実践型レファレンス・サービス入門 (JLA図書館実践シリーズ 1)
- 日本図書館協会 (2004年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
- / ISBN・EAN: 9784820404132
感想・レビュー・書評
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近畿大学図書館司書<情報サービス論>
を理解する為に借りた。わかりやすい、実践型だからかイメージがわきやすい。テキストを読んで「わかったつもり」になっていた(自分の言葉で説明できないあたり分かっていなかった)ことを、この本を読みながら解きほぐして自分のものに出来たような気がする。
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目次
1部 資料提供としてのレファレンス・サービス
一章 公立図書館のレファレンス・サービスを考える
・レファレンス・サービスの立場
・車の両輪論
・レファレンス・サービスの構造
・レファレンス・スキルはまず「経験」から
・レファレンスは技能なのだ、だから・・
2章 利用者とレファレンス・サービス
・利用者はレファレンス・サービスを使っているか?
・利用者自身によるセルフ・レファレンス
・セルフ・レファレンスに対応する
・関節レファレンス
・フロアワーク・レファレンス
3章 レファレンス・サービスを分解して考える
・構成要素①ー利用者
・構成要素②ー質問事項
・構成要素③ー図書館資料
・構成要素④ー図書館員(司書)
・構成要素⑤ー回答(典拠資料の提供)
・専門技能が必要な4作用の連続性
・作用①ー質問内容についてのやりとり
・作用②ーレファレンス質問の分析
・作用③ー探索戦略の確立
・作用④ー探索の事項と回答の発見
4章 調査経験の蓄積と共有化
・なぜレファレンス記録が必要なのか
・レファレンスを記録(メモ)しよう
・レファレンス記録はメモからはじまる
・レファレンス記録からレファレンス・ツールへ
・喜ばれるレファレンス事例集とは?
・レファレンス事例集の司会的読み方
5章 研鑽としての三多摩レファレンス探検隊
・これが三多摩レファレンス探検隊
・レファレンスを探検する
・調査プロセス比較法で学ぶ
・会場持ち回り方式の利点
・アンケートに見るレファ探の効果
2部 事例で学ぶレファレンス・サービスの現場
・レファレンス事例50題(目次)
・レファレンス事例50第・追加情報
・資料を提供するための基本レッスン
【参考資料】
・現役の司書たちは、どんな参考図書を使っているかリスト
・「これも読んでね」参考文献
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メモ
・レファレンス・サービスは、力を入れている図書館のレファレンスの評価は高いものの、日本ではまだま浸透していない。この実態を館員は真摯に理解すること。
「何かあったら聞いてください」のスタンスではなく、「なんでも聞いていいんだ」と利用者が気づき利用できるようアピールが必要。
・自分が知りたい内容は、赤の他人(館員)に相談する前になるべく自分で探せるものなら探したいという気持ちが利用者には多い。(セルフ・レファレンス)
→利用者の調べやすい仕組み、探しやすい仕組みを作る、そして館員スタンバイが◎
・図書館員は何でも知っている人間でもなく、教え導く人間でもない。レファレンス・サービスでは、寄せられた質問(求められた情報)には、図書館資料を駆使して回答を探し出す専門家である。利用者の「?」にこたえるのは著者であって図書館員ではない。図書館員の役割は、それらの典拠資料を見つけ出し、調達して提示することである。利用者自身がその解答(と典拠資料)で満足であるかどうかが、レファレンス・サービスへの評価とつながる。
・レファレンスの時の相手の話を聞く姿勢、うなづき、インタビューの仕方など具体的な事例がのっていて◎「思い込みで調査をするのは禁物だ。十分にやりとりをし、思いを込めて調査しよう!」
・利用者と共に書架の前にたつことも利用教育になり大事。文献調査のプロセスも伝えていく。
・職員のレファ力のつけ方!レベルアップしたい!
→レファレンス事例集の「利用者からの質問」を見てシミュレーションしていく→事例集の調査プロセスと自分のシミュレーションを比較する 頭の体操が◎
→レファレンス事例集の「調査プロセス」にそって、解説されたツールで実際に調査してみる。知っているつもりでも使い切れていなかったり新たな発見があったりので、手習いは大事。自館にない資料も手にとってみる。自館に必要なツールもわかる。レファ本は巻末の資料や付録にも目を通そう。コンパクトに情報がまとめられており大変便利。
・資料は、分類や資料種別を越えた資料との出会いがもたらされるよう意識的に構成する(一般書、児童書、絵本、雑誌、新聞、いろいろ~)。写真や図もあると利用者によろこばれる。
・時間のレファレンスツールはよーくチェックしておこう!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前半はしっくりきませんでしたが、後半の「レファレンス事例50題」はよかったです。
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辞書の引き方の図書館版みたいなもの。「実践型」とうたっているだけあって要点がまとめてある。
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レファレンスについてを
難しい用語なしで知ることができる。
後半のレファレンス事例と
現役の司書が使っている参考図書のリストが便利 -
基本中の基本だけど、
つい取り落としがちなレファレンスの基本を
しっかり押さえて、実践して見せてくれる本。
レファレンスブックも大切だけど、
どこからとりかかるのか、どこから攻めるのか、
そこが大事。 -
豊富な事例で学べる実践型レファレンス入門
読了日:2006.05.29
分 類:図書館
ページ:162P
値 段:1800円
発行日:2004年7月発行
出版社:日本図書館協会
評 定:★★★+
●作品データ●
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テーマ:レファレンス・サービス
語り口:説明&メモ
ジャンル:図書館
対 象:一般~図書館関係者向け
雰囲気:丁寧
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---【100字紹介】---------------------
利用者の調べ物を、調査探索技術や現物調達能力を駆使して
手伝うのがレファレンス・サービス。
レファレンス・サービスとは?から始まって
実際の事例集&回答解説まで、
まるごと1冊レファレンス!
誰もに易しい入門書
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公共図書館のレファレンス・サービスを知るには格好の教科書です。図書館学の学生や、図書館員に限らず、一般にも広く「レファレンス・サービスを知ってもらいたい」というコンセプトで書かれているため、かなり平易で、しかも幅広くなっています。広く浅くというところでしょうか。
Ⅰ部はレファレンス・サービスを理論的というか、いかにも教科書的に説明。勉強にはなりますが、挫折してしまいそう。しかしここで諦めてはいけません。Ⅱ部は実際のレファレンスの事例集。これがもう、とっても面白いです。でもⅠ部をちゃんと読んで、基礎を踏まえたからこその面白さかも。いやだがしかし、図書館員としてはⅡ部の方が読みごたえがあると言いますか、堅焼きせんべいくらいの勢いと言いますか…。これをきっちり読み込むのは、なかなか大変!思わず自分で演習しながら読んじゃうようになったら、あなたも立派なレファレンサー?
菜の花は図書館でレファレンス担当の掛ですので、思いっきりこれは専門のはずですが、実際は大学図書館であるため、こういう質問は皆無。大学図書館では、こういう質問はないのです。だから直接役に立つ、というわけではないのですが、それでも基本形はまったく同じ。研鑽の仕方は少し違うかもしれませんが、それは瑣末なことで大きな流れとか形とか、あとは「こんな資料が世の中にはあるのか!」というところでは、大変勉強になった1冊でした。これを読む前と読んだ後では、明らかに、レファレンスの心構えとか、メモの取り方とか、話し方とか変わったと思います、ええ。
もしもあなたがレファレンスに関係する方だったら…、またはレファレンスって何?と興味をもたれたとしたら、是非この本を手にとってみましょう。きっとあなたのお役に立つはずです。
●菜の花の独断と偏見による評定●
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文章・描写 :★★★+
展開・結末 :★★★★
キャラクタ :★★★
独 自 性 :★★★★★
読 後 感 :★★★
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