アフリカ文化探検: 半世紀の歴史から未来へ

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  • 京都大学学術出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (754ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784814001125

作品紹介・あらすじ

1960 年代以降,日本は,アフリカを舞台にした霊長類学と生態人類学において特異な業績を挙げ注目された。その最初期,未だ戦後復興期の日本から,アフリカの最も奥地カラハリ砂漠の真ん中に赴いたのが, 田中二郎である。太古以来の狩猟採集生活を送るブッシュマンに密着し,実は植物に強く依存するその生活の実態を明らかにし,子育てや労働と遊びなど,新しい狩猟採集像を示し世界を驚かせた。一方で,遊牧民, 農耕民,霊長類研究へと,アフリカ研究の拡大を組織し,国家による近代化政策の中で急速に変貌する伝統社会の問題を鋭くレポートしてきた。
 その半世紀におよぶ成果を,400 枚以上のカラー写真とユーモア溢れる文章で纏め上げたのが本書である。 社会変貌の中で,今は全く見られなくなった狩りや物質文化,伝統社会と近代のせめぎ合い,道も無いブッシュでのサバイバル・ドライブの技術等々,多くのコラムも配置し貴重なデータを提供する。

◉推薦 山極壽一氏(京都大学総長)
 日本のフィールド科学が世界に評価されるようになったのは,半世紀におよぶアフリカ研究があったからに他なりません。そして,その研究をリードしてきたのが,霊長類学と文化人類学を修め,生態人類学という学問を切り拓いた田中二郎さんです。国際学会の生涯功労賞に輝きながら誰もが「先生」とは呼ばない,二郎さんの人柄と活力が,ブッシュマン調査から始まったアフリカ研究をどう広げていったのか。本書では,ユーモアに溢れしかも学術性に富んだ文章と多くのカラー写真で,その経緯がつぶさに語られます。
 この間,アフリカは,いわゆるグローバル化の波をいち早く受け大きく変容もしました。だからこそ,今日世界に広がった混迷を解決する道も,アフリカから学べるのではないか,といま私は考えています。本書が,専門分野や職業の違いを超えて,未来を真剣に考える多くの人々の指針になると信じています。

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  • 東2法経図・開架 382.4A/Ta84a//K

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著者プロフィール

1941年京都生まれ。京都大学理学部卒業。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。理学博士。京都大学霊長類研究所助教授、弘前大学人文学部教授、京都大学アフリカ地域研究センター、アジア・アフリカ地域研究研究科教授を歴任。京都大学名誉教授。
専門は人類学、アフリカ地域研究。狩猟採集民ブッシュマン、ムブティ・ピグミー、遊牧民レンディーレ、ポコットなどを対象とした生態人類学的研究をおこなってきた。
主な著書に『ブッシュマン、永遠に。——変容を迫られるアフリカの狩猟採集民』(昭和堂、2008年)、『アフリカ文化探検——半世紀の歴史から未来へ』(京都大学学術出版会、2017年)などがある。

「2020年 『ブッシュマンの民話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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