- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784803002645
感想・レビュー・書評
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戦争で仲間や家族を失った男女を描いた作品。
失意の中、命ある限り懸命に生きる2人に「生きる」ことの意味を突きつけられた気がする。
読み易いです。 -
戦争、生き残った男啓太と、夫と家族を次々と失った知子、一枚のハガキが二人をつなぐ。「今日はお祭りですがあなたがいらっしゃらないので何の風情もありません」短い手紙が印象的。
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クジの公平さと、死の公平さは同じだと思った。
平等で残酷。
日頃の行いや年齢や財産も関係なく誰にでも平等で為すすべもない。
それに向かうのが戦争で、国民をその恐怖に突き落とした御国。
経験者の真摯な思いが聞けたことを、そのまま受け取りたい。
為すすべもない恐怖に、心を奮い立たせる意味と価値。
世界から見たら無意味無価値でもそう生きるしかない、一人。 -
当たり前の幸せを感謝したい。
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戦争ほど理不尽なものはないのね。
つらい。生きることは。
戦争は本当にまだほんの前のことなのだ。ぜいたくだ。いろいろと。
なのに今は、違う戦争が起こってるのか。
時代は違うのだから、比べることも違うと思う。でも、やっぱりぜいたくだ。もっと生きることに真摯に貪欲に切実に。 -
この夏に公開された映画の小説版。
新藤兼人監督の遺作にあたる。
主題は、「それでも生き抜く命」といったところだろうか。舞台は戦中戦後。中心で描かれているのは、様々なかたちで生き残(ってしま)った人物の姿見だ。
映像化されたものを土台に書かれているので、情景が想像しやすく、読みやすい。
文体としては平易なので、中学生にも読めるだろう。ただし、大人向けの映画なので、微々たるものだが性的場面が含まれており、配慮が必要。