- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784805632390
感想・レビュー・書評
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途中から、宗教色が強く抵抗感があった。
宗教色が強い部分は読み飛ばしていたが、半分ほど読んでやめた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者が科学者であるのに、宗教心が強く地動説に異を唱えていたりと、あれと思ってしまった。が、宗教で人が救われるのであれば、それも良いと思えたし、厚い宗教心があったからこそ永井隆という人が立派だったのだと思う。
普段何気なく生きている我々だが、宗教心を持ちあわせていなくても、"神のみ栄の為に"と行動すれば有意義に生きていけそうな気がする。 -
2017.11.12 シミルボンより
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長崎旅行で知った永井隆。
旅行から戻り2カ月経って読んでみた。
医者が書いたから、どんな内容かと思えば
実に情熱的な内容だった。
どこか鼻につく「自分は特別な人間」という意識。
自分とは相容れないキリシタン思想、原発理想論。
正直、こういった考えとして賛同できるとかといえば
それは出来ない。ただ、この本は自分という存在が
消えてしまう前に子供たちに父親という自分を形として
遺そうという願いから書かれた本なのだ。それに自分が
どうこう言うものではないだろう。
子供らへ呼びかけるように書く。
それは将来の子供への呼びかけだ。
子供らとの思い出を綴る。
それは子供らをどんなに愛しているかを遺すためだ。
自分が死んだ後の子供を不安を記す。
それは子供らへの愛情とともに、周りの人々へ「子供達を
宜しくお願いします」と伝えた思いだ。
原爆で亡くなった著名な作家(医者)が何を残したか
そう思って手に取ったが、この本はそういうものでは
なかった。ただ長崎で暮らした子想いのキリシタンが
子供らに残した優しい遺書であった -
親の子に対する真摯な愛情。
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昭和20年8月9日。2日前の広島に続き、アメリカは長崎に原子
爆弾を投下した。被害は甚大だった。原子の光は人も、街も
焼き尽くした。
本書の著者である永井隆は放射線専門医として働く過程で
既に白血病を発症していた。この日、彼がいたのは爆心地
から700mの長崎医科大学の診療室。ここで被曝した。
重傷を負いながらも被災者の救援活動に動き回ったが、
原爆症を発症する。既に妻は原爆により自宅で亡くなり、
病身の彼には誠一とカヤノのふたりの子供が残された。
死は確実に近づいて来る。自分が亡きあと、ふたりの子供は
孤児となる運命なのだ。この子たちの行く末を思い、自らの
医師としての考え、父としての想いを綴ったエッセイだ。
著者はカソリックの洗礼を受けているので、考え方の根底には
信仰がある。一神教に馴染めない身としては理解しかねる
部分もあるのだが、子供を残して死に行く身である親の想い
には溢れるほどの愛があるのはわかる。
「この子を残して──この世をやがて私は去らねばならぬのか!」
この一文だけでも無念が伝わって来るではないか。それにして
も放射線医が原子爆弾の光の犠牲になるとは。なんたる皮肉。
なんたる運命なのか。
ただね、原爆投下を「神の御摂理」っていうのは理解出来ない
のだ。これも私が信仰を持っていないからなのだろうけれど。 -
長崎の医学博士 永井隆の随筆。子供へのメッセージ、人生の目的、科学と宗教に共通する目標、戦争孤児への支援のありかた、医者の仕事とは何か、科学者の役割とは何か を伝えた本
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永井隆に関心を持ったのでまずはこれを。
ユーモアもある人なのだなぁ。