- Amazon.co.jp ・本 (137ページ)
- / ISBN・EAN: 9784811323879
感想・レビュー・書評
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この本は、2018年度の「読書感想がコンクール」中高生の部の課題図書で、学校の蔵書でもあるのだが…読んでいなかった。
「白バラ抵抗運動」という学生の地下組織があった、ということだけは知っていた。
しかし、ナチスの残虐な殺戮ばかりに目がいってしまい、抵抗運動をした人々のことにまで目が向かなかった…様々な角度から見るべきなのに反省するしかない。
良心を売ったとしても、黙って体制に従っていれば自分の身は安全。恐怖政治に慄きながらも、ほとんどの大人たちはそう判断する。
白バラ抵抗運動を押し進めた学生たちには、子どもの頃に、ヒトラーユーゲントに憧れ入隊した者もいた。
しかしその実態を知るにつれ、ナチスに幻滅し、命を捨ててでも正義を行わなければならない、と考えるようになっていった…。
ナチスはなぜこんなにも残酷になれたのだろう。
ギロチンによる斬首刑。
最初に犠牲となった3人の学生たちの真実。
今読むべき本だと思う。
2020.10.21詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第二次世界大戦下のドイツで、ドイツ人の学生たちが実際に行った反戦運動のドキュメンタリー。学生たちは、1942年の6月から「白バラのビラ」として反ナチスのビラを配ったりばら撒いたりしていく。
その活動のリーダーであるハンス・ショルが14歳のときに父の反対を押し切って、ヒトラーユーゲントの活動に加わるところから始まり、その逆方向の白バラ運動をしていき、戦後は白バラ運動が伝説的英雄として扱われるようになるまでを描く。
また、ヒットラーがなぜ台頭していったのかその背景にある社会情勢や実際にヒットラーが行ってきた無慈悲な行いなども描かれる。
さっきニュースで、ブラジルの大統領選でブラジルのトランプと言われるボルソナロ氏が当選した伝えていた。私は、このニュースを聞いて、人権を無視するような発言をする人が当選する社会が現代でもあることは驚くべき事と思う。でも一方で不満や不安を抱えるコミュニティでは当然成り行きとも思えて恐ろしい。日本だって例外ではないかも。
2018年度中学生高校生読書感想画課題図書。写真が多く掲載されていて、その上字も大きく章立ても細かくて小学生でも読み易い。 -
第二次世界大戦中にヒトラーに従順を強制されたドイツの若者たちの中に、その異様さ、人権への冒涜を感じ、抵抗運動を密かに始めた者たちがいた。家族に迷惑をかけないよう細心の注意が払われたのだが、いずれゲシュタポに逮捕される時が来る。言論の自由、精神の自由をどんなに厳しい状況の中でも貫いた人がいたということに勇気を与えられる。声をあげる勇気、それは人間に与えられた良心がなせる業なんだと感じた。言論弾圧に動きかねない現在の政治状況だからこそ、若い世代に読んでほしいと思う。
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3.89/64
内容(「BOOK」データベースより)
『第二次世界大戦が三年目に入った一九四二年、ドイツのいたるところで、郵便受けになぞのビラが入り始めた。「白バラのビラ」という見出しがつけられたこのビラはナチスを批判し、ヒトラーを強く非難するものだった。ビラはどこから来たのか?白バラとはいったい何者なのか?ゲシュタポは特別捜査班を組織した。情報提供者には報奨金が与えられる。白バラ捜査はついにナチス発祥の地ミュンヘンにおよんだ。』
冒頭
『 はじめに
第二次世界大戦が三年目に入った一九四二年、ナチスドイツのいたるところで、郵便受けになぞのビラが入り始めた。手に取った人は封筒を開け、ビラを取り出し、ひと目見るなり、こわごわふり返ってあたりを見回し、だれにも見られていないのを確認する。用心するにこしたことはない。国家に反対するビラなど手にしていたら、国家の敵とみなされ、強制収容所送りになりかねない。』
原書名:『We Will Not Be Silent: The White Rose Student Resistance Movement That Defied Adolf Hitler』
著者:ラッセル・フリードマン (Russell Freedman)
訳者:渋谷 弘子
出版社 : 汐文社
単行本 : 137ページ
発売日 : 2017/7/1 -
ナチス政権下で反ヒトラー運動を展開した学生たちの地下組織「白バラ抵抗運動」
運動を主導したショルきょうだいの生涯を描いたノンフィクションの邦訳、小学校中学年から
原題は“WE WILL NOT BE SILENT”
共謀罪のこわさを考えるのに読んでおきたい一冊 -
第二次世界大戦中、ナチスによる支配の中で正義の声を上げた学生たちの記録。
こんな事実もあったのだ。 -
ノンフィクション