文豪たちが書いた 耽美小説短編集

  • 彩図社
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本棚登録 : 122
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801301054

感想・レビュー・書評

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  • 文豪ものは読んだことなかったので、短編集ならと手に取ってみました。あと、装丁に誘われて笑

    印象的だったのは、
    谷崎潤一郎の刺青、江戸川乱歩の人間椅子、田山花袋の少女病、川端康成の片腕。
    少女病は全く予想できなかった斜め上いく終わり方に圧倒されました。読み終わった2日後にレビュー書いてますが、じわじわ効いてきている感じ……

    純粋に美しい言うよりは、一捻り効いた美しさ?という印象(モノによってはストーカーチックなのもあったりで捻れてるものもあったような笑) 恍惚としている男性目線での、美しいもの(女性の美しさを語るものが多い)に対する表現力は、なかなかの攻撃力ありました。

    • かなさん
      Kさん、こんばんは!
      文豪もの…しかも、人間椅子とか、刺青とか!
      最近、私も読んだので、いてもたってもいられない(^-^;
      他に、瓶詰...
      Kさん、こんばんは!
      文豪もの…しかも、人間椅子とか、刺青とか!
      最近、私も読んだので、いてもたってもいられない(^-^;
      他に、瓶詰地獄も!

      私が読んだのは「乙女の本棚シリーズ」でなんだけれど
      このシリーズ、原作そのまんま、
      そしてイラストを今をときめく
      イラストレーターさんが手掛けてて…
      すごく読みやすいんですよ。
      なので、私にも読めました(*^-^*)

      Kさん、いつかもしこのシリーズみかけたら
      ステキなイラストつきでも読んでみてください。
      絶賛おすすめします!
      2023/08/19
    • Kさん
      かなさんこんばんは( ¨̮ )
      実はかなさんのレビュー拝見していて、「乙女の本棚シリーズ」気になってました!

      文豪作品はどうしても読みにく...
      かなさんこんばんは( ¨̮ )
      実はかなさんのレビュー拝見していて、「乙女の本棚シリーズ」気になってました!

      文豪作品はどうしても読みにくさあるので、気合い入れないと読めなくて……。乙女シリーズ、Amazonでも少しチェックしましたが、画集みたいな感じなのですね!表紙だけかと思っていたので、ますます気になりです。学生時代は美術部員だったので画集大好きで血が騒ぐ( ✧Д✧) 笑
      おすすめありがとうございます!
      2023/08/19
  • ヴィレバンにて購入。
    刺青 谷崎潤一郎や、人間椅子 江戸川乱歩は安定の耽美さ。
    坂口安吾の、私は海を抱きしめたい もよかった。堕落論のイメージだったけど、堕落論ほどに堕落しなかった。
    何よりも、川端康成の片腕は、幽美でありました。

    • 111108さん
      mei2catさん、川端康成「片腕」いいですよね!美しい!
      mei2catさん、川端康成「片腕」いいですよね!美しい!
      2022/03/12
  • 彩図社文芸部編『文豪たちが書いた耽美小説短編集』(彩図社)読了。
    『たまーに、文豪たちの文章でも読んでみようか』と手にした文庫本でした。
    どんな作家の短編が収録されているのかといえば…。

    刺青…谷崎潤一郎
    過去世…岡本かの子
    畦道…永井荷風
    袈裟と盛遠…芥川龍之介
    人間椅子…江戸川乱歩
    お小姓児太郎…室生犀星
    俄あれ…里見弴
    少女病…田山花袋
    瓶詰地獄…夢野久作
    私は海をだきしめてゐたい…坂口安吾
    片腕…川端康成

    谷崎から始まって芥川があるかと思えば乱歩あり、田山花袋があって安吾や川端まで。実にバラエティに富んでいます。
    名前だけ知っている作家もいたり、『読んだことがある』と記憶を蘇らせた短編もありました。
    この中で比較的有名なのは「刺青」や「人間椅子」かな(過去に読んだ経験あり)。
    印象に残ったのは、「畦道」「お小姓児太郎」「人間椅子」「少女病」「片腕」。
    耽美小説という名前からエロチックな内容を想像すると、見事に裏切られます。(笑)
    一方で、耽美と呼ぶに相応しい、いじましいばかりの男心を描いた作品が多数。今時のいい方をすればストーカー行為に近い内容があったり、猟奇的な内容があったり。表現も今ではNGと思われるものもあり、作家が自由に書いていた(書くことができた)時代を彷彿とさせます。
    読みながら気付いたことですが、これらの作品はすでに青空文庫入りしているほど古い作品。お金を出さなくても読めてしまうのでしょうが、だったら青空文庫で読むかといえば、そうはいかない。何しろ、名前しか知らない作家もいますし、名前を知っていても食指が動かない作家もいます。だからこういった本が編まれるのでしょうね。
    表現が難しいのは仕方ないとして、難しい表現だからこそ耽美的と思えるから不思議。現在の作家との大きな違いはここでしょうね。まさに「行間を読む」とはこんな作品を読むところから生まれた言葉ではないでしょうか。

    ちなみに青空文庫で検索して公開の有無を調べて見ると下記のとおりでした。
    刺青…作業中(校了)
    過去世…公開
    畦道…公開
    袈裟と盛遠…公開
    人間椅子…公開
    お小姓児太郎…公開
    俄あれ…なし
    少女病…公開
    瓶詰地獄…公開
    私は海をだきしめてゐたい…公開
    片腕…なし

    お時間のある方、おひとついかが?

  • 女郎蜘蛛を背負って女が変わる。あるいは畦道で、暗闇で、それと気づかず男を誘う。柔らかく頼りない存在であっても女はいつもしたたかで、男目線で話が進むからこそ、翻弄される男たちにニヤリとさせられる。耽美という言葉がぴったりの11編。色揚げの痛みを直接感じた谷崎潤一郎「刺青」最後の女視点に全てをさらわれた芥川龍之介「袈裟と盛遠」想像の斜め上の結末に息を止めた田山花袋「少女病」構成の巧みさも印象的な夢野久作「瓶詰地獄」文章から伝わる艶めかしさに圧倒される川端康成「片腕」が特に好き。いい時間を過ごせました。

  • 耽美というか、色んなフェチを読んだ気がします。自分と被ればゾクゾクするし、そうでなければ淡々と眺める感じ。

  • 耽美小説がテーマのアンソロジー。
    『怖い名作短編集』と同じく、作品のセレクトは基本的に定番だが、里美弴が入っているのが目を惹いた。
    『刺青』と『片腕』は何度読んでもいいなぁ……。

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