- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784801930391
作品紹介・あらすじ
宮城県で拝み屋として数々の心霊事件に関わり解決に導いてきた郷内心瞳が遭遇した奇怪な事件録、人気シリーズ最新刊!
感想・レビュー・書評
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興味深い。 今回も色々と教訓となった。
教訓の本当の意味は、忘れるべきではないということ。なかなか難しい事なのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「屋根踊り」「状況から見て」「墓女房」「踏みつけ」「驚くべきこと」「エヴァーグリーン」「呼びに来た」「変わらぬ化身」「森のカメラ」が記憶に残る話でしたが、『鬼念の黒巫女』の中で最大の恐怖を感じたのは「見たゆえか」。
ドッペルゲンガーに出会ってしまったゆえの結末につながるのだけど、向こうがこちらを確実に認識しているのがなによりも怖い。意識しているということは、怪異の結末も恣意的だと感じてしまうからです。
「暗闇ばくり!」から続いた郷内さんの珍しい下ネタ怪談もたまにはいいですが、やはり怪談に期待するのは「マチコじゃない!」に感じた淫靡な怖さです。あれ、彼氏もマチコと行為に及んでいますよ。家に憑いている何者かと。
タイトルになっている怪異を起こしてしまった男性は、自業自得で弁護する余地はないのだけど、少なからず性根を入れ替えてくれたら何より、だと思います。読む限り、無理そうだとは思いますが。作中で描写されているあの性格では、性懲りも無く同じことを繰り返しそうで気分が重い。
関わらないのが一番なんでしょうね。そういう観点でも「お化けや幽霊よりも、実は一番怖いのは人間なんだよ」という文言が刺さります。
そして、やっぱり郷内さんは口が悪い。 -
5よりの★4です!
タイトルの『鬼念の黒巫女』。。郷内さんが書いてある、見切り発車で容易く人を傷つける輩が、打たれ弱いのが多い。
研究に値するテーマ。
その通りだと思う。
思慮深くない人が多い。
一方で子供の悪ふざけに関係する怪異が、男の子は馬鹿だなと。。自分も馬鹿な子供だったのかな?
と思い出を手繰り。。少し反省です。
そして「玉ぺたっ、フォー」からの愛されキャラ芋沢くんの登場!
からの。。万代くんの流れは切なすぎます。
人間らしく優しい郷内さん。お身体ご自愛ください。と思います。
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実話怪談の短編シリーズは、毎回テーマがあるのだと初めて知った。というか読み飛ばしていたかもしれない。
で、この一冊は、「越えてはいけない一線を越えてしまった人に起こる災厄」でゆるく縛って集めているらしい。
一線を越えた人間をたしなめ、教訓めいた話が多くなるのかなと思っていたけど普通に怪談で読めたので良かった。
タイトルの話は、災厄にあう人間が胸糞悪くて、これだけは実話怪談であってももうちょっとお灸のきいた落ちがほしかったと思った。
作者の旧友の霊が不思議な形で現れる、ちょっとしたエピソードもよかった。本当は怖い話なのかなと思って少しワクワクしたけどそのまま終わったので珍しいなと思った。 -
怖さはいつもより控えめ。表題作もどちらかと言えば教訓ぽい。
『古本の写真』だけは神出鬼没かつ現在進行形でめちゃくちゃ怖い。