人体探求の歴史

著者 :
  • 築地書館
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806714606

作品紹介・あらすじ

普段、何気なく使っている器官や臓器の名前だが、<br>昔の人たちは自分たちの体をどのように捉え、<br>それぞれの名前を付けていたのか。<br>現代にまで続く人体探求の歴史と、<br>古代魚の名残である鎖骨、三度作られる腎臓、<br>嗅覚でガンを見つけるイヌの研究、<br>山中教授のiPS細胞が開く難病治療の道など、<br>人体の進化と最新の知見に触れる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 一家に一冊。
    眼から始まり卵巣までの人体の15部位について解説していますが、その内容の濃厚さもさることながら、息抜きのようなコラムも面白いというお得本です。
    例えば・・
    湿った耳垢と腋臭の関連性については聞いたことがありましたが、白人や黒人の90%以上が腋臭だという事実は驚きです。(P63)

    一日の尿排出量は1.5Lですが、小分けにして一度で排泄しないのは、代謝の過程で出てくる有毒物質をその都度、対外排出するためというちゃんとした理由があった!(P195)

    脾臓は秘蔵(P207)、肺結核で亡くなった有名人(P236)、12指腸は文字通り指12本の長さ故(P270)、切腹は腹筋のせいで十文字にはうまく切れない(P276)、音が出るのがおならで、音なしが屁(P280)、アイスマンの発見(P284)、左の睾丸は右より下(P295)、去勢は男性器すべてを切り落としていたが死亡率が高かったので睾丸だけを切り落とすようになった(P298)などのどうでもいい情報だが、知っているとネタに使えそうなものばかり。

    良書です。

  • 2015.6.202105.7.31再度借出2015.8.12途中で返却

  • 瞬きの話にびっくり

  • ☆うんちく本。ネタ本。
    名著 腸は考える 人体の矛盾

  • 2015年3月新着

  • ひらめき、ちょっとした偶然、抑えきれない探求心、地道な実験・研究、燃えたぎる使命感…。私たちの体の仕組みが解明されるまでには、古今東西の医師や科学者たちの悲喜こもごもがあった! そして人体への探求は現在も続く。最新の研究成果とともに、人の体とその解明の道のりを明らかにする一冊。

    人体各部の名称の由来から、人体探求・医学発展の歴史まで膨大な知識をもとに一気に語られて、理解できない部分も多々(というかほとんど?)ありますが、著者の語り口がいい感じなのか、不思議と楽しく読めました。雑学ネタにもなるし、まじめな医学の知識も盛りだくさん、何より人体の不思議に改めて触れることができて、なかなか興味深い一冊に出会えました。

  • 第1章 眼
    第2章 松果体
    第3章 耳
    第4章 鼻
    第5章 心臓
    第6章 血液
    第7章 骨
    第8章 肝臓
    第9章 腎臓
    第10章 秘蔵
    第11章 肺
    第12章 消化管
    第13章 肛門
    第14章 精巣
    第15章 卵巣

  • 笹山先生は大学で講義実習に携わってきて、普段何気なく使っている体の部分の名称や、器官や臓器の名称を表す「言葉の意味」と「新知見を得られるまでの経過を知りたい」という気持ち、明らかにすることを根底に授業を進められたそうである。また”生物の進化”にも常に言及されてこられた。
    そのようなことを本にされたのが本書である。
    第1章 目から始まり松果体、耳、鼻と進み最後は卵巣まで書き進められるが、各章はまず国語的な意味、語源や派生する言葉、英語と日本語での使い方の違いから始まる。第1章では「京の三条、糸屋の娘。姉は十六、妹は十四。諸国大名弓矢で殺す。糸屋の娘は目で殺す」などという俗謡がでてくるのである。
    新知見と言うことでは最近の医学情報や開発中の新治療法がいつ頃までには実用化されると言うような情報、さらには人間の臓器が進化の過程のなかで他の生物ではどのような形態を取ってきたかまで、いろんな角度から論じられるのである。
    「頭に骨休み」にもってこいの本である。

  • 人体探求の歴史、と聞けば医学の進歩を紐解いた本なのかな、と思いきや、第一章「眼」第二章「松果体」と、まったくそういう組み立てではなくて、部位ごとの解説、ウンチク、逸話、そして歴史が描かれています。どこから読んでもいいし、いろんなネタにもなる、と著書はいいます。確かにそんな感じ。全体をつらぬくストーリーがあるわけではないけれど、一つ一つは、それなりのボリュームを持っているし、まったく知らないような話もたくさん。
    僕は通常、一冊を盛り上がりながら一気に読むのですが、これはそういう通読ではなく、やはりオススメどおり、ときどき拾い読みしていたので時間がかかりました。一冊あるとながく楽しめます。

  • 人間の体のパーツごとにその役割を紹介しつつ、探求の歴史とまつわるうんちく(名前の由来、どんな人が発見したか)をたくさん述べているため、まとめることは不可能。

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著者プロフィール

昭和44年、北海道大学水産学部卒業。富山大学理学部教授、金沢大学理学部教授を経て、金沢大学環日本海域環境研究センター教授を務める。平成24年定年により退職。現在、同センター連携研究員。専門は「骨硬化ホルモン〈カルシトニン分子〉の生理・進化学」。著書に『人体探求の歴史』(築地書館)がある。

「2014年 『脳と人体探求』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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