捨てられる日本 世界3大投資家が見通す戦慄の未来 (SB新書 606)
- SBクリエイティブ (2023年2月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784815615109
作品紹介・あらすじ
世界3大投資家が見通す戦慄の未来
恐怖のシナリオが始まった!
・捨てられる日本円
・史上最大の下げ相場
・未曽有のインフレ
今、海外投資家たちは、徐々にこの国を見捨て、「円売り」の動きが加速しつつある。 「円買い」の好材料となるものは、残念ながら存在しない。「一流国」から「二流国」へ転落したかのように思われる日本に待ち受ける「新たな危機」とは? 予測不能時代を生き抜くための戦略的ロードマップ!
感想・レビュー・書評
-
2023年2月発行。
日本が世界から捨てられないために、今の日本の現状とこれからすべきことなどが書かれている。
アベノミクスの傷跡やウクライナの戦争、円安等が取り上げられ、中国、韓国、シンガポールを見本の例に挙げているところが、若干の古さを感じたが、それは自分の読んだ時期の遅さなので仕方ない。
状況はわかったが、きっと変わらず捨てられるような気がした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まあ、いつものジム・ロジャース論であるが、とてもわかりやすく適切である。
-
ジョージソロスやウォーレンバフェットと並ぶ有名な投資家だとは知っていましたが、ジムロジャースの本を読むのは私の記憶にある限りでは初めてだと思います。タイトルが衝撃的なので本屋さんで目に留まりましたが、彼は日本が好きであってこのままの状態で衰退していくのを見ているのを何とかしたいという思いで書いたのが背景のようです。
もうお亡くなりになりましたが、堺屋太一氏が平成の初期に「平成30年」という本を出版しました、確か上官の副タイトルが「何もしなかった日本」でした。平成は奇しくも30年で終わってしまいましたが、令和5年となった今も、平成の状態が続いているのかもしれません。特にこの3年間にわたって騒いでいた「コロナ」への対応をめぐって、特に直近の1年半程度の対応が欧米と比較して気になりました。
今年3月中旬には「マスクは自主判断」さらにはGW 明けには「コロナが一般のインフルエンザと同じ種類」になるにもかかわらず、皆の意識はどれほど切り替わるのかが心配です。この3年間で慣れてしまった、マスク・在宅・電話会議ですます勤務体制のままで大丈夫だろうかと気になってしまいます。この本には今後の日本政府に頼ることができないので、どうすべきかということが書かれています。
現時点で65歳以上の人は大丈夫だそうです、昨日59歳の誕生日を迎えた私はどれほど影響を受けるかわかりませんが、お金を有効に使うこと、今ある仕事を精一杯やる当たり前のことを着実にこなしていくべきだと、この本を読んで考えました。
以下は気になったポイントです。
・もし市場参加者が日本の金利市場を支配したら、金利は急上昇し円は一気に売られるはず、この時日本の市場は崩壊するが、これで一旦リセットされてゼロからスタートできるだろう。対応が遅れれば遅れるほど後始末は大変になる、いずれは国際収支と為替相場を安定させるために、為替管理やあらゆる規制が導入されるだろう。歴史上、スペイン、ポルトガル、イタリア、オランダといったかつての派遣国も同じ道のりを経て力を失っていった。(p29)
・高品質、低価格に加えて「革新性」も武器にしなければ世界で勝つのは難しい(p40)
・日本は主に2つの保護策を取ることで自国の農業を守っている、1)輸入食料に高い関税を課す、2)所得補償なとといった経済的支援を税金で行う(p45)
・少子化という課題を解決したいなら、日本人女性が子育てしやすい環境を整備する一方で、移民を積極的に受け入れるべく、現在の移民・外国人雇用・ビザ・貿易規制に関わる全ての法律を撤廃すべき(p54)
・ビルマ(ミャンマー)はイギリスから独立を果たしてから、アジアで最も裕福な次回もあったが、今の日本と同様、外国人に融和的でなかったので50年後にはアジアで最も貧しい国になった、ガーナも裕福な国だったが、外国人を拒んでからは衰退した(p55)
・中国は4回も世界の覇権を握った、1)2200年以上前、秦の始皇帝が中国を支配した時、2)1000年代、宗の銅の生産量は19世紀後半から20世紀初頭に世界一だったイギリスの生産量を凌駕していた、3)フビライハンが率いた元の時代、4)1400年代の明の時代(p74)
・アメリカが現在中国に対して行なっている封じ込め策は失敗するだろう、オランダも造船技術をイギリスに対して封じ込めしようとしたが失敗、イギリスは精密機械のマニュアルをアメリカに渡すのを拒んだがうまくいかなかった、日本はこの試みに加わらない方が良い(p86)
・現在はフィアットエコノミー(法定通貨により形成される経済圏)であるが、クリプトエコノミー(仮想通貨などの暗号資産によって形成される経済圏)への人口移動が加速している、クリプトは印刷費がかからず、誰が何のためにお金を使っているか把握することができる点が、これまでの法定通貨にはないメリットである(p109)
・今の日本に必要なのは、オリンピックや万博のような一時しのぎの取り組みを推進することでなく、紙幣を大量に刷って円の価値を下げることでもない、競争力のあるビジネスを育てることである(p125)
。アメリカで女性に対する扱いが変わり始めたのは、実に40年以上までのこと、長い時間をかけて現在のような環境が作られたことを鑑みると日本が追いつくにはまだまだ時間がかかるだろう(p134)
・今後も日本で働くことを考えているのなら「自分にとって一番向いている職業」な何かを真剣に考えてその仕事をすること(p134)オンとオフの双方の境目を意識しなくてもできる仕事こそ、あなたの適職である(p135)
・あなたがもし65歳なら、残りの人生を終えるまでの間は日本政府がしっかり面倒を見てくれるだろう、しかしけして政府の言いなりにならず、あなたが好きなことをすべきである(p139)
・日本にチャンスがある産業として、1)観光業、2)農業、3)教育(外国人留学生)がある(p174)
2023年3月30日読了
2023年4月1日作成 -
世界にも国内政治家、投資家にも捨てられた日本。
観光、農業、教育という非資源でどう勝ち抜くか。
40代は保身10代は世界に目を向けて欲しい。 -
日本の現状と未来について
外からの目線でのアドバイス。
普段思ってることが多かったけど
新鮮な目線の発見もかあったかな。 -
自分もちゃんと考えなきゃいけないと感じた。
-
まぁまぁ
-
<目次>
はじめに
第1章世界から捨てられる日本
第2章二流国に転落した日本
第3章日本政府がもう、頼りにできない
第4章国を頼れない時代の人生戦略
第5章日本が捨てられない国になるロードマップ
ざっくり外からマクロ的に見れば、そうなるのかなあ。
問:とは言え、”エコノミック・アニマル”と言われた
日本人はどこへ?
解:おじいさんになって、引退した -
過去に読んだ事柄ばかりが記載されてます。
-
まず著者は中国が世界の覇権国の座を米国から奪うかもしれないとして、そのタイミングは遠くない将来に発生する、著者人生最大のベア相場が起こったときだという。それを恐れる米国は今、半導体市場などで中国に圧力をかけ続けている。しかし歴史的にオランダは当時新興国だったイギリスに対し造船技術を封じ込めたが効果無く、同様にイギリスは急速に台頭してきたアメリカに精密機械のマニュアルを渡すのを禁じて封じ込めを図ったりしたが、いずれも覇権国は交代を余儀なくされた。だから日本は米国に同調して対中国封じ込め製作に積極的に同調していれば、もし覇権国が変わった場合に致命的な損害を被るだろう。著者も米国からの同調要求に、日本は無視を決め込むべきだと主張する。
しかし、現実では対米追従第一主義の日本政府はそのような高度な政治的駆引きを出来るはずもなく、ただただ尻尾を振り続けるだろう。対してG7でもフランスはその辺り良く判っているようで、中国に対し独自路線を貫いているようだ。
何よりも重要なことは不要な戦争に巻き込まれないこと。仮に東支那海で紛争が起こっても自衛隊が参戦して良いことなど1ミリもない。都合の良いことに日本には米国が制定した憲法により国際紛争を解決する手段としての戦争を禁じられている。まぁ今の政権にこれを主張できる政治家は居るのか?吉田茂レベルの政治家が現れれば良いが望み薄だ。
更に著者はアベノミクスにも言及している。こうした通過切り下げ政策が、中長期的に一国の経済を回復させたことは歴史上一度も無いとのことである。