- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806716426
作品紹介・あらすじ
地球上の生物は、常に動いている!
季節ごとに渡りを繰り返す鳥や昆虫、気候変動で生息地を変える動植物、
そして災害や紛争で移動を繰り返す人類。
生物はどのように移動し、繁栄・衰退してきたのか。
その移動は地球環境にどのような影響を与えてきたのか。
彼らの移動は妨げるべきものなのか。
地球規模の生物の移動の過去と未来を、
気鋭の科学ジャーナリストが、
生物学から分類学、社会科学的視点もふまえた広い視野で解き明かす。
―――――
[原著書評より抜粋]
絶えず移動している私たち人間を素晴らしく独創的に活写。
――ナオミ・クライン(ジャーナリストで作家。『ショック・ドクトリン』の著者)
移民・移入・侵入種に関する誤った物語を暴き、
ヒトの遺伝子には移動しようという他の生き物と共通の衝動が書き込まれている
とするすばらしい研究。
……対象をあくまでも追跡する推理小説であり報道記事であるこの作品は、
著者シャーを世界の果てまで、また歴史の彼方まで連れ出す。
……話を巡らせながら、ヒトがなぜあちこちへ動き回るのかを語るこの本は
……数ヶ月後の予言も、数年後の予言も等しく的中させそうだ。
なぜなら、本書は何が人類を移動させるのか、
そして、こうした大量移動はより多数が定住しているコミュニティや国家に利益をもたらすのか、
という二つの疑問を発しており、
これらの疑問は私たちの地政学的活動をすでに具体化しつつあるのだから。
――ガーディアン紙
思慮深く示唆に富む移動擁護論。
――サイエンス誌
読者を夢中にさせる本書は、ヒトだろうとヒト以外だろうと
今日の移動は地球規模の危機を表すのだという概念に逆らい、
歴史や取材や広範な科学研究をよりどころとして、
移動は「普通に続いている現実」であることを示している。
――ニューヨーカー誌
反移民政治家たちが不必要で残酷な防壁を造るために
データをゆがめ、また誤用している、
そしてまた、私たちが社会的、政治的、生態学的に
大幅に変化した世界に直面するのは避けようがないに違いない、
そうシャーが主張するのはもっともだ。
その結果変化したコミュニティは単に変わるだけでなく、
多くの場合温暖化する世界によりよく適応して繁栄することだろう。
――ネイチャー誌
感想・レビュー・書評
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越冬のため長距離を飛ぶ鳥、何千kmも飛翔する蝶の群体、そして移民難民。
本書はヒトも含めた生物の移動を主軸に、生物移動を誘発する要因とその結果起こるさまざまな影響について俯瞰する。
半分ほどのページを先史以来のヒトの移動に割いており、ダーウィニズム的人類アフリカ起源説の否定からはじまった優生学や人種差別の歴史、大戦を通して行われた断種的虐殺、戦後から現代の南北問題に端を発する移民難民への為政者たちの差別的法案など、いかに人類が移動者達を恐れ蔑んできたかを解説する。
実際には、移動者の初期の破壊的影響は一時的かつ軽微で、多様性の維持、消費者となることによる経済的コミットのほうがはるかに大きいと説く。
終章で、潜在的恐怖としての外国人恐怖症について、著者は近代医療以前、移動者達が持ち込んだ壊滅的な病原体を恐れが原因ではないかと結ぶ。
ここ数年の流行病初期、外国人排斥の動きをみてなるほどとも思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
気候変動で生息地を変える動植物、災害や紛争で移動を繰り返す人類、その影響でもまた移動を余儀なくされる動植物。
その移動もまた、地球環境に影響を与えている……?
◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC17300696 -