おばあちゃん猫との静かな日々

著者 : 下村しのぶ

• 宝島社 (2014年3月14日発売)

作品紹介・あらすじ

照枝と出会ってから18年。こんなにも長い付き合いになるなんて思いもしなかった。写真と言葉で綴る、愛猫との日々の記録。「老猫と暮らすための知恵袋」付。

感想・レビュー・書評

[hanaさんの感想 · 2017年12月10日]

おばあちゃん猫、照枝さんの最後の一年が、写真と著者の想いで綴られた本。
照枝さんとかつて我が家にいた猫は偶然にも同い年。照枝さんの方が少しだけお姉さん。だけど我が家の猫の方が少しだけ長生きした。

ほのぼの、のんびりとした写真と優しい文章だけれど、照枝さんは痩せていて、体の終わりが近い事を感じた。でも顔は穏やかで幸せそう。大好きな人のそばで最後までいい顔が出来た美しく健気で頑張り屋な照枝さん。

照枝さんがいなくなった後の家はとても寂しく写っていた。照枝さんはずっとそこにいて大好きな人を見ているのかもしれないけれど、姿が見えないのはやっぱり寂しい。その場所に想い出があるから。

照枝さんの写真と物語を読み終わり、写真の照枝さんを何度も撫でた。そしてもう猫と一緒に暮らす事は出来ないと思っていた私のところにやって来た、我が家の新参猫をギュッと抱きしめた。


生き物との別れを受け入れる事が難しい人の心を、そっと和らげてくれる一冊です。自分自身、以前に亡くした猫への気持ちを確かめる事が出来ました。
また猫に先立たれてしまうかもしれない事は確かに怖いです。それでも照枝さんのような幸せな猫を育て、そして一緒に幸せになりたいと思います。
照枝さんの静かな日々の写真をありがとう。照枝さん、ありがとう。

[5ma4baさんの感想 · 2021年9月7日]

最後まで可愛い。

著者プロフィール

下村しのぶ Shinobu Shimomura
アートプラザ1000(現エクセル)退社後、塗師岡弘次氏に師事。
1997年独立。2007年カナリアフォトスタジオ設立。
雑誌、書籍、広告等で幅広く活躍。写真展も定期的に開催。

「2022年 『東京レトロ建築さんぽ 増補改訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」