- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784805208991
作品紹介・あらすじ
カッコウは昔から托卵をする鳥として知られていますが、その詳細については写真やハイテク機器を用いて個体の同定や追跡、巣内の観察が行われる最近まで不明でした。観察方法の進歩につれ、どのように托卵し、それに対し宿主がどのように托卵を回避するか、共進化の様相が明らかになってきました。カッコウの托卵行動と子育ての放棄・押しつけは、果たして“進化”で説明できるのでしょうか。カッコウは托卵することで“親”という重荷を逃れ、普通の鳥より多くの卵を産む潜在的可能性を持ちます。それは宿主がだまされやすいうちは一時的に得をするかもしれません。しかし宿主が反撃すると、カッコウは結局だましのテクニックに複雑な手順が必要となります。詐欺の常習犯が最後はつかまって償いをさせられるように宿主の防衛は托卵の進化的成功を制限します。しかし、それでもカッコウは托卵を成功させ、現在も托卵を進化させています。著者は世界的なカッコウ研究者で、自らの研究を含めて過去・現在の驚くべき観察事例を豊富に紹介しています。叙述は平明であまり細部に立ち入りすぎることはなく、一般向けの良質な科学読み物になっています。
感想・レビュー・書評
-
カッコーの托卵という人間でいうと、道徳を完全無した行い。その進化の仕方がわかる。
本の進み方は、カッコーの習性を見てなんでカッコーがそうするのか?と最初に問題提起して、謎を解いていく感じで書かれてる。なるほどなーって感じ。
赤の女王の進化、ダーウィン種の起源詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヨーロッパやアフリカなど様々な地域のカッコウを比較しながら仮親を騙す技術の向上を描いています。
カッコウと同じように仮親を騙す別種の鳥についても少し。
過去にカッコウについてどうやって研究したのかも書かれています。
内容は面白いのに何故か頭に入らないのは、恐らく私が翻訳された文章を苦手としているせいですね… -
めちゃくちゃおもろかった!!!!!これは2017年私選ベスト3に入りますな。ケンブリッジ大学ズーロジーのニコラス・バリー・デイヴィス教授、Behavioral ecologyの専門家が30年カッコウを調査した経験とデータをベースに世界のいろんなBrood parasites生物についても触れながら一般書用に大変わかりやすく書かれている。Evolutionary arms raceについてさらに勉強したくなりますねぇ。托卵に興味がある人も、野鳥に興味がある人も必読。ほんとになぜ托卵てのが始まったのか?という疑問にうっすらと見えてくるもんがあったように思います。あまりの面白さにドハマりしてあっという間に読んでしまいまして、非常に勿体無い。でもまぁ再読必至です。ジュウイチとか特に顕著ですが、なぜにあんなタカの擬態になっているのか?、そこらへんはバッチリと理由がわかります。超おすすめ本。
-
請求記号 488.84/D 46