- Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
- / ISBN・EAN: 9784812496015
作品紹介・あらすじ
高校二年生の愛梨は、バイトの帰りに何者かに拉致される。目覚めると、周囲には円を描くように同じ高校の制服を着た男女が座っていた。そして、首には何の目的か分からない首輪がはめられていた。不可解な状況に戸惑う愛梨たち。すると壁に掛けられたモニターが光り、「人狼ゲーム」と表示され、『皆さんにはこれから人狼ゲームをプレイしていただきます。拒否権はありません。これは、特別な方々を楽しませるためのショーです。この場で起きるすべての出来は撮影され、中継されています』と告げられる。「人狼ゲーム」とは、プレイヤーが村人と狼に分かれ、それぞれがある種の条件の下にお互いを当てるというもの。しかし、このゲームでの"負け"は"死"を意味していた…。何故、彼ら彼女らはここに集められたのか?そして、生き残るのは誰か…生死を賭けたゲームが、いま始まる-。
感想・レビュー・書評
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映画やドラマ、そしてソーシャルゲームでも話題となった『人狼ゲーム』
解説を読むと、その原点たるゲームは『Mafia』という名で1930年代にヨーロッパ東欧で流行り、後にアメリカで『汝は人狼なりや』。そして2013年に日本で『人狼ゲーム』として波及したと、ほぉ〜、知らなかった。
本作『人狼ゲーム』は、高校生が廃墟と化した施設に誘拐され、正体不明の者たちによって強制的に殺人を行わされるといった内容。度々、映画化やドラマ化されているので、私は何本か観たことはありますが、原作小説を読むのは今回が初めてです。
ライトノベルではないですが所々に挿絵があったり、登場人物の状況が章ごとに現れるので、比較的に読みやすく、1日で読み終わりました。
人狼ゲームの人気度と認知度を考えれば、面白さは言わずもがなですよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
拉致された10人の高校生が、リアル人狼ゲームで生き残りをかけ、頭脳戦を繰り広げる話。
映画が面白かったので小説も読んでみた。正直、ノベライズみたいな物を想像していてナメてたのだが、文章が上手く小説としても完成度が高い。
10人のキャラクターや背景、憎悪の円環関係など、構造も巧みで、それぞれの行動原理が理解しやすく腹落ちした。
人狼の正体や、なぜこの人がこんな行動に…、という理由も納得できるオチだった。その後シリーズ化されるほどの人気になるのもよく分かる。
伏線の回収、意外な行動の理由、人間心理として有り得る動機などなど、とても面白い小説だった。 -
今流行りの。実際にはやったことないけど。映画は見ていない。ラストでまさかあの人が…というのはあった。人狼に生かされていたという設定、なんとなくは納得できるが決め手には欠けるような気もする…。しかし話としてはあれが一番自然な流れなのかも。ストーリーは面白かった。
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殺人人狼ゲームの本は怖すぎる。
最後のどんでん返しというか、終わらない恐怖はより怖さを助長させる内容でした。
ってか、「ゲームの主催者は誰なんだー!」という疑問。笑 -
最近本を読んでなかったのでサクサク読めそうな内容のものとしてチョイス。
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高校生が拉致され、集められて監視の元人狼ゲームを行なわされることとなる。ルール違反、人狼に殺された者、投票で吊られた者は現実でも即座に殺される。
バトルロワイヤルと構造は同じ、対人のゲーム上の心理戦に「現実世界で誰かが誰かを恨んでいる構図で集められたメンバー」という要素が加わってるあたりが生々しさがある。主人公が極限状態で推理の力をどんどん発揮する様子も作者がやりたかったテーマだと思う。
キャラクターの設定が若干甘いかな -
「人狼ゲーム」をしたことがない人もいるだろう。
「人狼ゲーム」とは何か。
真実はどこにあるのか。狼はいったい誰なのか。
互いに探りあい、騙しあってそれぞれの勝利をめざす心理ゲームである。
ゲーム開始直後は情報がほとんどない。
ではいったい何をもって処刑される人間が決まるのか。
狼によるミスリードもあれば、自ら墓穴を掘っていく人間もいる。
妙に目立つ、あるいは存在を消そうとする、論理的に考えているふりをする。
どれもが処刑の理由になりうる。
結局、誰でも最初に処刑される可能性があることになる。
単なる娯楽として楽しむにはなかなか面白いゲームだと思う。
駆け引きも重要な戦略だし、相手側との心理戦は緊張感がある。
だが…自分の命がかかっているとしたら。
楽しむ余裕なんてあるわけがない。
ゲームに参加しなければ、それもまた死を意味する。
生き残る可能性に賭け、参加するしかない。
「怖いな」と思ったのは、命が掛かっているゲームの設定ではない。
どんな状況にもやがては慣れていってしまう、人間がもつ本質的なものだ。
感情を捨てなければ自分の心が壊れていってしまう。
だから防衛本能が働き、過酷な状況にもやがては慣れていく。
一日ごとに増えていく犠牲者。
他人の命を奪うために汚れていく自分自身の手。
死なないためには戦うしかない。
誰も自分を守ってなどくれないのだから…。
映画化されたものは主人公・愛梨の設定が少し変えられていた。
それでもほとんどは原作から大きく外れる内容ではなかった。
期待していなかったせいか、けっこう楽しく観ることができた。
この手の物語は、どうしてもより刺激的な方へと描写が傾きがちだ。
ありきたりの切り口ではなく、もっと違うアプローチだったらもう少し深い内容になったのではないかと残念な感じもした。
読みやすい若年層向けのこのジャンルにも、近いうちに読み応えのある物語が現れるような…そんな気がしている。 -
登場人物が多くて、途中で誰がどうなのか分からなくなった。
確かに村人が勝利するために理性的に行動するか、自分の恨みを晴らすために衝動的に行動するかは興味深い。
文隆の恨みの小さいことが笑ってしまった。
最初に死んだ人たちの恨みも知りたかった。
漫画版も読んだが、所々はしょられてたり、追加されていたりするきがする。
ここまで命懸けなのは遠慮したいが、人狼をやりたくなってきた。
個人的には、人狼の戦略が恐ろしい。あんな奴が隣人は嫌だ。
最後の結末が衝撃的。確かに、人狼役は人狼のプロフェッショナルだった。
読み終わるのに一時間もいらないライト感はオススメ。
ただ、人狼のルールを知るのには使えない。
素直にパソコンで調べた方が早いし分かりやすい。