漂流少女 夜の街に居場所を求めて

著者 :
  • 太郎次郎社エディタス
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本棚登録 : 87
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784811807393

作品紹介・あらすじ

新宿歌舞伎町、渋谷センター街。著者は夜の街を漂流する少女たちに声をかけ、誰にも言えなかった不安や、どうすることもできない現実に耳を傾ける。
そこで語られた、少女たちの日常とは!? “危うい少女たち”の現状を知らせる渾身の1 冊!

感想・レビュー・書評

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  • 著者の経歴が生きていると思う。世の中の狭間を上手く描いている。

  • 当事者たちには響きそう、支援者を広げるには感情が目立ちすぎる書き方。ただ橘さんの素直な心を描いたものだと思う。

  • NHKのドキュメンタリーで見た

    援助交際をする女の子に話しかけるのを
    ずっと続けて、寄り添って
    現在NPO法人bondプロジェクトを立ち上げ
    ネットcafe MELTをやっている人の記録

    元レディースだったことがきっかけで
    はじめたインタビューだったらしいけれど
    毎夜、出かけて話を聞くって、
    簡単にできることじゃない

    寝るところと、食べ物
    それを確保するために援交する子たち
    寂しくない、と言う
    家よりも楽しい、と。
    生きてるのはめんどくさい、と。

  • 元暴走族のライターが街にいる少女たちと親しくなりインタビューして作られた本。

  • この本に書かれていることは、ひとつの現実として受け止めたい。

    その上で、今の自分があることにこれまでの人生のなかで自分の境遇であったり、関わりを持ったすべての人々だったり、すべての存在に感謝したい。

    この本は今の日本における、社会の縮図としての一面もある。

    核家族化、教育、社会制度、都合の良い大人の欲望その他など

    本来、守り育まなければ次代を築けないはずなのに、犠牲になる"こども"がいることに目を背けてはいけないと感じた。

  • ■自己否定感と、大人社会への不信感

    街にたむろする若者の中には
    居場所や行き場所がなく、
    頼れる保護者がいない実情がある。
    保護者に”いらない存在”として扱われてきた心の傷は深く、
    表面上は屈託なく笑顔で話していても、
    心のうちには
    「生まれてこなければ良かった」「生きていても仕方がない」という気持ちが
    溢れている。

    同時に、家庭環境を要因とした別の生きづらさも抱えている。
    親自身が生活苦や社会からの孤立などの問題を抱えてきたため、
    親をモデルとする対人関係のとり方や社会性を身に付けることができずにいた。
    年齢相応の社会経験もつんできていない。

    なにより
    そうした若者をいちばん行きづらくしているのは
    ”つらい状況から救ってくれなかった社会や大人に対する不信感”だろう。
    不信感を持つと、人に助けを求めることができなくなる。
    何重にも重荷を背負った子どもたちが
    10代で家を飛び出し、
    繁華街に出てきて出会うのは
    ”つながりを絶たれた子”を利用しようとする大人たちだ。

  • 1109初:著者onTV
    ---
    一瞬のつながりを求め、路上に立つ家出少女。友人関係でつまずき、自傷をくり返す高校生。授業は無欠席、休日はソープで働く大学生…。深夜の繁華街で彼女たちに声をかけ、命の糸をつなごうとする著者と少女たちの記録。

  • 元々、レディースをしてた橘さん
    この人が変わるきっかけになったのは、ある人の取材
    そこから様々な世界に触れ、今は、取材をする側にいる

    取材の対象は、主に、何か悩みを抱えていそうな少女達
    雰囲気が、行動が、何かが橘さんに直感を与えて、声をかける
    そして、心にある闇を聞きながら、一緒に歩む努力を働きかける

    本を読めば読む程、自分の家庭環境/生活環境が恵まれていることに気づく
    上を見ればきりがないし、下を見ればきりがない
    「足るを知る」コトの大切さを改めて思う
    それを伝えてくれる本であると共に
    これだけ闇を抱える人が多いことを、これは氷山の一角であることを教えてくれる本

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著者プロフィール

フリーペーパー『VOICES MAGAZINE』編集長。10 代の終わり、レディスチームのリーダーとして取材を受けたことをきっかけに、エッセイの執筆、ビデオ・レポーターなどの活動を開始。2006 年、フリーペーパー『VOICESマガジン』を創刊。家族・傷・友人関係などをテーマに、10 代へ向けた記事と肉声を編み、街で配布。これまで少女たちを中心に
3000 人以上から話を聞きとり、その声を伝えつづけてきた。2009 年、NPO法人bond-PROJECTを設立。女性向けネットカフェ「MELT」を拠点に、活動をさらに広げている。

「2010年 『漂流少女 夜の街に居場所を求めて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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