発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815618230

作品紹介・あらすじ

発達障害の兆候はあっても診断がおりないグレーゾーン。グレーゾーンは障害未満でありながら、ときに障害を抱えた人よりも深刻な困難に陥りやすい。

グレーゾーンはどうして生きづらいのか。本書では、生きづらさを生み出す原因の正体を解き明かすとともに、それを乗り越えるための、最新アプローチを紹介する。

グレーゾーンの人に多い、トラウマ、複雑性PTSD、基本的安心感や自己肯定感の低下、二分法的思考(両極思考)、解離、回避、対人不信など二次障害の問題を自覚し、乗り越えることが、発達特性そのものを変えることよりも重要であり、効果的である。
そこで、トラウマ、解離、回避、うつ、不安、強迫、両極思考など、生きづらさを助長する反応パターンを変えていくための具体的なトレーニング法やアプローチを紹介。最前線で活用されるカウンセリングやメンタル・トレーニングの技法から選りすぐった、こころを元気にし、トラウマやストレスに打ち勝てるように鍛え上げる方法を解説していく。

発達障害やグレーゾーンの人はもちろん、生きづらさを感じている人なら、誰にでも役立つ「心のストレッチと筋トレ」のやり方を具体的に学べる一冊である。

感想・レビュー・書評

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  • 発達障害グレーゾーン。いろいろなことが明らかになってきた現在、誰もが何かしら「脳の特性」を持っている。そう思わざる得ません。
    本書ではADHDやASD、LDなど、8つのタイプに分けて対処法が示されています。筆者の膨大な臨床から導きだされる知恵は、極めて科学的だし貴重なエビデンスだと思います。
    現在では数々の治療法やトレーニングプログラムがあります。本書でもそうした具体的なスキルがたくさん紹介されています。
    私の場合、調子に乗りすぎないことでしょうか。調子のよいときほど大きな賭けに出ず、逆のときは静かにまつ。ADHD的な特性がわかる気がする私です(^-^;
    後は「反芻的思考」の話がよかったです。自分を否定的な気持ちにさせるのは他者からの言動です。そこで「本当にそこまでダメ人間なのか」「私ってそんなに価値がない?」「誰がそんなバカげたことを言ってるんだ」と自分に問いかけるというものです。「そんな思いに支配されるのは、ごめんだ。」と過去と訣別し続けることで支配から自由になると言います。
    さらに、偏食の人は何かしら執着やこだわりが強いことが多く、偏食がおさまり食べられるものが増えるとともに執着やこだわりが軽減されるとあります。人間の奥深さを感じる内容が多々ありました。

    現在では小さい頃から適切な支援が得られれば、自分からいろいろなことに挑戦し自分の道を見つける(自立する)ことができる。
    逆に非難や否定された環境で育つとき、自分の道が見つからず混迷を極める。
    だからこそ、自分が何を求め、どう生きたいかを知ることが必要です。そうして「自分とつながる」生き方が大切と言うことが一番心に刺さったワードですし、本書のテーマだと思いました。

    たくさんの特性を持つ人々が生きる現代。
    自分の本心にしたがって生きたいものです。
    得意なところで勝負して、苦手は補う。
    それぞれが自分のトリセツを持った方がよいと思います。それが自分の人生を生きることにつながると思います。いつも自分とつながっていたいです。
    本書はそうした意味でたくさんの知見に満ちた優れて役に立つ内容でした。

  • グレーゾーンに見える人に向けて
    どうアドバイスをすべきなのかを知るために読む。
    当人がどう意識してるかがわからないと
    やはりどうしたらいいかわからないが、独断で診断せずに様子を見てこの本で読んだことを知らせていこうと思う。

  • 世の中に15%もいると言われるグレーゾーンの方の解説した前著から今度は生きにくさに対する対処本として書かれている。
    中には、グレーじゃなくても使えそうなテクニックも記録されている。ただ、そういったテクニックって習得するには手間と時間を要するので、本当に困っていないと実践しようとはならないかも。
    全体的には勉強になった。ケーススタディだけじゃなく、エビデンスレベルでどうなのかも知りたかった。

  • 前回の本よりより具体的な対処法が書かれていた。
    パターン別にこういうタイプの人はこう考えている。
    というのも勉強になった。
    自分にも何かしらのグレー部分もあると感じるし、少しでも楽に生きられるように人それぞれが考えながら暮らしていけたらと思った。

  • 今回もとても勉強になった。仕事だけではなく、自分自身の生き方にも参考になることばかりだった。抱えている問題があっても、絶望することはなくても大丈夫で、自分で自分のことを何とかできるのだという気持ちになれる。

  • 発達障害気質は白黒分けることはできず、グラデーション範囲が存在する。僕自身もなんらかの「グレーゾーン」を抱えている気がするので読んでみたい

    #発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン
    #岡田尊司
    23/6/6出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/43Mm3P9

  • 特徴ごとに具体的な生き方を記してある。
    自分に当てはまる特徴の部分を読むと自分が気にしてる、問題となっている点が書いてあってそれならこうした方がいいと優しく書いてある。
    専門用語はなく、人に寄り添うような優しい書き方をしてあって優しさであふれた本だなと思った。

  • 障害とは診断されないが生きづらさを感じているグレーゾーンの苦悩が理解できた。
    本音を曝け出せる安全基地の重要性と自分の得意を活かせる環境を探し出す事の重要性を再認識出来て良かった。

  • NDC369
    「ときには障害のある人以上に生きづらさを抱えやすいグレーゾーン。グレーゾーンの人がうまくいくためには、特性の理解とともに自分を生かせる「生き方」を身につけることがカギを握る。本書はグレーゾーンに多い睡眠や生活リズムの問題から、不安や回避、自己肯定感の低下、愛着障害やトラウマの克服まで、本来の自分とつながるための究極のアプローチを紹介する。グレーゾーンだけでなく、生きづらさを感じるすべての人に役立つ一冊。」

    目次
    はじめに グレーゾーンの生きづらさを乗り越える
    第1章 睡眠と生活リズムを整える
    第2章 楽しみと心地よいルーティンをもつ
    第3章 感じのいい人になる
    第4章 心を開き、安全基地を手に入れる
    第5章 自分を守れる人になる
    第6章 こだわりと白黒思考から自由になる
    第7章 不安やネガティブな感情に対処する
    第8章 人生をコントロールする
    第9章 自分自身とつながる
    第10章 すべての苦労が恵みとなって返ってくる

    著者等紹介
    岡田尊司[オカダタカシ]
    1960年、香川県生まれ。精神科医、作家。医学博士。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒。京都大学大学院医学研究科修了。長年、京都医療少年院に勤務した後、岡田クリニック開業。現在、岡田クリニック院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害治療の最前線に立ち、現代人の心の問題に向かい合っている

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著者プロフィール

岡田尊司(おかだ・たかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。医学博士。京都医療少年院勤務などを経て、2013年より岡田クリニック(大阪府枚方市)院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害、愛着障害を専門とし、治療とケアの最前線で現代人の心の問題に向き合う。著書『悲しみの子どもたち』(集英社新書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(いずれも光文社新書)、『愛着アプローチ』(角川選書)、『母という病』(ポプラ新書)、『母親を失うということ』(光文社)など多数。

「2022年 『病める母親とその子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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