- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784801919242
作品紹介・あらすじ
〈セクター12〉に到着したチャーリーは、ナイトウォーカーを食べると言われている局長トッカータをはじめとして
変人ばかりの冬季取締局のメンバーたちと働くことに。
さらに〈セクター12〉で噂される、“伝染性の青いビュイックの夢”を見た彼は
冬眠薬モルフェノックスをめぐる謎と奇妙な事件に巻き込まれてゆく。
その夢は見たひとを殺すというのだが、何人ものひとが同じ夢を見るなんてことがありえるのだろうか?
そしてチャーリーはベルギッタを守ることができるのだろうか?
奇才ジャスパー・フォードによる、厳しい冬の中の切ない夏の物語。
感想・レビュー・書評
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全く事前情報が無いまま、カバーに惹かれて購入。
割とリリカルというか、今時の、華やかな画風とはかなりギャップがある内容で、そういう意味でも面白かった。ストーリーは確かにあのイラストがぴったりのボーイ・ミーツ・ガールものではあるのだが、けっこうアッサリと人が死んで行くのだった(何人かは死ぬだろうと思っていたが、ここまで死ぬとは完全に予想外w)。
ところで、著者のジャスパー・フォードの名前を、何処かで目にしたことがあるのだが、思い出せない(何故かジェフリー・フォードの方が出て来て余計に混乱している)。ううむ、歳は取りたくないものよ……。 -
ボーイミーツガールを想起させる甘酸っぱいタイトルと裏腹に、物語はハイバーテック社による【ラザロ計画】の核心へと迫るサスペンスの様相を呈していく。今作は巻き込まれ型主人公の成長譚としても楽しめるし、序盤から張り巡らせた伏線をきっちり回収するプロットの妙も味わえる。しかし、初読でこの特異な世界観を読解するのは至難の業だろう。ロマンス要素は味付け程度ゆえ、邦題のミスマッチ感は拭えぬまま。この手の作風を好む本来の読者層に届く機会を逸している気がしなくもない。常時眠りの浅い私は、夢見心地よりも熟眠が恋しい限りです。
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上巻ではまだバラバラだったピースがどんどんまとまって疾走感を増してくる。ヘンな人たちの本性も次々明らかになるけど、どれもこれも意外。チャーリーは記憶力がいいということ以外目立った能力はなさそうなんだけど、ナイーブなまでの正義感があって、どこか人を引きつける。それってフォード作品の主人公の特徴? だから奇想天外で、振り回されながら読んでいても、どこか清々しい気持ちになるのかも。