置く位置を決めて必ずそこへ片付ける習慣にすることで、物をなくさないようにする。特に工場では、現場の安全管理のためでもあると以前に聞いたことがある。そして少し前のことだが、ある社員の机の引き出しの中にスポンジが敷き詰められ、はさみや定規やペンを収納するところがその形にくり抜いてあるのを見た。そしてそれがこの本の始めの方に書かれているのを見たので、この本を読んでみたくなった。
写真を多用してありわかりやすい。特に色使いをどのように活用しているかは写真を見れば一目瞭然。
当たり前かもしれませんが、実際の業務にそれを活用できているか?というとそうでもないことは多い。そして多色使いすればいいってものではないことも、きちんと書かれています。
その他、環境整備のために具体的に何をしているか?は満載ですが、それだけでないです。
何でもデジタル化すればいいというものではない。会社は能力が低い人でも成果を出せるようにする。そうするとアナログになるのだと。仕事ができる人を前提とした仕組みの中ではできない人は身動きが取れないが、仕事ができない人に合わせれば問題は起きないと。
他にもあります。社長の願望を標語として貼り出すことの無意味さ。上司と部下のサシ飲み。他社のやり方をまねするのではなく、他部署のやり方をまねすること。気づいたことをメモにして提出すれば1件につき500円。なぜそうするのか?手段と目的がきちんと書かれており、どれも理にかなっていると思いました。
最初は嫌々でも…但しなるべくそうならないように配慮する。時にはお金で釣っているのだが、それもありだと思います。つまり【形から入って心に至る】のだと。やらない善よりやる偽善、とちょっと似ていますね。
何でもかんでももったいない、はダメなのだとも。設備投資をして効率や生産性を上げることを惜しんではいけないとも書かれていますが、中小企業はその見極めが難しいところなのではないかと思います。
タイトルにも書かれているように基本的には中小企業向けの内容ですね。何でもかんでも真似すべしとは思わないですが、いくつかできることを取り入れるだけでも違うのではないでしょうか。
ただ、営業は社内で立って仕事をする(社長もですが)のはやりすぎじゃないかなぁ。社長がやってたら社員は嫌だとは言えないでしょう。トップダウンをボトムアップに変えたと書いてありましたが、これは営業が言い出したことでしょうか?たまたま今日はアイリスオーヤマでも座ってPC作業禁止との話を見ましたし、以前キヤノンの子会社でも座って仕事をさせないことの是非が問題になりましたよね。効率が上がったとの話もありますが大丈夫なのかなぁ。ずっと座っているのは健康に良くないのもあるけれど。
立って仕事をするというのはどうかと思いますが、それで星を減らそうとは思わないほど、この本の内容は充実していると思います。この会社のやりかたを見学に行く人がいるのも納得です。