響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 (宝島社文庫)
- 宝島社 (2017年10月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800274915
感想・レビュー・書評
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本シリーズは、頼りになり読者が思い入れやすい形の主人公と、完璧な理想を体現するヒロインが物語の中心にとなってストーリーが展開され、ハッピーエンドな王道のストーリーで、爽快か気持ちになりながら感動できるが、反面ストーリー展開が予想通りである。
予想通りの展開ならば主人公が2年生の本編は、最終楽章に向けたステップとして、シリーズ全体では多分一番花がない場面であると思われる。
そのため、他編に比べてやや面白くはなかったが、最終楽章への期待が膨らむ内容であった。 -
意外な展開はなく。少女たちの成長譚。
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本巻の主題である希美とみぞれの話が、僕は本シリーズで最も好きだ。
「勝利」だったり「団結」だったり「エンジョイ」だったり。部員のそれぞれが目指すものに対して、その存在意義が変わってくるというものが「部活」なのかなあと感じた。
部員が大勢いれば、その分、人間関係が難しくなるのに決まっている。しかし、それに向き合って、少しでも部の協調を強めようとすることは、部員全員の「部活」に対する揺るぎない共通の存在意義なのではないだろうか。 -
今回ばっかりは、曲を聴きたい…!て思った。
リズと青い鳥? は、実際にある曲なの? それともこの本のために作られた曲??
この小説は映画化されたんやっけ? ネットで調べたらちょいちょい音源はヒットしたけど、ちゃんと聴いてみたいなと思った。
映画を観るべきかな。いやもうみぞれちゃんの「本気の演奏」を小説で読んでしまったから、衝撃は薄れちゃうかな。笑
そもそもこの「リズと青い鳥」の話がわたしには「へえ…」て感触で、ここも、もしわたしが高校生ならぐっときたかもしれん、と、前編を読みながら思った。
みぞれちゃんと希美ちゃんの関係をあらわしている、と、いうのも、なるほど…、と、思うものの、そもそもこの二人の関係性がいまいちつかみきれない…。
と、思っていたモヤ感がすべてクリアに!
なるほど!ふたりの関係ってそういうことやったのか。
そうか…。そうかーっ。
今回、希美ちゃんも掘り下げてくれたのがよかった。ほんとうにこのシリーズは、心理描写がすごい。
誰かが誰かに向ける思いについて、こんなに細かく書いたら読むほうはかなり「くらう」んちゃうんかと心配になる(わたしが「くら」わないのは、ひつこいけどもう45才やからです)。
誰かに対する思いを双方から書いてくれる。(筆致の)濃度と重さは必ずしもイコールじゃないけど、それでも充分すぎるほど伝わるものがあって、性別問わず、思いのベクトルが一致することは奇跡的なことなんやなとしみじみ思う。
だからこそ想像するんやね。想像力がいるねん。
いろんなことを想像してわたしもずっと過ごしてた。
45才になったらもうそんなんがしんどくってねー。笑
この人はどう思っているんやろう、だけじゃなくて、この人は何があってこう思うんやろう、まで想像するやん。
そこまで考えるのがもうしんどいから、大人って、あっさりした付き合いしかできひんのかもな。笑
でも、高校生のうちは、時間も体力もあるから、こんなふうに想像力をかきたててぶつかり合ってほしいよ。
でも、何度も言うけど、今の子たちにこれはたぶん、へたなファンタジー小説よりファンタジーなんやろうな。
人と人の付き合い方も変わってくるのを余儀なくされる時代やから、今の子たちにはもっと違う何かがあるんやろうな。わからんけど、幸せになってくれればそれでいい…。
って、また、この本とは違う方向になりつつあるけど…(笑)、終盤はまたちょっと泣いたな。いつもそう。笑
夢ちゃんにちゃんとオチ(?布石?)がついてよかった。
久美子ちゃんたちも新たなスタートをきったけれども、夢ちゃんのそれは「最初の一歩」やったから、より重いよなって。