- Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
- / ISBN・EAN: 9784808310615
作品紹介・あらすじ
新型コロナウイルス感染拡大、首相交代、外交、危機に直面した東京五輪、不祥事…コロナ禍の政治家たちの右往左往を活写!
東京五輪・パラリンピック招致にも成功し、異例の長期にわたった安倍政権。しかし、「アベノマスク」などのコロナ対策は不評で支持率は低迷した。安倍氏は体調不良を理由に突如退陣し、代わった菅政権も、ちぐはぐなコロナ対策や「政治とカネ」などの問題で支持率は急落した。こうしたここ数年の国内外の政治家たちのドタバタぶりを「コロナ禍の政局」「五輪狂騒曲」「世相・流行も映してきました」「キャラが立つ人々」「よいお年を!こう吐く歌合戦」の5章に分け、厳選した政治まんが100超で斬っていく。
佐藤正明氏は、東京新聞・中日新聞で長年描いてきた政治を中心とした風刺まんがが認められ、二〇二〇年日本漫画家協会賞の大賞に選ばれた。その作品を愛する読者たちは、政治への腹立ちを佐藤マンガで代弁してもらい、笑うことで溜飲を下げているのかもしれない。
東京新聞元政治部長の金井辰樹(現北陸中日新聞編集局長)が各章を解説、ネタにされた政治家からの意外な反応なども披露する。
感想・レビュー・書評
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私が購読している東京新聞系列の新聞に書いている「政治マンガ」「風刺マンガ」の最近の作品をあつめたもの。同新聞社の方が,その絵が書かれたころの世相や政治的な背景について説明してくれているので,「昔のことは忘れたよ」という方でも楽しんで見る(読む)ことができる。
最後に,佐藤正明さんのあとがきがあるのだが,そこでは,最近,なんとなく風刺画が描きにくくなってきたことが語られている。ジェンダーにしても,人種差別にしても,やや過剰に反応している「気(け)」が今の社会にはあって,それゆえ,ますますこういう風刺画が描きにくくなるのではと危惧している。
今回のオリンピックの開会式で,過去にちょっとしたネタをやったために,自ら降りたり,降ろされたりした人々がいたが,ああいう対応をやっていると,そんな問題を笑いながら表現すること自体がなかなか難しくなるのではないかなあと,私も危惧する一人である。真面目に避難することだけって面白くない。笑いの中で,訴えかけるものだってあるし,それが文化の深みでもあると思うのだが…だめですか。詳細をみるコメント0件をすべて表示