)を連発していた箇所があり、ここの部分に若干の読みにくさを感じましたので、もしかしたらこれが「知識を~」と言った評価に影響を与えたのかも知れません。

    いずれにしても気楽に読める娯楽作品としては十分です。
    ただハードボイルド調(これまたアマゾンの書評には「なんちゃってハードボイルド」だとの酷評があるのですが)で書かれた文章となっており、それが苦手と言う方にはおすすめ出来ません。

    これが苦手でなければ気晴らしの読書にでも如何でしょうか。

  • 現役弁護士による、探偵物語。

    弁護士が犯罪の真相に迫る探偵モノは数多ありますが、
    その多くは、法廷でのやり取りを伴うことが多いですが、
    この作品では、法廷シーンは出て来ません。
    むしろ、『弁護士探偵物語』と言うタイトルの通り、
    ハードボイルドな探偵が、たまたま弁護士だったというか、
    アウトロー弁護士が、探偵もやっているというか、
    そういう感じです。

    このミス大賞だそうですが、確かに、結構読ませます。
    細かい所言うと、突っ込みどころはないわけではないんですが、
    物語が面白いので、良いことにします。

    読み終わって、ふと思い返すと幻視感。
    探偵がハードボイルドなあたりが、『探偵はBARにいる』に
    近い感じしました。

  • おもしろかった。地の文が主人公の一人称で、それもほぼ常にハードボイルド調の憎まれ口。どうにもクセになる文体です。ただ憎まれ口を叩くだけだと、軽薄な感じになってしまいますが、長いものに巻かれようとせず、自らの正義を貫こうとする主人公の姿勢は、読んでいてなかなかに気持ちいいものでした。
    続編も書かれているようなので、そちらも期待したいです。

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