- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784801932128
作品紹介・あらすじ
またSFが死んだらしい……。では、この作品群はいったいなんなのか。
感想・レビュー・書評
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今のSFは面白いですね。
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尖りすぎて、何が書いてあるのか解らない的な作品は含まれていないのだけれど、読むのにかなりな体力を要求する作品が多め。最近のSFブームで、興味を持ったルーキーさんを遠ざける効果は、却ってあるかも知れない。ちょっと気になる。収録作のレベルは文句なく高いです。個人的ベストは「電信柱より」にしましょうか。
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2024-02-22
現代日本SFの成果である短編10本。ゴリゴリのハードSFがほとんどないと言うのも日本らしい。もちろんその分余計に想像力はたけり狂っている。
SF冬の時代があった事すら忘れそう。 -
「もふとん」
異なる生命体との出会いと依存。ただ、ふかふか布団に疲れ切った身体を委ねる快楽は、誰もが至福と経験したことであると思うので、物語世界が変化してゆく様が、恐怖よりも納得・共感で成立してしまった。もふとん以前の生活が過酷すぎるのもある。異常な環境を当たり前と認識してしまっている怖さがあります。もふとん以後も異常ではあるのだけども。幸福と出会えて最高、という結末でないのが嫌な感じですが、感覚が鈍化しているように受け入れてしまうのは、ふかふかなもふとんの余韻にこちらも浸っているからかもしれない。
「電信柱より」
自分勝手な愛情という印象。良かれと思った行動の結果が、望んでなかった状況を招いてしまう。妻もリサも。悪意はないから余計に冷たさというか、情熱が冷めてしまった時の無関心というか。こうであってほしい、こうしてあげたい、という自分が作り上げたものが、実際にはずれてしまった時の感情の冷たさが刺さる話だと思いました。齟齬なく理解しあうことの難しさ、かな。
避けられない死をなんとかして回避したいけども、そういう形で生きていて欲しいのではないんだ、という感情がリサにあったのかな、と思っているのですが。
スッキリも納得もしづらいけども、頷かざるを得ないような感覚がある。愛でているであろうことが書かれているからかなぁ。
「百年文通」
多分、嫌いな人はいないんじゃないかな。歴史改変IF物語。主人公二人のキャラもいいし、二人の立場が相似であるというのが明かされるのも爽快感があっていい。
ただただ、物語に引っ張られて熱量が上がっているので、興奮状態の読後でした。
小さなネタだと思うのですが、おじいさんの古時計からタイムスリップするのが好きです。有名な童謡のあれを思い出して、ニヤニヤしてしまいました。100年というキーワードから思いついたのでしょうね。机の引き出しでタイムスリップというのも、何から引っ張ってきたのかは、わかりやすいし。
そんな小ネタがおそらく多く散りばめられているのではないか、と思います。
二人の少女の友情と奮闘。わくわくハラハラドキドキの冒険譚。こういうの大好きです。
ベストSF2023で印象に残った3編。 -
十三不塔「絶笑世界」がよかった。お笑い系ではドラマ「だが情熱はある」に通じるものがある。中編の伴名練「百年文通」は流石。日向静香さん、お会いしたい。アニメ化して!
他、知らない作家が多いですね。異常論文系はわざと難解にしているので、ついていけない。
〇酉島伝法「もふとん」
▲吉羽善「或ルチュパカブラ」
▲溝渕久美子「神の豚」
▲高木ケイ「進化し損ねた猿たち
×津原泰水「カタル、ハナル、キユ」
◎十三不塔「絶笑世界」
×円城塔「墓の書」
×鈴木一平+山本浩貴(いぬのせなか座)「無断と土」
〇坂崎かおる「電信柱より」
◎伴名練「百年文通」 -
よかった。が、ちとピーキーかなぁとは思う。「無断と土」はすごい。すごいんだけど、ちょっと読むのはしんどい。まぁ異常論文に載ってるやつだし「そういうもの」ではある。
気に入ったのは、「電柱柱より」。なんだかふざけているようだが、真剣に電柱との恋愛を丁寧に描きとっているのが素晴らしい。「百年文通」は、良いよね、姉妹百合と嫉妬……。
満足な作品集ではありました。人にはちと勧めづらい。 -
残念ながら面白くなかった
SFって時間とか宇宙とかファーストコンタクトとかロボットだと思ってるからかな。どれもイマイチ馴染めず、流し読みに近いまま終わった。 -
『ベストSF2022』読了。今年はあんまり刺さるのないなぁなどと思っていたら最後の最後で伴名練「百年文通」に持ってかれた。これぞガール・ミーツ・ガールのヤングアダルト小説って感じで中高生の頃に(自分と同年代だけど)伴名練に出会いたかった気持ちでいっぱいになった。