「本当の国語力」が驚くほど伸びる本: 偏差値20アップは当たり前!
- 大和出版 (2009年7月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784804761640
感想・レビュー・書評
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国語という教科を論理で考える。
手法がハッキリ書かれていて分かりやすい。
ってか、国語学習に対する意見はいいから早く実践の仕方を教えてくれ~~~って気になる。
問題集買った方が早いか。
( ↑ 出口某氏のやつよりいいかも。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
国語塾を主宰している著者による、「国語力」の定義とその指導法が書かれた本。
本書の内容をもとに、大人向けに書き改めたものが『「ビジネスマンのための国語力」が身につく本』(http://booklog.jp/users/tomiyadaisuke/archives/1/4804717609)であり、内容的にはかなり重複している。図なども同じものが使われているが、これは著者のいう国語力が論理的思考力であり、「言いかえる力(抽象的・具体的に表現しなおす力)」「比べる力(二つの事柄の共通点と相違点を見出す力)」「たどる力(因果関係を把握する力)」という非常に本質的かつシンプルな形でまとめられているからである。論理の型や本質の部分では大人も子供もない、ということなのだと思う。実際、文章の難易度は内容によって決まるわけだし。
非常に簡単なところからはじめているので、本書の対象となる子供でも、ややもするとかったるく感じるかもしれない。
しかし、簡単に理解できることがそのまますぐできるわけではない。ちゃんとできているか、本書の技術を自家薬籠中のものとできているかを、きっちり確認する必要はある。これは手品の本を読んでタネがわかったからと言って、その手品ができることとの間には大きな隔たりがあるのと一緒である。
本書は、基本的には小・中・高生とその親御さん向けではあるが、子供に指導するにはどうすればいいかを設問や具体例を交えて書かれているので、『「ビジネスマンのための国語力」が身につく本』と読み比べてみて、本書の方が読みやすければ、本書を読まれることをオススメする。 -
【図書館】
子供の国語力=論理的思考力アップのための方法が書かれている。
今すぐ実践できるものから反復が必要なものまであるが、どれもやはり親の頑張りが必要だなという印象を持った。 -
論理的思考の基本が書いてある。
暗記ではなく、理解して勉強するための第一歩となりえる本。
暗記偏重学習の結果、わかったつもりの部分が多くなり、資格試験の模試の成績が伸び悩んでいたが、私自身はこれを読み実践することで壁をひとつ越えることができた気がする。
小学生向けだけど、大人にもおすすめ。 -
テストに解答できる「国語力」を論理的思考力としてとらえ、「言い換える力」「くらべる力」「たどる力」の3つの具体的能力を育むことを推奨し、そのトレーニング方法について紹介している。
受験国語への力を養うには的確なことが述べてあり、参考にしたい部分はいくつもあった。
ただし、「本当の国語力」とは、ただ読解する力を養うだけではダメで、そこに深く味わう力。文学や詩を芸術とし、それを鑑賞する力も豊かに生きていくうえでは必要だと思う。
本書が全てではなく、本書は部分の一つだ。そこを間違えると一部の子どもたちにとって国語はつまらないものになってしまう。上手く加減することが難しい。
それでもここに紹介されている技法は意義のある実践方法であると思う。今後の取り組みに生かしたい。 -
人文・思想
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国語力とは、論理的思考力(論理を使いこなす力)
~書く力、読む力、話す力、聞く力、文法力~
どう読むか?と、どう書くか?が問題。
「バラバラの考えや言葉を整理する(関係づける)ための力」
一見バラバラにみえるもののなかに「共通点」を見つけ出し、整理する力
全体を3種類の形に分類し、それぞれを一つの代表的な形に置き換える操作に当たります。つまり「抽象化」。そして「具体化」
*言いかえる力=「抽象化」「具体化」の力
*くらべる力=「対比関係」を整理する力
*たどる力=バラバラに見えるものの中に「結びつき」を見つけ出し、整理する力「因果関係」を整理する力
整理の目的は「だれかに伝える」
1まとめて伝える/分けて伝える
2比べながら伝える
3順序よく伝える
<言いかえる力の鍛え方>
感覚・イメージ・意見というものは、味覚と同じように多種多様で、理解共有できたと思っていても実はできていないことも多い
伝える人(発信者)と受け取る人(受信者)の両社のイメージを一致させ、本当に理解しあえるかどうかは、お互いの「言いかえる力」に左右される
★1「具体」→「抽象」~つまり 例みかん、ぶどう、ばななつまり果物
「抽象」→「具体」~たとえば 例果物たとえば、みかん、ぶどう、ばなな
この場合みかん、ブドウ、ばなな=果物
=は共通性を示している
練習するときのポイント
*「つまり」と「たとえば」をワンセットで考える
*慣れないうちは「つまり」から
★2絞り込めていないときの例(あと一歩)
国語、算数、理科、社会 ~つまり~「勉強」と答える子 正解「教科、科目」
国語、算数…<教科、科目<勉強、学習
2)一文の要約=主語、述語をみつける★3
*まず述語をみつける(述部)
*述語をもとに「何が?/だれが?」を自問自答
文章の下から上の順に探していく
★4名詞化することでどんなことでも抽象化できる
例 風邪をひかないようにするための大事なことはいろいろある。たとえばマスク、うがい、栄養、睡眠。→風邪の予防策
★5語彙力をあげるには~
1つの感じの持つ抽象的な意味具体的な熟語に言い変えさせる。
例 理科
言いかえる力を見につけるための6ステップ
ステップ1)つまり/たとえばの仕組みを理解する★1
ステップ2)つまり/たとえばの言いかえ練習★1
ステップ3)マトリーショカの理解と練習★2
ステップ4)一文を要約する練習★3
ステップ5)読解問題の選択肢は本文の「言いかえ」であることを理解★4★5
ステップ6)課題作文を書く~具体→抽象→具体で言いかえる
・同じ数値、同じことがらであっても人によってそれに対する感じ方(価値観)は異なる
<くらべる力>
対比を知る
「ワンセット対比」昼と夜、晴れと曇り、過去と現在、冷たいとぬるい~複数の組み合わせがある
「正反対」暑いと寒い、大と小、内と外、生と死、明と暗、成功と失敗
シンプルレッスン
「前半」を与え、それに対する「後半」を答えさせる。
例)ガラスでできた食器は割れやすい。それに対して~
答え プラスチックでできた食器は割れにくい
くらべるを広める
「それに対して」→「一方」 「しかし/でも/が」
ア 「日本はもう朝になった。しかし、空はまだ暗い」
イ「日本はもう朝になった。しかしアメリカはまだ夜だ」
アは逆接 予想外の展開
イは対比
くらべる観点はしっかりそろっているか
くらべない文章はこんなに弱弱しい
くらべる観点をそろえる
1)くらべる観点をそろえる力がつくことで、くらべる力が高まる
2)自分の主張を展開する練習、つまり小論文の骨格をつくる練習となる
3)AとBのメリット・デメリットを両方考えることで、広い視野を培うことができる
プチ小論文
*くらべるメモ~プラス マイナス
*1行目 共通点の抽出(抽象化)
2行目 ー逆接で展開
3行目 相違点の対比(具体化)
4行目 AかBを選び主張する
次のステップ 形式が決まると内容が高まる→優れた観点へいきつく
本質を突く「相違点」を見つけられるか
<くらべる力をみにつけるための5ステップ>
ステップ1)「暑いと寒い」(正反対)と「昼と夜」(ワンセット)の理解
ステップ2)後半「それに対して」のあとを書く作文練習
ステップ3)課題作文を書く「それに対して」を使い文書を書く練習
ステップ4)プチ小論文「くらべるメモ」を書く、観点をそろえて主張
プラス面とマイナス面をメモして文章化
ステップ5)プチ小論文 型の力で文章の内容を磨く
サッカーと野球の共通点と相違点を文章化
<たどる力>
たどる力は因果関係(原因と結果)を明確にする力
原因と結果を結ぶ「だから/なぜなら」
原因→結果のパターン 例)宿題を忘れた。だからしかられた
結果→原因のパターン 例)しかられた。なぜなら、宿題を忘れたからだ。
<たどる力を身につけるための6ステップ>
ステップ1)因果関係の理解~各駅停車でたどることの大切さを理解
ごみ箱があった。だから。ごみ箱を撤去したは急行列車
ステップ2)だから/なぜならの仕組みの理解
AだからB~宿題を忘れた。だから、しかられた
BなぜならばA~しかられた。なぜなら、宿題を忘れたからだ
ステップ3)言葉をつなぐ短作文の練習
雨 かさ
雨がふっていた。だから、かさをもって出かけた。
かさをもって出かけた。なぜなら、雨がふっていたからだ。
ステップ4)のであるが理由を示すケースの理解
1~しかられた。宿題を忘れた。
2~しかられた。宿題を忘れたのである。
2には因果関係が読みとれることをつかむ
ステップ5)物語文の読解問題でのたどり方の理解
自分だけ忘れた~心細くなった~泣いた○
自分だけ忘れた~~~~~~~泣いた×
ステップ6)心情語を増やす練習、心情語を使った答え方の練習
いまの気持ちをひとことで言うと?ゲーム
迷惑をかけてしまったことに対する罪悪感