- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784808710507
感想・レビュー・書評
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「かわいいkawaii」という日本語が世界的に発信されているそうだが、英語のprittyとは、ちょっとニュアンスが違うんだろうな。西洋絵画の歴史で、歴史画や宗教画とは違うちょっとした風景や日常の様子、身近な人々を題材とするようになった印象派は、特に子供や小動物をよく描いている。割と「かわいい」のど真ん中の絵が多いかな。意外な驚きはないとも言える。
ロートレックのさらさらと描いた絵やリトグラフはさすがに凄い。かわいいし洒落ている。フェリックス・ヴァロットンの絵は、あらためてその良さに目を開く思いだった。その単純化の具合が素晴らしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「絵画や美術の世界は厳しい」
そう思う人もとりあえず絵を見てみるのは
どうですか?
”楽しい!” ”難しくない”と感じられると思います。
この本では印象派と呼ばれる画家たちの作品を
「かわいい」という視点から紹介していきます。
本を手にとることであなたに新しい美術の世界が
開かれることと思います。
美術の世界にはまってみるのも悪くないと
思いませんか?
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
日本人がなんでも「かわいいかわいい」と言うのに、多神教や八百万の神が関係しているというのは初耳だった。
確かに石ころひとつにも神が宿ると考えていれば、唯一神とそれ以外というキリスト教圏の人々とは自然と見方も変わってくるだろうな。
印象派に日本が与えた影響が大きいとは聞いていたけれど、宗教的な見方も影響していたんだなあ。
この本の「かわいい」作品の中では、メアリー・カサットの作品が断トツだと思う。
女性だからなのか、対象に向ける視線がやわらかく、特に子供に対しての絵から溢れる感情が男性のものとは違う気がした。
赤ちゃんのやわらかさ、触れたら弾力があってこちらにもたれかかってくるような、そういう温かな存在感を感じる。
また、ピエール・ボナールの描く猫も抜群にかわいい。
飼っている人、猫に魅了された人でないと描けない表情や動きで、この人は本当に猫がめちゃくちゃ好きなんだというのが強く伝わってきた。
いつか、本物を見てみたい。
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かわいいという視点で見ると、西洋絵画がとたんに身近に思える。
多くの可愛い絵画がカラーで載っていて、眺めているだけで楽しい。
一方、本のサイズが小さいため見開きで乗っている絵もあるが、平らに開ける製本ではないため、本の中央付近が歪んでしまう。
じっくりと鑑賞するのには物足りないかもしれない。
お気に入りを見つけるのには、良い一冊だと思った。 -
二人の学芸員がややコミカルに掛け合い、時にどちらの絵がかわいいかバトルしながら印象派のかわいさを紹介していく。同シリーズのナビ派の本も読んだが、狭義にかわいいのがナビ派であり、印象派に対する「かわいい」の視点はもう少し広い感じがした。
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紹介されている絵画はテーマに合った素晴らしいものが多い。
しかし作品解釈の解説が押しつけがましい感じがした。もっと自由な発想を求めれば良いのにと思った。 -
東京の丸の内にある三菱一号館美術館の館長と学芸員が紹介する印象派の中で見られる「かわいい」を取り上げたのが今回の本だ。
この中で現在、国立新美術館で開催されている話題のルノワールも取り上げられている。「舟遊びの昼食」、「ジャンヌ・サマリーの肖像」、「アンリオ夫人],
「猫を抱く女性」などが載っている。
第1章「かわいいモティーフ」では、つぎのかわいい対決が載っている。
1.子どもたち
2.永遠の少女たち
3.男子目線、女子目線
第2章の「かわいい表現」のかわいい対決では、「愛すべき無個性」が取り上げられている。
ページをめくっていくと、いろいろなかわいいがあふれている。かわいいも多種多様なのがわかる。
三菱一号館美術館
http://mimt.jp/
国立新美術館
http://www.nact.jp/