水中ミステリー　海底遺跡と難破船

著者 : 井上たかひこ

• 東京新聞出版(中日新聞東京本社) (2023年6月26日発売)

感想・レビュー・書評

[yuuyomさんの感想 · 2023年8月13日]

水中考古学という分野があることを初めて知った。沈没船や天災で沈んだ町。水深10m程度のものから、約3800mに眠るタイタニックまで、沈んだ経緯も多様な水中遺跡。調査の方法も、潜水するだけでなく、音波探知機などを使って海底の３D地図を作成したり、水中ドローンやロボットを利用して探索するなど最新技術も駆使して探索が行われる。地上とは違う水中という条件が保存に適している場合もあり、また、沈没した商船の場合は交易の様子がわかるという。一つ一つの遺跡について、歴史的な背景も説明されていてわかりやすいのだが、もともと新聞の連載だったこともあり短くまとめられている。もっと詳しい話や、遺跡や遺物の写真も載せてほしいと思ってしまう。