キレる私をやめたい ~夫をグーで殴る妻をやめるまで~ (バンブーエッセイセレクション)
- 竹書房 (2016年6月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (131ページ)
- / ISBN・EAN: 9784801907652
感想・レビュー・書評
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以前「母がしんどい」を読みました。ご自身がお母さんになられ、毒母(失礼な言い方ごめんなさい)は連鎖するのでは…と不安になられたでしょうね。すぐに切れる自分に悩み情動のメカニズムまで勉強したこの本は同じ悩みを持つ方々の指針となる一冊になると思いました。
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人は、親や恋人など、身近な人から良いところも悪いところも学んでしまう生きものだ。
虐待された子どもは、大人になって虐待する側に回ってしまうことが少なくないという。
著者は必死でもがき、苦しみ、のたうちまわりながら、その連鎖を断ち切ろうと、カウンセリングやセラピーに行くなど、積極的に行動している。
殴られても受け止めてくれる夫さんのおかげもあるが(もちろん険悪になることも多々ある)、不幸の連鎖を止めるのはこういう人なんだと、納得できた。
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「キレる」の度合いが想像のはるか上で、序盤だけ読んだ時点では正直ちょっと引いちゃいました。
それと同時に、この状況を漫画という形で詳細にアウトプットできること、「このままでは良くない」と根本的に解決しようとする姿勢がただただ凄いと思いました。
「キレる」メカニズムにアプローチして、トレーニングを重ねる。
トレーニングを積めばしっかり変化できることがしっかり伝わりましたが、これは意志が強くないとなかなかできそうでできないことだなと思いました。
「ゲシュタルト療法」はこの本で初めて知りましたが、もう少し詳しく知りたくなりました。
【メモ】
・人は状況同士で話をしている
・『心』に注目するとわかることがある
・『心』に注目する方法は(ゲシュタルト療法だと)体の状態や今の気持ちを聴くこと
・人は誰かに『心』の部分に注目してもらったり、自分で『心』の部分に注目するだけで癒される -
田房さんの本は、いつも実践的だなぁ、と思いました。こうやってキレる気持ちも分かるし、そういう人もいる。
もしかしたら、万人に通用はしないかもしれないけど、自分に目を向けることの大切さに、改めて気づいた本でした。久しぶりにマインドルフネスやろうっと。 -
「おまえは俺か?」ってなる本だった。キレるタイミングとか理由がわけわかんないのとかほんと一緒。あと食器棚を買った時に「あっ、家っぽい!」ってなるのわかりすぎた。私も心の中のどこかに「私はお金をかけてはいけない」みたいな気持ちがあって、普通の値段なのに必要なものを買うのを躊躇することがある。「私のキレはパニック」っていう言葉が腑に落ちた。
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どうしてもキレてしまう自分を直したい人全員に効果がある方法が書かれている、とか、そういうことではない。
ここまで誠実に、自分の気持ちを外に発信して良いんだ、という風潮が出来てくると良いと思うし、私はそういう人が一人でも増えるような雰囲気を作る。 -
『母がしんどい』の田房永子が今まで誰にも言えなかった深刻な悩み――それは“キレる"こと。
あなたも家族や彼氏にこんなことしてませんか?
・頭に血がのぼってヒステリーをおこす
・後先考えずに物を投げたり、破壊したりしてしまう
・泣き叫んでわめき散らしてしまう
・つかみかかったり、ビンタや肩パンチをしてしまう
・思わず子供を叩いてしまう
・イライラして暴言を吐いてしまう
・怒りが抑えきれず、裸足で外に飛び出したことがある
理性を取り戻したあとに毎回、自己嫌悪。
私って、本当にダメな人間なんだ…。
いいえ、違うんです。
あなたは傷つきすぎているから、キレてしまうのです。
キレることに苦しんでいた私が、穏やか生活を手に入れるまで――。
夫から言われたことにブチキレ暴言を吐き暴力を振るった作者が、暴言と暴力を自分の子供に向けようとしている自分に気づいて、どうしたら夫にブチキレないようになるか治療法を探すことにする。
作者はゲシュタルト療法を受ける中で、夫にブチキレている感情の中に、自尊心が低いゆえに夫から注意されるとパニックになりブチキレていたことに気づく。
さらに相手が自分の言いたいことを受け止めてくれなかった経験から、注意する夫に最初から言うことを聞いてくれないという諦めがある。心の中で自分をどうしょうもない人間と思い込んでいるので、夫からちょっと注意されただけで自分の全存在を否定された気持ちになる。相手の意見が正しい部分があると、思えない。こうしたことに、気づく。
今感じている感情や気持ちに集中したら、自分がやるべきことが見えて冷静になれた。
イライラしやすい人に、イライラの中にある隠された感情を見出だすハウツーを知ることが出来る傑作コミックエッセイ。 -
なんとなく手に取ったのだけど、読んで良かったです。
エッセイの大きな魅力はフィクションではないものに共感できて、癒されること、自分にとっては。
半分虚構みたいなもんです、のようなお洒落でのほほんとした日々つらつら系エッセイも素敵だけど、ご自身の傷や(とても失礼な言い方になってしまうけど)もしかすると「恥」と見做されてしまうような内側を描く本は、読めて有難いと思う。作者さんすごいなあと思う。
井戸の底にいる自分、心ではなく状況だけを捉えてしまう・しまわれること、家族への悔しさ。私は自分のそれに触れたとき「キレる」方面にはいかないのだけど、根っこにある感覚は分かる気がしました。感情が悲鳴をあげてるんだなあ。