人類を熱狂させた鳥たち

  • 築地書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806716471

作品紹介・あらすじ

人類の歴史が始まって以来、
私たちの信仰、科学、芸術、資源の源として存在し続けている鳥類。
精神と生命を支えてきたその生物を、
人はどのように捉え、利用し、そして保護しようとしているのか。

新石器時代の壁画に描かれた208羽の鳥から紀元前の哲学者が「予言者」として扱った鳥、
鷹狩りの歴史、ダ・ヴィンチが興味を引かれたキツツキの舌、
鳥が部位ごとに持つとされた薬効、一夫一婦制の真相、
海鳥の利用と個体数減少、長距離を移動する渡り鳥の研究など、
1万年以上にわたる人間と鳥の関わりを、イギリスを代表する鳥類学者が語り尽くす。

感想・レビュー・書評

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  • Birds and Us
    A 12000-Year History, from Cave art to Conservation
    by Tim Birkhead
    鳥類と私たち人間
    洞窟壁画からコンサベーションに至るまでの1万2千年の歴史
    大変面白かった。副題にある通り、新石器時代の洞窟壁画に描かれた鳥類から、当時の人間と鳥類の関係を考察するところから始まり、各所各時代の有名な鳥類の考古学的遺物から芸術作品など網羅していく。エジプトのネプアメンの墓の壁画に描かれた「湿地での狩猟」(紀元前1350年頃)は私のものすごく好きなピース
    https://flic.kr/p/L1tB7K
    大英博物館で展示されている。
    Nebamun hunting in the marshes, fragment of a scene from the tomb-chapel of Nebamun.
    Thebes, Egypt. Late 18th Dynasty, around 1350 BC

    人類と鳥類との関わり合いの歴史というのは、最近日本でも書籍が出版されていて結構ホットなトピックで、それこそどっさりとネタのあるエリア。スペイン南部 Cueva del Tajo de las Figuras、400万体のAfrican sacred ibisのミイラ、アリストテレス、プルタルコス、プリニウス、ローマ人の野鳥料理、フラミンゴの舌料理、イングランドの鷹狩、ルネサンスの時代の解剖学的研究の発展、フランシス・ウィラビー、ジョン・レイ、1500年代有害鳥獣の指定と駆除、鳥の薬効、ターナーの鳥の絵、『ウィラビーの鳥類学』のドードー、メキシコのアステカ族、ブラジルのトゥピ族などヨーロッパを含む世界中の先住民族にとっての鳥とその羽の文化、フェロー諸島の海鳥を食べる暮らし、セルボーンの博物誌、ダーウィンと鳥類学、ジェマイマ・ブラックバーン、ジョン・グールド、アラン・ヒューム、剥製ブーム、ブリューゲル「味覚の寓意」、コレクター、コレクターの収集活動と絶滅、収集欲と問われるモラル、博物館の存在意義、バードウォッチング、エドマンド・セルース、アマチュア鳥類学者の誕生、オスカー・ハインロートとマグダレーナ、セルース、ハワード、Jハクスリー、ハインロート夫妻、コンラート・ローレンツ、ニコ・ティンバーゲン、カール・フォン・フリッシュ、デイヴィッド・ラック、ウィン・エドワーズ、デイヴィッド・アッテンボロー。
    人類による大量絶滅。

    非常に読み応えあり、また、さらに深く掘り下げるためのガイドにもなる。

  • 基準推移:以前の世代に見えていた自然環境を現在の世代が理解できない
    ビクトリア時代:剥製に対する熱狂+科学に対する人気→鳥類学的知識としての剥製蓄積
    20世紀:バードウォッチングと野外研究
    現代:新しい追跡技術→新規な科学的発見・リアルタイム
    鳥や自然を愛する気持ちの源を突き止めたい
    世界は野生の内にこそ保たれている(ソロー)
    ニュー・ネイチャー・ライティング:客観的・主観的な反応をうまく融合
    冷静的共感→同情的共感→情動的共感
    不思議に思うこと:科学と共感を1つにすることができる方法
    1934年・富士山の裾野での鳥巣見学の会=日本でのバードウォッチングの最初

  • 人類と鳥の関係を新石器時代から見ていく本。狩ったり飼ったり、食べたり集めたり、殺戮したり保護したり。鳥類学の歴史にも触れてて面白かったです。
    欧米の話が多くて(そこが学問のメインストリームだったからだろうけど)、他の地域が気になるところ。

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著者プロフィール

世界的に著名な英国の鳥類学者。数々の受賞歴がある。
ロイヤル・ソサエティのメンバーで、シェフィールド大学の動物学名誉教授。
著書に『鳥の卵』(白揚社)、『鳥たちの驚異的な感覚世界』(河出書房新社)などがある。

「2023年 『人類を熱狂させた鳥たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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