永田町中国代理人

著者 :
  • 産経新聞出版
3.17
  • (1)
  • (5)
  • (2)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 76
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784819114103

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • タイトルが気になったので読了。
    元政治家である著者が政治活動の最中、中国に利するような決定、もしくは不利になるような決定を避けるような出来事が起きたことについて描かれている。途中、私はこれだけ議会で追求してきたといった感じになるが、もう少し深く、何故決定がされないのか、決定が骨抜きにされるのか、決定を良しとしない人たちの背景には一体何があるのかを追求して欲しかった。

    確かに中国を利するもしくは、害をなさないような決定がなされているが、単純に多くの政治家がどこか性善説で中国を見てしまっていること、メディア・国民ともにどこか性善説で認識しているがゆえに、そういった層の意見をそのまま反映しているような気もする。単純に中国という国を向こうの政府が言っていることだけではなく、どういうアクションを取っているか(ただディスるだけではなく)を国民が把握できるようなチャンネルが必要な気がする。

    P.29(要約)
    2020年3月、公益社団法人経済同友会(経済同友会2019年度中国委員会作成)が発行した『日本は中国から何を学び、どのように向き合うべきか』という報告書がある。
    ・中国は日本にとって最大の貿易国であり、なくてはならないパートナーであるとし、日中関係に影響を及ぼす大きな要因の一つに米中関係の動向を挙げている。
    ・一帯一路をめぐって債務の罠問題など、批判も多いが、2019年6月のG20大阪サミットにおいて承認されたことからも、今後はよい方向に進むことが期待され、中国は周辺諸国との発展の重要性を強く意識している。

    P.159
    今や他国のワクチンに頼る日本ですが、1980年代まではワクチン先進国でした。水疱瘡、日本農園、百日ぜきなどのワクチンを世界に先駆けて開発し、米国などに技術供与していたほどです。日本がなぜワクチン先進国とまで言われた時代からワクチン後進国となってしまったのか(中略)、大きな原因の一つが訴訟です。1970年頃から、天然痘ワクチンやはしか、風疹、おたふくかぜなどの予防接種や、子宮頸がんわくちんでの健康被害が社会問題かし、国が相次いで起訴されたのです。
    そして1992年の東京高裁でのワクチン訴訟で、国の全面敗訴となったことをきっかけに、94年には予防接種法が改定されました。それによって接種は「努力義務」となり、副反応を恐る保護者の判断などでは接種率は一気に下がりました。その結果政府は、創薬・新薬としてのワクチン開発よりも、投資金額が少なく、ある程度需要が安定した予防接種用のワクチンの製造だけを担うようになった。(中略)日本の製薬会社はワクチン開発から身を引き始めたのです。

  • 中国共産党が中華思想に則っていかに覇権を握るか。「経済人 政治家 官僚 学術会議」に対して「金(飴)とハニートラップ(ムチ)」の罠で有無を言わせない。元衆議院議員ならばこその情報をもとに闇を明らかにしている。

  • 日本の国益を損ね、中国に利するようにとしか思えない事が多すぎる。なぜ自国を守ろうとする動きは、こんなにも制約されるのだろう。 著者が実効支配している証を積み上げるために何度か尖閣諸島周辺海域で漁業活動を実施しているのは知っていたが、死をも覚悟した行動だと。奥様も「捕まるようなことがあったら、恥さらしは絶対にやめてね。本当にヤバかったら捕まる前に自害して」と言って送り出した。 もうすぐ参議院選があるけれど、しっかりと候補者の考えや行動を知り投票しなくてはと思った。

  • 2022年47冊目。268ページ、累計13,406ページ。満足度★★★★☆

    自民党衆議院議員だった著者が、日本の社会・政治・企業の奥深くに浸透している「中国」の実態について、様々な具体事例に基づいて解説している。

    ある程度知っていることは多いが、体系的に書物という形で世の中に出たことの意義は大きいだろう。

  • 主に永田町と中国の関係性について解説された、政治家の長尾たかしさんによる著書。現在ロシア・ウクライナ戦争の真っただ中、中国の動きが気になるところだが、本書には中国に対し「これから日本がやるべきこと」が詰まっている。日本のコロナ対策・尖閣諸島問題・海外情報流出問題・ウイグル問題において、日本の中国へどれだけ忖度していたかが語られる。国会質疑の議事録や、長尾さんが実際に体験されたことも詳細に記載されているのもリアル。メディアで放送されない、日本の政治の裏側が語られたノンフィクション小説としても読めます。

全6件中 1 - 6件を表示

長尾たかしの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
門田隆将
門田 隆将
百田尚樹
百田 尚樹
百田尚樹
アンデシュ・ハン...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×