絵に隠された記憶 熊沢アート心療所の謎解きカルテ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800294661

感想・レビュー・書評

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  • アートセラピーを行う「熊沢先生」が営む「熊沢アート診療所」でインターンをすることになった大学生聡子のお話。
    苦しんでいる人の悩みを絵を通して掘り下げ、解決していくという温かな話の裏で話が進むほど聡子が熊沢に対して嫌な予感を募らせていく様子に、心がじわじわと恐怖で侵食されていきました。これは一番犯人になって欲しくなかった人が犯人になるパターンか?と思いきや最後の最後で思わぬ事実にほろり。
    ほのぼのした話が好きだけれど、ほんの少し刺激も欲しいという方におすすめです。

  • アートセラピーをテーマにしたミステリー。
    絵画療法の第一人者・熊沢が営む熊沢アート診療所。
    院生の日向 聡子は、インターンとして、診療所で働くことに。

    ・乗り物の絵
    ・家族の絵
    ・動物の絵
    ・記憶の絵

    様々な患者の治療を行うにつれて、徐々に明らかとなる朧げな自身の記憶。

    そして、高まる熊沢への不信感。
    もしかして、昔、私を誘拐したのは、熊沢ではないか?

    最後のシーンで、最初の熊沢との出会いの意味が明らかとなります。
    最初の会話の一言一言は、そういう意味なのか...なるほど。

    最後は、聡子に対する熊沢の優しい想いに、ウルウルです。

  • 「コンサバター」2作を読んで直後だけど、こちらも興味深い内容で、穏やかにスルスル読めてよかった。読みながら、自分の子どもの頃に描いた絵のことを思い出したり。。
    こういった場所があればいいなと思う。

  • 思わせぶりな描写が多々あったが、そもそも著者が芸術に造詣が深くアートセラピーがテーマの話を書くときに、第一人者である熊沢を悪人にするはずがないので予測はついた。
    なのでそこからもう一捻りして欲しかった。
    ラストに向かっての高まりがなく、寂しい印象。
    テーマはすごく面白いので、もっと深くハマりたかった。

  • しっかり話に入り込める作品で、最後まで飽きることはない。熊沢先生のような先生と、現実でお話ししてみたい。

    初めからいくつかの違和感を感じるが、最後で全ての合点がいき感動できる。

  • 物語や絵画,楽曲など想いが込められた作品には目には見えない何かを発しているのだろうか。そして自分にそのような何かを感じる力があれば・・・と考えてしまう。本作,初読みの作家さんかと思っていたら「神の値段」の作者でした。なるほど面白いのも頷ける。ただ神の値段に比べると感情に訴える部分がやや物足りない気がする。あちらはサスペンス要素もあったからだとは思うのだけれど・・・
    あらすじ(背表紙より)
    絵画療法の第一人者・熊沢が営む、熊沢アート心療所。カウンセラーを目指す院生・日向聡子は、インターンとしてやってきた。そこで出会ったのは飛行機恐怖症のサラリーマンや、ユニコーンの絵ばかり描く少女、認知症で帰宅できない老女…。さまざまな悩みを持つ人々の過去や本心を、熊沢は彼らが描いた絵から見抜いていく。しかし、聡子は自分自身の過去を探る過程で、熊沢に対してある疑念を抱き―。

  • カウンセラーを目指す主人公の聡子がインターンで訪れたアート診療所。

    少しずつ明らかになる聡子の忘れ去られた過去とは??

  • アートカウンセラーという題材は興味深いものの、物語の展開が恣意的かつ安易な印象で深みがない。

  • アートセラピーを扱った連作集だが、最後に4つの短編を通しての謎が明らかになる。ちょっと面白い。推理小説と云っていいかどうかは分からん・・・

  • 絵に対する洞察、心理学について物語の中でもっと深く掘り下げてたらなぁ

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著者プロフィール

1988年、京都府生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒。香港中文大学大学院修了。2015年、『神の値段』で第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞して作家デビューを果たす。主な著書に『ピカソになれない私たち』、『コンサバター 大英博物館の天才修復士』からつづく「コンサバター」シリーズ、『飛石を渡れば』など。近著に『カンヴァスの恋人たち』がある。

「2023年 『光をえがく人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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