絵でみる 失敗のしくみ (絵でみるシリーズ)
- 日本能率協会マネジメントセンター (2009年1月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784820745556
作品紹介・あらすじ
「あ、間違えた!」「あ、忘れた!」ミス発生の脳のメカニズムとは?ヒューマンエラー防止の秘策とは?完全イラスト図解。
感想・レビュー・書評
-
著者の芳賀繁は心理学の教授。豊富な失敗事例とユーモラスなイラストによる図解で、失敗が起こるメカニズムとその対処方法について解説されている。
「笑えない失敗」は防止し、「笑える失敗」は話のタネとして笑い飛ばすが、いずれにしても失敗から学ぶ姿勢が重要だと感じた。
本書中、私の関心に留まった事項を以下に記す。
1.失敗の起こるしくみ
●人間は、「自分の行動は状況に」、「他人の行動はその人の性格や能力といった個人特性に」、失敗の要因を解釈する。(「基本的帰属錯誤」)
例:自分は今日は疲れていたのでミスをした。彼は注意力が足りないからまたミスをした。
●人間は、持っている知識を「鋳型」にして外部からの信号を意識する。(「パターン・マッチング」)
●「注意のサーチライト」は、範囲を広げると光が弱くなり、一か所に強く当てると他が暗くなる。
●記憶の失敗の3要因(記銘、保持、想起)
●「認知的不協和」の解消のため、自分を騙す行動を無意識に取る。
2.失敗防止法
●「読み合わせ」でダブルチェック。
●知識(→意味記憶)と経験(→「エピソード記憶」)が判断を助ける。しかし、過信は禁物。
●「指さし呼称」、「復唱」、「確認会話」が有効詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
失敗の場面を情報の入力,判断,出力と 3 つに分けて,それぞれの項目で失敗の防ぎ方を分かりやすく説明.あらためて説明を聞くと,鉄道・航空の世界では失敗を防ぐ仕組みをよく考えられていることがわかる.また「行動に意味付けする」というのも,地味だが大事だと思った.仕事でも,行動だけが残っていることがあるが,その行動に意味がなくなったのか,意味はあるけど忘れられてしまったのかを,きちんと見分ける必要があると感じた.
-
イラストの内容がコミカルでわかりやすく、面白かった。
-
ミスを憎んで人を憎まず。
個人に原因を帰属させるのではなく、どういうエラーが起きたのかを腑分けして考えよう。 -
よくある失敗例とその対策が上手く書かれていると思う。
心理学の教授らしく心理メカニズムから見た話はためになる。
ただ、「絵で見る」と謳ってるけどイラストあってもなくてもどっちでもだったのでタイトルからすると期待外れ。 -
失敗経験が危機を救う。マニュアルを教えるときになぜこのようなマニュアルになったのかを伝えることが大切。最適化された手順のみのマニュアル化された方法しか知らないと、外部条件が変わったり機械が壊れたときに対応することができない。そのときに役に立つのが失敗経験である。なぜマニュアルのとおりにやることになったのかの「理解」があれば応用力がでてくる。そもそも今のやり方はこういう条件が前提になっているのだから、今の新しい条件ならばこういう条件がうまくいくはずだという考える力がでてくる。
-
失敗は必ず起きるものだ。
失敗しないシステムと失敗しても大丈夫なシステム
原因解明、また発生しないように
人を責めても失敗はなくならない -
仕事で失敗が続いたときに読んでみた。エラーハンドリングだとかのマネジメントレベルでの知見を得ることができたように思う。
-
絵で見ることで記憶に残る気がする。私向きか
selfmonitoring:
失敗したら困ることは一連の流れから立ち止まってやろうとしている行為を意識する。実行した直後にも確かに意図したとおりに実行できたか振り返る
指さし呼称、復唱、確認会話