犯罪心理学者は見た危ない子育て (SB新書 625)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815621629

作品紹介・あらすじ

心理学者サイモンズは、子育ては4つのタイプに分けられると言いました。

著者は法務省心理職として1万人を超える非行少年・犯罪者を見てきた結果、
サイモンズの言ったとおり、子育てには4つのタイプが存在すること、
いずれかのタイプに偏った家庭に犯罪者が育つことを確信しました。

その4タイプとは「過保護型」「高圧型」「甘やかし型」「無関心型」。
この4つの言葉を見て、「私の家庭は過保護でも高圧でもないし……」と思った親御さんへ。
実は……
親は誰でも知らず知らずのうちに
この4タイプのどれかに偏っていることがあるのです。

非行少年・犯罪者の育った家庭環境の事例とともに、
各タイプにありがちなこと、気をつけるべきことを伝えていきます。

偏っていない子育てはありません。
でも、少しでも真ん中に寄せる意識はできる。
その一歩として。やさしい子育て入門書です。

感想・レビュー・書評

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  • 本書を手に取った理由は、私自身が関わる子どもたちの中に気になる子どもがいるからです。
    何が気になるかと言うと親子関係です。
    それで何かヒントはないか、得られるものはないかと手に取りました。
    正直、ヒントが見つかったは判りませんが、読んで良かったと思えました。
    子育てをされている人、された人は考えたことのある事柄もあるかと思いますが、子どもとの関わりについて、とても解りやすく書かれていて納得いくものばかりでした。
    子どもの将来のために、これから子育てを経験される方、子育て中の方、子育て一段落の方、色んな方に手に取って欲しいと思いました。

    • workmaさん
      しまたにひろこさん
      こんにちは。

       レビューを読み、自分も親子関係に関わる仕事をしているので、ぜひ読んでみようと思いました。しまたにさんの...
      しまたにひろこさん
      こんにちは。

       レビューを読み、自分も親子関係に関わる仕事をしているので、ぜひ読んでみようと思いました。しまたにさんの本棚は学びが多いので、時々おじゃまさせていただきますm(_ _)m
      2023/12/06
    • しまにしひろこさん
      workmaさん
      お世話になります。

      私も時々お邪魔させて頂いています。
      様々な本が並んでいて、勉強、参考にしています。
      workmaさん
      お世話になります。

      私も時々お邪魔させて頂いています。
      様々な本が並んでいて、勉強、参考にしています。
      2023/12/06
  • 犯罪心理学×子育てというテーマが気になり読み始めた。
    少年鑑別所などで非行少年・犯罪者の心理分析をした筆者により、非行・犯罪の事例を子育ての学びに変えていく趣旨で執筆された本。

    事例と共に分かりやすく解説してあり、自分が育てられた環境と照らし合わせて今の自分は親のこういう養育態度が大きく影響しているんだな、と分かったし、今後の子どもとの関わり方に活かせる一冊。前作もあるようなので読んでみたい。

    また社会で関わる新人についても、核家族、共働きの時代になって親との関わりが変わってきているという環境の変化も踏まえて、配置や育成計画を考えなければならないと感じた。
    自己決定ができないとか打たれ弱いとか言われることが多いが、家庭環境を仮定できれば少しは適切な育成をしていくことができそう。そこまですることが果たして正しいのかは分からないが。

    ・親の養育態度の方向性を支配、服従、保護、拒否の4つに分類。支配×保護=過保護型、支配×拒否=高圧型、服従×保護=甘やかし型、服従×拒否=無関心型の4象限となり、どの親もいずれかに属している。

    ・非行少年は親に対して、厳しい、自分のことを気にしてくれない、気まぐれ、という点で不満を持っていることが多い。

    「厳しい」について、過保護型、高圧型がそれに当たる以外に、「適時性の問題」がある。そもそもの社会ルールを教えられていないのに、間違ったことをしでかしてから初めて叱られるために、子どもは厳しいと感じる。甘やかし型や無関心型に起こりやすい。つまり、どのタイプの親も「厳しい」親になりうる。

    ・子育てが偏るのは人間が思い込みが激しい生き物だから。確証バイアス、正常性バイアス、透明性の錯覚、行為者-観察者バイアス。

    透明性の錯覚は「言わなくてもわかってくれる」と思い込むこと。子どもがこのバイアスに囚われないためには、何もかも汲み取ってあげるのではなく、「どうしたの?」と聞いてどうして欲しいという気持ちを言葉にさせる。

    ・自己決定が学歴や所得以上に幸福感に影響するという調査がある。
    ヘリコプターペアレント:ヘリコプターが空中で静止しホバリングしていふかのように、子を見守り手助けをする
    カーリングペアレント:常に先回りをして障害を取り除こうとする

    ・小学生を集めて実験を行った際、成功するかは五分五分、と感じるものへの挑戦が一番人気があったため、期待×価値のかけ算でやる気が高まると理論づけたアトキンソンの理論に基づき、その子にあったやる気の出る目標設定ができるとよい。

    ・失敗をどう捉えるかは、セルフエスティーム=自己肯定感や自尊心、に大きく関わっている。セルフエスティームが高ければ、困難にぶつかった時も、自分なら乗り越えられる、と思えるし、失敗しても、この経験が自分に役立つ、と捉えることができる。

    ・犯罪素人が特殊詐欺などの犯罪に巻き込まれないようにするためには、無知でいてはいけない。ニュースを知る機会を作ることが大事なので、家族でニュースを見て対策について一緒に考える時間などを作るのが理想。

  • 心理学を用いて、子育ての特徴について述べている本である。
    無関心型の子育てほど、当事者の子どもにとってかわいそうなことはない、と思った。
    インナーチャイルドなどの親から受けた影響が、成人以降も思いもよらす引き起こすというのが、現代では当たり前のように論じられているのだとも思った。
    心理学の発展を通じて自分が学ぶことで、自分の両親との関係や今後の家族関係がより良くなるよう、精進していく。

  • 未成年者犯罪で親の子育て的な情報が垣間見えることがある。子育ては4つのタイプがあり、偏ることが危ないとの主張。確かに!、と思う面もあるので読んでみたい

    #犯罪心理学者は見た危ない子育て
    #出口保行
    23/8/5出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3DIC0L5

  • そもそも子どものためなのかということをもう一度振り返ってみて考えないといけない。親が子どもの学びを阻害していては、将来困るのは子ども自身だし、そのフィードバックとして親にも跳ね返ってくるんだ。夫婦と親子のコミュニケーションは大切。

  • 非行少年と関わる経験が豊富な筆者だからこそ書ける犯罪心理学からの子育て論、多くの気づきを得ることができた。教員を20年以上続けていて、なんとなく経験則でわかっていたことの確認ができ、あの時こう接していたらという後悔も覚え、今後の教員生活に活かせそうなものばかりであった。付箋をつけたところを繰り返し読んでいきたい。

  • 犯罪心理学者がなぜ子育て?と思いました。
    しかし、子育てのヒントにあふれていて非常に興味深く面白かったです。
    子育ては未来に対する投資、未来の社会に対する貢献であること。子供のよりよい将来のために書き下ろしているのがよくわかります。

    どの家庭でも必ず4つのタイプで子育てされている。
    私自身がどこに当てはまるのかと明確だったので、つい引き込まれてしまいました。

    とても読みやすく、多くの子育てをしている方に読んでいただきたいのはもちろん、自分がこのような傾向にあるのはこのような育てられ方をしたからだったのか…とスッキリもできる一冊です。

  • 過保護型、甘やかし型にかなり思い当たる節があるなー。
    高圧型もゆるくやりがちな気が…
    本から学んだことを_φ(・_・

    ・結果がどうであれ、チャレンジする姿勢を褒めるようにする
    ・小学校低学年では、社会的なルールを理論的にちゃんと伝える
    ・傾聴する、否定しない
    ・きちんと話し合いをする、そういった習慣をつける
    ・良くも悪くもフィードバックを受け、今後の教育に反映させる

    今積読になってる7つの習慣は役に立ちそう。
    ちゃんと読もう!

  • 親になり、日々悩んだり迷ったりしながら子育てをしている。自分自身駄目なところがたくさんあるって自覚もあるのに、果たしてそのダメダメな私が偉そうに子育てできる?でもそれでも自分の子どもには幸せになって欲しい。

    人の振り見て我が振り直せ。

    この本には、子どもを一人の意思のある人間として接していくことの大切さが書いてあるように思いました。
    子どもとたくさん話し合い、SOSに気付ける親でありたい。

  • 子育てを4つのタイプに分類

    ・過保護型
    ・高圧型
    ・甘やかし型
    ・無関心型

    「普通の家庭」の子育てが行きすぎて「危ない子育て」になってしまう危険や注意点を、実際の非行・犯罪の事例をもとに解説する

    《送り迎え・宿題・声かけ・お手伝い・食生活・おこづかい・ゲーム etc.
     それ、過保護かも。》──帯のコピー

    1万人の犯罪者・非行少年の心理分析から見えてくる「子育ての失敗事例」を子育ての学びに変えていく

    著者は犯罪心理学者
    フジテレビ「全力! 脱力タイムズ」にレギュラー出演しているあの出口先生

    テレビのキャラとは異なって本書はいたってまじめな子育て本、2023年8月刊

    巻末に「子育て4タイプのチェックリスト」付き

    好評で9万部突破の前作『犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉』(2022年8月)では親の「言葉」に着目したのに対し、本書では「養育態度」に焦点をあてて語る

    両書とも一読、再読、三読の価値あり

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著者プロフィール

犯罪心理学者。1985年に東京学芸大学大学院教育学研究科発達心理学講座を修了し同年国家公務員上級心理職として法務省に入省。以後全国の少年鑑別所、刑務所、拘置所で犯罪者を心理分析する資質鑑別に従事。心理分析した犯罪者は1万人超。その他、法務省矯正局、(財)矯正協会附属中央研究所出向、法務省法務大臣官房秘書課国際室勤務等を経て、2007年法務省法務総合研究所研究部室長研究官を最後に退官し、東京未来大学こども心理学部教授に着任。2013年から同学部長を務める。

「2023年 『犯罪心理学者が見た危ない子育て』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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