谷中レトロカメラ店の謎日和 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 415
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800245618

感想・レビュー・書評

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  • 全編にわたって優しい雰囲気に包まれている作品、舞台が谷中、そして舞台となるお店で扱うのがフィルムカメラだから、ということも作用しているのでしょうか…。
    レトロカメラ店の店主とそこでアルバイトをしているヒロインが主役の物語。店主がお客にまつわる謎を解き明かすというものなのですが、殺人や強盗の凶悪犯罪ではなくいずれも日常の身の回りの出来事です。ただ、そのどれもが真相を知るとなるほどと思わせられるもので、出来事に関わるひとたちが持っている優しい想いに溢れています。
    ”謎”の真相もいかにも謎解き本のために作りました、というレベルのものではなく、日常のささいなこと、あるいは当事者の想いが積み重なって生じたものですから、悪役・悪人が登場しないんですよね。
    こうした点が作品全体を通した”優しい雰囲気”を醸し出すことに成功しているのだと思います(このレビューを書きながら自分でも感じた心地よい読後感の正体がわかり納得…)。
    最終章では来夏の秘密が明らかになるのですが、これは序盤でまったく気づきませんでした。改めて読み直してみるとたしかに善次郎との具体的な関係を示す記述はなく、描写されている内容からすっかりミスリードさせられていたというわけで、ちょっとしたサプライズ感でした。

  • レトロカメラを専門として扱う今宮写真機店の店長の今宮さん。父の遺言により、形見であるカメラを今宮さんに託す事となった来夏さん。カメラに纏わる情報満載の内容なので、カメラ好きな人であれば、読むだけで楽しい気持ちになれるストーリーかなと思った。自分は特にカメラに詳しい訳でも無いが、ストーリーを楽しく読めた。主人公の名前が来夏(ライカ)さんと言うのも面白い。
    来夏さんはカメラを売却する事をきっかけに、その写真機店でアルバイトを始める事となる。今宮さんとの関係も、暖かく、微笑ましく読み進められた。カメラや写真にまつわる謎に出くわすが、観察力の鋭い今宮さんにより解き明かされていく謎解きの展開も楽しめた。
    最後にはその観察力で、実は出会った時から来夏さんの秘密も知っていた事が分かり、「そう言う事か」と変な違和感についてはも納得した。それまでの来夏さんに対する焦れったい今宮さんの対応も「ただ恋愛下手じゃ無かったのかな」と。。。
    第二段があるなら、二人の今後展開を含め是非読みたいと思います。

  • 謎解きできてしまう観察眼のある人に憧れるので、カメラ修理のスペシャリストである主人公もすてきだなぁと。髪が長くてボサボサっていうのが残念だけど、谷中にあるというお店も素敵そうだし、周りの空気も柔らかくて、穏やかに読めました。

  • 谷中のフィルムのみのカメラ店に大量のカメラを売った来夏。カメラ店で勢いでバイトさせてくれと頼みこむが、それには理由があって……。ラストの展開はちょっといきなりでははー……と思いました。短編はどれも面白かった。

  • 思い出の時修理しますと同じような雰囲気で心地好く読み進められた。色んなカメラの紹介もたのしかった。

  • クラシックカメラ好きには勉強になるし面白いと思う。

  • 読みやすくてあっという間に読めた。
    話としては簡単かもしれなあけどカメラとの
    関連性は面白かった

  • 普段デジカメしか使っていないので、フィルムカメラが斬新でした。ガッチリとしたミステリーではなかったので気軽に読めました。

  • 誰かが誰かのために起こす行動が起こす謎を谷中のカメラ店店主とアルバイトの女性が明かしていく話でした。
    どれも優しい話でよかったです。

    主人公の女性の暗い過去にはびっくりしました。
    思っていたことと違いました。
    二人の今後が気になる~!

    興味はあるのだけれどあくまでカメラに興味があるデジカメすら触ったことのない初心者の私。
    だからクラシックカメラの知識はわからなかったけれど楽しそうですね。

  • 【収録作品】開かずの箱の暗号/暗い部屋で少年はひとり/小さなカメラを持った猫/タイムカプセルをひらくと/紫のカエル強盗団/恋する双子のステレオカメラ/あなたを忘れるその日まで

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著者プロフィール

小説家

「2022年 『お銀ちゃんの明治舶来たべもの帖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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