- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800310040
作品紹介・あらすじ
ヴェネチア国際映画祭、騒然!完全自主製作・自主配給映画のすべて。絵コンテ、メイキング写真、STAFFインタビュー全網羅。まずは戦略ありき、海外映画祭の回り方。日本全国『野火』劇場行脚を決行。
感想・レビュー・書評
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これを踏まえて映画を見直すと無数の発見があります。とっても良い本です。ファン必携。
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塚本晋也監督作品『野火』。その構想、制作、公開から、監督自身の全国行脚まで、映画の歩みのすべての記録。
制作の歩みを読めば、もう一度映画を見たくなる。映画祭ツアーのページでは、映画祭に行ってたくさんの映画を見てみたくなる。全国行脚のページでは、ミニシアターへ行って自主制作映画を見てみたくなる。自主制作映画の監督を目指す人、映画業界を目指す人にとっては、「こういうやり方もあるんだ!」と思わされるドキュメンタリーだと思う。
しかしそれだけではない。映画制作や全国ツアーでいろいろな興味をかき立てられた後、終盤に収録された大林宣彦監督との対談イベント、塚本監督の「これからの『野火』」といったテキストで、一気に『野火』を思い出し、戦争を考える、というところに引き戻された。
塚本監督は勿論、原作者・大岡昇平の親族、取材をした戦争体験者、ボランティア、出演俳優たち、上映した日本全国の映画館、その他この映画に関わったありとあらゆるたくさんの人の「この映画をたくさんの人に見てもらいたい」「戦争があったということを忘れてはならない」「戦争を起こしてはならない」という思いが、この本には詰まっている。そのことを改めて感じ、この映画に出会えたことと、この映画を作ってくれた塚本晋也監督に感謝したくなった。