売春島~「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ~

著者 :
  • 彩図社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801304208

作品紹介・あらすじ

【ベストセラーノンフィクションの文庫化】
文庫化に際して、渡鹿野島を凋落に導いた重要人物「Y藤」の消息を追記。渡鹿野島の歴史のすべてが明らかになる!

“売春島”。三重県志摩市東部の入り組んだ的矢湾に浮かぶ、人口わずか200人ほどの離島、周囲約7キロの小さな渡鹿野島を、人はそう呼ぶ。島内のあちこちに置屋が立ち並び、島民全ての生活が売春で成り立っているとされる、現代ニッポンの桃源郷だ。
この島にはまことしやかに囁かれるさまざまな噂がある。
「警察や取材者を遠ざけるため客は、みな監視されている」「写真を取ることも許されない」「島から泳いで逃げようとした売春婦がいる」「内偵調査に訪れた警察官が、懐柔されて置屋のマスターになった」「売春の実態を調べていた女性ライターが失踪した」……
しかし、時代の流れに取り残されたこの島は現在疲弊し、凋落の一途を辿っている。
本書ではルポライターの著者が、島の歴史から売春産業の成り立ち、隆盛、そして衰退までを執念の取材によって解き明かしていく。伝説の売春島はどのようにして生まれ、どのような歴史を歩んできたのか?
人身売買ブローカー、置屋経営者、売春婦、行政関係者などの当事者から伝説の真実が明かされる!

感想・レビュー・書評

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  • 図書館でお借りした一冊です。
    過日「ヨコハマメリー」を読み終え、「ちょんの間」、「赤線青線」という言葉を知りました。
    そして、先の敗戦後1945年(昭和20年)8月18日、戦後3日目にして占領軍相手の性的慰安施設を作るように日本政府が指令し、8月26日にはRAA(特殊慰安施設協会)が設立されたことも。

    江戸時代に確立し売春防止法が施行されるまでの約300年間、公娼制度では売春を公認し、江戸吉原、大阪新町、京都島原は三大遊郭と呼ばれ発展しましたが、私娼は処罰の対象でした。

    今も自由恋愛という名のもと、日本には性産業として存在し続けているのも既知の事実。

    渡鹿野島という島の名前は知りませんでしたが、そういった島がある(あった)ことは何となく知っていました。

    発売された時から何となく気になっていた本書、もしかすると「ヨコハマメリー」を読み終えていなければ手にすることは無かったかもしれません。

    最盛期を知る人々が減ってくる中、著者の取材により明らかとなる渡鹿野島の歴史、そして今。

    興味深く読み終える事が出来ましま。

    <あらすじ>
    『売春島 「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ』は、三重県の離島・渡鹿野島について書かれたルポです。渡鹿野島はかつて島中に置屋が存在し、買春目当ての男性観光客が押しかけた「現代の桃源郷」として都市伝説化していた島です。高木氏は、その島の歴史から売春産業の成り立ちまで最盛期を知る関係者たちに詳しく取材をして明らかにし、大きな反響を呼びました。


    【ベストセラーノンフィクションの文庫化】
    文庫化に際して、渡鹿野島を凋落に導いた重要人物「Y藤」の消息を追記。渡鹿野島の歴史のすべてが明らかになる!

    “売春島"。三重県志摩市東部の入り組んだ的矢湾に浮かぶ、人口わずか200人ほどの離島、周囲約7キロの小さな渡鹿野島を、人はそう呼ぶ。島内のあちこちに置屋が立ち並び、島民全ての生活が売春で成り立っているとされる、現代ニッポンの桃源郷だ。
    この島にはまことしやかに囁かれるさまざまな噂がある。
    「警察や取材者を遠ざけるため客は、みな監視されている」「写真を取ることも許されない」「島から泳いで逃げようとした売春婦がいる」「内偵調査に訪れた警察官が、懐柔されて置屋のマスターになった」「売春の実態を調べていた女性ライターが失踪した」……
    しかし、時代の流れに取り残されたこの島は現在疲弊し、凋落の一途を辿っている。
    本書ではルポライターの著者が、島の歴史から売春産業の成り立ち、隆盛、そして衰退までを執念の取材によって解き明かしていく。伝説の売春島はどのようにして生まれ、どのような歴史を歩んできたのか 人身売買ブローカー、置屋経営者、売春婦、行政関係者などの当事者から伝説の真実が明かされる!

    内容(「BOOK」データベースより)

    「三重のあそこね。五人ほど売り飛ばしましたよ」。売春島の実態と人身売買タブーに迫る。

    著者について

    ノンフィクションライター。月刊誌編集長、週刊誌記者などを経てフリーに。主に社会・風俗の犯罪事件を取材・執筆。著書に『黒い賠償 賠償総額9兆円の渦中で逮捕された男』(彩図社)、『裏オプ JKビジネスを天国と呼ぶ“女子高生”12人の生告白』(大洋図書)など。

  • 高木瑞穂『売春島「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ』彩図社文庫。

    ベストセラー・ノンフィクションということだが、内容は所謂コンビニ本のレベル。

    三重県志摩市東部の的矢湾に浮かぶ周囲7キロの小さな島、渡鹿野島。島内のあちこちに置屋が建ち並び、僅か200人の島民の生活は売春で成り立っていると言われる。

    横行する人身売買、男に騙されて売春宿に売られた若い女性が島から泳いで逃げたという話、島の売春の実態を調査していた女性ライターが失踪した話、島を訪れる客は全員監視されているという話、どこまでが真実なのか……

    本体価格682円
    ★★★

  • 内容は島の歴史を辿り、江戸時代から現在までを扱うルポ。証言者の裏取りなどをしているがどこまで本当でどこまで嘘なのか疑ってしまうほど自分が見ている現実離れしている。
    文章が読み辛い部分が多くそこが気になった。

  • 売春島の歴史がわかる、まさかここまで詳しく紐解いていくとはと思う。

    最後の湖雲寺の話がリアル過ぎて…

  • 職場の同僚のフーゾク体験を聞いてるときに出た一つの話題がこの売春島だった。京都から車でちょっと走ったら行ける三重県の夢の島がかつて存在したとは!
    興味が湧いた時には時既に遅し、である。
    悔しいからどんなところだったんだろうと検索掛けたらこの本がひっかがった。
    週刊誌のように誇大妄想に面白おかしく書かれたものではなく、まじめ?に取材された内容で栄枯盛衰、渡鹿野島の歴史を隈なく学ぶことが出来て本望である。
    文中にも出てきたが、昔は着物でお披露目しての女の子選びだったのが、いつしかスーツ姿で即物的になり、駆け引きも奥ゆかしさもかわいらしさもなく、ただ股を開いてヤルだけ。古き良き時代とは言ったものだ。懐古趣味だの年よりの戯言とはいうけれど、若者よ、今のセックス楽しいか?

  • 海沿いの町の売春宿ということから映画『ブロー・ザ・マン・ダウン 女たちの協定』を思い出しつつ読む。しかしこの渡鹿野島は、1軒だけ売春宿があるなんてものではなく、島全体が売春に関わり、それで潤った島。

    警察もヤクザも目を瞑る。借金の形に連れて来られた女性もいるけれど、進んで金を稼ぎに来た女性もいる。暗くて痛々しいイメージしかなかったのに、一度行ってみたいとすら思わされます。

    性風俗にまつわるノンフィクションを読むときは、私には好奇心しかないわけですが、その好奇心をじゅうぶんに満たしてくれる1冊。だけどこんな感想を持っていいのかどうかは疑問。

    映画『ブロー・ザ・マン・ダウン 女たちの協定』の感想はこちら→https://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/25b7c24cc0009ee7c3eeaaf33c5de4a2

  • 三重県志摩市にある渡鹿野島。かつて「売春島」と呼ばれた、売春オンリーで潤っていたという小さな島の歴史を辿るルポ。
    こんな地域が日本にあるんだと驚き、単行本が出たときから気になってはいたが本屋でわざわざ探したりネットでポチるほどでもなく、結局文庫が出たすぐあとに、たまたま近くの本屋で見つけて買った。

    それにしても著者の取材力がすごい。そのパワーに脱帽。この調査能力は(わたしは記者でもなんでもありませんが)まねできない。

  • この手の本は初めて読んだが続きが気になりすぎて、すぐに読み終わった。
    売春島の全盛期、ルーツ、そして終焉に向かう話は読み物としてとても面白かった。
    最後に泳いで逃げた女の話がしっかり回収できたのも良かった

  • 興味深くはあった。好奇心は満たせた。ただこれを書いた人物の文章力や構成力がクソ過ぎて読み進めるのが辛いまでにクソだった。この著者は自分の意見なのか、伝聞なのか、取材相手の肉声なのか、を全く区別しない。何故これが出版されるのか?下手くそな文章ってなにを伝えたいのか読み取るのにコストがかかるし読む側で要旨をまとめないといけないから本当にクソだしこんなものを出版してはならない。

  • 三重県にあるというかあったというか、売春で成り立ったような島のレポルタージュ。客観的に記そうとする著者の姿勢が誠実であるように思えました。売春防止法施行前は全国にこのようなところはあったでしょうし、それ以降も飛田新地をはじめとして、全国方々にこのようなところはあったと思います。ですが、三重県の離島にあったというのがポイントかな。と思います。歴史を辿れば、瀬戸内の御手洗や木江と同じく風待ちの港であったと聞いて、その点では納得でした。
    ネットに出てくるまとめ記事は、売春婦とその取り巻きに関するセンセーショナルなところを切り取って記事化をしているので、そのような話しばかりが続くような先入観を持っていましたが、この島の歴史を丹念に辿ることを主眼として書籍でした。
    ちなみに、地元の人は「クリーンな島」として売り出したいのでしょうが、この島ネットで検索すると、売春島の話しばかりがヒットするという現実について、若干切ない気持ちになりました。

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著者プロフィール

ノンフィクションライター。風俗専門誌編集長、週刊誌記者などを経てフリーに。主に社会・風俗の犯罪事件を取材・執筆。著書に『売春島「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ』『東日本大震災 東京電力「黒い賠償」の真実』(彩図社)、『裏オプ JKビジネスを天国と呼ぶ“女子高生”12人の生告白』(大洋図書)ほか。

「2021年 『覚醒剤アンダーグラウンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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