三国志 (図解雑学)

著者 :
  • ナツメ社
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本棚登録 : 95
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784816329265

作品紹介・あらすじ

日本は、漢字の使用ひとつを取り上げてみても明らかなように、古来より中国の影響を色濃く受けてきました。中国を鑑として我が身を認識してきた民族だといってもいいでしょう。その縁の深い国、中国を知るための手段のひとつに古典を読むことがあります。その古典の中でも、古くから日本人に親しまれているのが「三国志」です。本書は、「三国志」に初めて触れる人から、かなりの知識を持っている人まで、幅広く満足してもらえるように、地図や相関図などを豊富に使いわかりやすく解説しました。登場人物の個性に注目して、生き生きと人間像を描いているので、楽しみながら理解できるはずです。

感想・レビュー・書評

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  •  ナツメ社の「図解雑学」シリーズは、呼んだことの無い人には単なるまとめ本のように思われているのではないでしょうか。実際、僕もそう思ってました。
     しかも、本書は三国志。普通は初心者向けのまとめ本と思っても全然不思議ではないと思います。

     しかし、読んでみてビックリ! 著者の渡邉先生の「名士」論に基づいた解説に、僕の目からは鱗がボロボロ落ちまくりで、正史に基づいた説明という以上に得るところ大でした。
     なるほど、高島俊男『三国志きらめく群像』で、とある武将を召し抱えるのはその個人を得られるという以上に、その名士一族が自分の味方につくというのが君主には大きかった、と説明されていたのはこういうことを言ってたのか!と納得。

     そして、この本を読んで初めて、曹操が荀彧を自害に追い込んだのか、その理由を理解することができました。
     従来の解釈だと、曹操が漢王朝をどんどんないがしろにしていくのに対し、漢王朝に忠義の心を持っていた荀彧がついていけなくなった、というようなわかったようなわからないような説明で、釈然としないものを感じていました。しかし、曹操が名士(豪族集団)という中間層を解体して君主の一元的支配体制を目指したのに対し、従来の名士を代表する荀彧との間で対立するという構造、すなわち国家体制を巡る君主と重臣間での方向性の違いだと考えると納得できました。

    「今更『図解雑学』で三国志を読まなくても…」と思っている人にこそ読んで欲しい一冊です。

  • 能田達規さん著、渡邉義浩さん監修の『コミック版三国志』全5冊を読んで、その復習もかねて、読んでみました。

    渡邉先生は出版当時は大東文化大学教授でしたが、現在は早稲田大学の教授だそうです。

    NHK大河ドラマを見た後ガイドブックを見るみたいな感じ。
    漫画ではよくわからなかったことが頭の中で整理されてスッキリしました。

    左の頁に文章、右は図解してあって、とてもよくわかりました。
    読み仮名が頻繁についていて、親切。

  • 三国志の登場する文官を名士(インテリな豪族)と定義し、名士と君主そこに起こる国の興亡が記されています。

    そんな中で、忠義と自己の権益に無欲な
    周瑜、孔明、劉禅の評価は高くなりました!

    本書にそこまでの記述はありませんが、孔明と劉禅こそ【水魚の交わり】ではないかと思います。

    逆にみの保身や一族の繁栄を狙う張昭、司馬懿以下の司馬氏一族とその取り巻きの人達は評価は低くなりました。

    まぁ、兄弟の手を携えない曹丕が悪いんたけどね!

    最後に武将についての記述は少ないので、趙雲や張遼が好きな人には、物足りないかも!

  • (チラ見!)

  • 初心者向けの三国志本。
    ただ、ざっとゲームや漫画や小説等で三国志に触れたことがある人向けでした。
    それなりに知っている人は結構読みごたえがあると思います。

  • 三国志を豪傑の話って言ったやつ出てこいよ!
    英雄とか豪傑とかそういう話じゃねえからこれ!
    三国志は名士の話なんですけど!

    ということで、名士を主軸に置いたざっくり正史。
    最初はちと大げさな、なんて思うも、名士と兵士(下っ端って意味じゃなく軍人的な)はそもそも社会的身分がちがう、って話を読んでなるほどなーと考え直す。

    ゲームやなんかだと名士だろうが兵士だろうが武将として一括りに考えがちだけど、ホワイトカラーとブルーカラー、しかもイギリスレベルの、と考えてみればわりと納得のいく話じゃないかな。


  • 三国志の人物や歴史、全体をつかみたい方にお薦め



    吉川栄治の三国志を読もう読もうと今に至る・・・

  • 三国志演技が一通り頭に入っている方にとっては興味深い1冊だと思います。
    新しい認識が出来て、三国志がより深く理解できるでしょう。

    ただし、三国志初心者には面白みにかけると思いますね。

  • 三国志検定の為に買った本。

    演義、正史のいずれかを読んでいれば理解はしやすい。図も簡潔で良い。


    名士にスポットあてていく史観がこの本の最大の醍醐味である。

    三国志がわかる人間には、むしろ次代の南北朝時代を理解するのに役立つような気がする。

  • 中身で唯一覚えているのは、劉備が死ぬ時、諸葛亮に蜀を継いでくれと言ったのは、諸葛亮がその場でそれを拒否し、劉禅を輔佐すると誓うだろうと見越しての行動であったと著者が主張していたことです。どうなんでしょうね。演義ならば、それまでずっと劉備は仁に厚い人物と描かれてきたのに、死ぬ間際になってそんな狡猾なことを企むのは不自然な気がします。そういえばTVゲームの話ですが、劉備が死んだ時に諸葛亮を君主にしたら関羽とかが反乱を起こして国がめちゃくちゃになったことがあります(笑)それとこの表紙、中国のドラマの俳優たちと似てる気がするんだけど、そうなのかな?

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著者プロフィール

早稲田大学教授

「2018年 『中国時代劇で学ぶ中国の歴史 2019年版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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