いずれすべては海の中に (竹書房文庫 ぴ 2-2)

  • 竹書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801931176

作品紹介・あらすじ

サラ・ピンスカー、珠玉の短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • みなさんのレビューと竹書房文庫の素敵な装丁戦略にはまり購入。終末感と現代が交差するような雰囲気がいい。「いずれすべては海の中へ」「深淵をあとに歓喜して」「オープン・ロードの聖母様」「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」が好き。

    • 111108さん
      たださん、こんばんは。
      コメントありがとうございます!

      私もブクログの皆さんのレビューで知りました。中・短編集なのですが、全編に漂っている...
      たださん、こんばんは。
      コメントありがとうございます!

      私もブクログの皆さんのレビューで知りました。中・短編集なのですが、全編に漂っている雰囲気が似ていて少しずつ読んで浸る感じでした。私的には週末感や音楽や年齢など惹かれる所が多かったです。

      ブクログで見て素敵な表紙だなぁと思ってたところ書店で見つけてしまって‥。
      ちょうどこの前竹書房文庫の人の記事を読んでて、書店で平積みにされないような新しい文庫だから背表紙を個性的にしたというような事を言ってたのですが、背表紙もいいんですよ。

      2022/09/03
    • たださん
      111108さん、お返事をありがとうございます♪

      なるほど。背表紙を個性的にするのは、小説の場合、珍しいとは思いますが、それだけ推したい作...
      111108さん、お返事をありがとうございます♪

      なるほど。背表紙を個性的にするのは、小説の場合、珍しいとは思いますが、それだけ推したい作品なのかもしれませんね。

      私も読んでみます。ありがとうございます(^_^)
      2022/09/04
    • 111108さん
      たださん、ありがとうございます。

      図書館にももうあるかもですね。
      見かけたらぜひ(´∀`)
      たださん、ありがとうございます。

      図書館にももうあるかもですね。
      見かけたらぜひ(´∀`)
      2022/09/04
  • 宇宙に旅立ち、持っていった人類の文明のデータが消えた後の世界、船内で音楽を演奏するグループに参加している女性の話が特に良かった。
    過去の名曲を再現しようとしても過去の作品全ては拾えない。
    今同じ時間に存在しているものにも思いを馳せたり、これから新たに作り出すことに勇気をもらえる話だった。

    「風はさまよう」の他
    クジラを運転して旅する「イッカク」
    多元宇宙のサラ・ピンスカーが集うサラコンで起きた殺人事件「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」
    夫婦間の謎を妻が理解し進む「新縁をあとに歓喜して」などが良かった。

    寝る前に少しずつ細切れに読むと、数日後に話の内容が追えなくなり、何度も止まった…理解力の無さです…いくつか、また読みかえします。

  • 【「本が好き!」レビュー】『いずれすべては海の中に』サラ・ピンスカー著 - 新刊JP
    https://www.sinkan.jp/news/11029?page=1

    KACHI NATSUMI |TOP
    https://www.natsumikachi.com

    いずれすべては海の中に|文庫|竹書房 -TAKESHOBO-
    https://www.takeshobo.co.jp/book_d/shohin/6038501

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      (エンタメ季評)SF 奇想の海に漂い、うっとり 池澤春菜:朝日新聞デジタル(有料会員記事)
      https://www.asahi.com/a...
      (エンタメ季評)SF 奇想の海に漂い、うっとり 池澤春菜:朝日新聞デジタル(有料会員記事)
      https://www.asahi.com/articles/DA3S15370275.html
      2022/07/28
  • ジャケ買いした一冊。表紙からは想像もつかない奇想天外な内容の短編集です。1番目で度肝を抜かれ(笑)2番目でうーむと唸り、3番目から(何か面白いかも…?)となって後は引き込まれるように夢中で読みました。「彼女の低いハム音」「孤独な船乗りは誰一人」「風はさまよう」が好きです(選べなくて3つになりました)

  • 朝焼けを迎える宙なのか、それとも夕暮れに向かう海なのかー淡い彩色の装丁に包まれた物語の世界に浸ると空気の組成が少し変わり始める。忍び込んだ異質な空気が肺を満たすとき、追憶の中の未来-辿り着くことのない、いつかどこか-がゆらゆらと立ちのぼってくる。
    それは旅先で目にした知らないはずの風景に感じる懐かしさと、それと同時に決してその風景に含まれることはない哀しみにも似て、心をさざなみが通り過ぎていく。
    失われたものへの哀惜と失ったものを語るときの優しさが、“今”を生きる真っ直ぐな力強さと溶け合って余韻を残す、美しい作品が集められた短編集だった。

    『一筋に伸びる二車線のハイウェイ』
    オートメーション化された大規模農場の傍らでオールドスタイルな農園を営むアンディは農機具の事故で片腕を失う。義手として最新鋭のロボットアームが取り付けられたのち、腕は、自分は遥か遠くコロラドに伸びる全長九十七キロのアスファルト道だと訴えてくる。
    テクノロジーとアイデンティティの危機という古くからのモチーフを用いながら、ここでは生物/機械という断絶を超えて、アンディが夢見る腕に共感していく様子が描かれている。
    道はー腕はー目的地を目指して移動する車を見送りながら、同じ場所に留まり続けている。山までずっと見通せるが辿り着かないハイウェイであることに満足している。
    アンディもまた、恋人が大学へ行くのを見送り、故郷の小さな町の農場で暮らすことを選択する人間だ。結局のところアンディと道は、存在こそ違え似た魂を持っているのだ。
    アンディが恋人のために入れたタトゥーの文字を書き換えるシーンが好きだ。

    『オープン・ロードの聖母様』
    オンボロバンでツアーを回る中年の女性パンクロッカー。時代が変わっても気骨と信念で吠える。ライブシーンの熱さ!
    “私たちは音楽だ。進みつづける“ 最高。

  • 13の短編が収められている。戦争・殺人事件・セイレーン・宇宙船・音楽・ジェンダーなど題材は多岐に渡りながら、そのどれもが人の心の深い部分に語りかけてくる。琴線に触れ、誰かにこの素敵な本のことを話したくてたまらなくなる。
    様々な人生を読んでみて、人の数だけある未来が希望そのものに見えた。どう生きてきたか、これからどう生きるのか、悩み受け入れて進んでいく、人々のありのままの姿がそこにあったのが印象的だった。
    特に好きなのは『いずれすべては海の中に』『彼女の低いハム音』『死者との対話』『深淵をあとに歓喜して』『風はさまよう』『そして(Nマイナス1)人しかいなくなった』の6話。約半数だ。
    いつも最後に余地を残してあるのが想像を掻き立て、可能性を感じさせてくれるのが良かった。

  • 地に足のついた日々に存在する幻想

    多彩。2010年代~に書かれたSFなのになぜか懐かしさも感じさせる。SF関係なく分からなさがフランス映画っぽくもある。「奇妙な味」のカテゴリに入るかな?

    個人的お気に入り
    「一筋に伸びる二車線のハイウェイ」
    自分の体の右手と左手が考える所在が違うために混乱する男。引き裂かれそうなヒリヒリ感がいい。

    「いずれすべては海の中に」
    表題作。不安の中ではぐくまれる一対一の人間関係。ノアの箱舟に乗っているときってこういう気持ちかな。

    「風はさまよう」
    これは、実際に起こりそうな。記録が記憶になる怖さ。震えた。

    「イッカク」
    映像にしたら可愛いだろうなぁ。クジラカー。

    「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」
    並行世界。ロビーにいっぱい集まったサラ・ピンスカー。面白すぎる。

    幻想的な作品たちの印象を写し取ったような表紙のイラストレーターさんはカチナツミさん

    https://twitter.com/natsumi_kachi

    乗代雄介さんの『本物の読書家』の文庫本表紙も描かれています。

  • ずっしり切ない短編がつまった一冊。いろんな方向から切なさがどすんとぶつかってくるので、毎日少しずつ読んだ。義手と記憶を共有するとかおばあちゃんロボットとか多元宇宙とか、ジャンルはSFなのだが、取り返せない喪失の記憶を抱えたひとたちの気持ちが主役。同年代の友人の話を聞く気持ちになった。

  • 原題 SOONER OR LATER EVERYTHING
    FALLS INYO THE SEA

    13の物語
    静かな世界たちが入れ替わって浮かび上がってくる。
    読み終えた世界は心の奥にしまうと同時に海の中へ戻っていく。
    またね

  • 終末や破滅の予感がする近未来で、道の義手やら、鳥籠の心臓のおばあちゃんやら、イッカク姿の車やら、加害者被害者探偵兼務の殺人事件やら。。荒唐無稽でぶっ飛んだシチュエーションなのに、読み進めて徐々に全体像が見えてくると、その世界に無理なく馴染んでしまう。摩訶不思議で可笑しくて哀しい物語にワクワクゾクゾクした。
    その中では比較的フツーな設定だけれど、3人のバンドマンの廃食用油車の道中記の破天荒さが一番好き。「進む。進み続ける」パンク姐さんがとにかくカッコいい。

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