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- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806714590
感想・レビュー・書評
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作者の博学に敬服。
と同時に、科学の営みが自然に対する深い理解を引き出したことを再確認。良書。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
博物誌的エッセー。筆者の知識の多彩さに脱帽。すばらしい。訳も秀逸。
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テネシー州東南部の、とある原生林の斜面にある直径1mほどの円形の世界を1年間にわたり観察した生物学者のフィールド・ノート、というかネイチャー・エッセイ。わずか畳半畳ほどの世界から、筆者は毎回訪れるたびに多くの気付きを与えられる。そして人間と自然、生物どうしのつながり、生きることの神秘などに思いをはせる。その対象は一片の雪の結晶であったり、なめくじであったり、コケであったり、鳥の声であったりする。子供のころにファーブルの昆虫記やシートンの動物日記を読んだ時の感覚に近いものがあるが、それらとの違いは、生物学的に、または科学的に圧倒的に詳細な記述へと広がっていくことである。そしてページを繰るごとに、ゆっくりとアメリカ南部の1年間の季節の移り変わりを味わうこともできる。
惜しくも受賞を逃したが、2013年のピュリッツァー賞の一般ノンフィクション部門の最終選考に残った3作品の中の一つである。原題は「THE FOREST UNSEEN ――THE YEAR’S WATCH IN NATURE」