「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?

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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822248635

作品紹介・あらすじ

グローバル市場に分け入るための「ローカリゼーションマップ」を作ろう。あなたの会社は、顧客の日常生活の「ロジック」が分かっているか?上から目線の戦略では、海外市場の開拓は失敗に終わる。「えっ、そんなこと言うの?」という驚きと発見を繰り返し、現地の人々の「頭の中」にフィット。

感想・レビュー・書評

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  • マルちゃんについての記述は、数ページ。他は、世界で売れる日本製品の事例紹介。本文より気になったのは、あとがき。これまで売れるビジネス書のタイプとしては、日本の危機を煽るものだったが、震災後は、これからの進路を示す本が要求されるのではということで、書名を変えたとのこと。この本が、日本の進路を示すところまで言及しているかはなんとも言えないが、タイトル変更は成功したのでは。書店で目立ってました。

  • タイトルにあるような個別商品のローカライズ事例の紹介という意味では面白い本であったし、ある商品がある国で売れるには、その国の風土・文化・ライフスタイル(=その国のコンテキスト)の理解が不可欠という主張も同感だが、そこからの論理展開は弱い。特に、日本発の製品・サービスとして確固たるアイデンティティを持つべき部分と、現地に柔軟にローカライズさせるべき部分についての考察が少ないと感じた。

  • 本書高い評価をされている方が多いようですが、私は本当に申し訳ないですが全然感銘を受けませんでした。ただし単なる感情的な批判ではなく、建設的批判として受け止めてもらいたいので以下にその理由を記載します。

    まず全体的な話ですが、この著者の日本語がすっと腹落ちしませんでした。というのもこの方は独特な日本語の使い方をしているからで、顕著な例が、本書内でたびたび登場する「ロジック」という用語です。たとえばTOTOの事例のところで『清潔感はロジックと慣れに基づくものである』と書かれていますが、頑張って理解しようと努力しましたが、ピンときませんしそれこそロジカルじゃない。オムツにうんちをした赤ちゃんがえーんと泣いて嫌がっていて、オムツを替えると泣きやみますが、これはロジックと慣れに基づいているんですかね?こういう表現がたくさんあります。またロジックとコンテクストの2つの言葉を同じような意味合いでごちゃごちゃに使っている箇所もある印象を受けました。ただし著者自身も本の後半で書かれているように、「事業企画系とクリエイティブ系では同じ日本語で会話していても意味が通じないことがある」、のでそれと同じ事が著者と私の間で起こっているのかもしれません。だとすれば、私は事業企画系の典型読者でもあるので、是非、この著者には日本語を「事業企画系」向けに「ローカライズ」する努力をしていただき、もっと多くの読者が読めるような本にしてもらいたかった、ということですね。

    また細かい話ですが、本書の中では「西洋的思考」と「日本的思考」という分類で記述されていることがありますが、仮にもローカリゼーションを論じようとしているプロの方が「西洋的思考」という言い方で、おそらく欧米諸国?の多様な思考を一括りにするのはダメでしょう。ローカリゼーションが大事なら、その前提として、たとえばイタリア的思考とイギリス的思考は違うはずですよね?

  • グローバルに学びつつ、ローカルへの棲み込みが大事であることを事例を交え説いた本。タイトルにもなっている東洋水産を含め、各事例は、ローカリゼーションの成功要因についてもう少し深堀して欲しいところだが、面白さは伝わる。Chapter3の「ユーザ調査に必要な4つの基礎的素養」は必読。「歴史への勘」「地理」「言語への興味」「モノへのこだわり」。

  • そのままで世界で売れる例外的な商品以外は、ローカライゼーションが商品浸透の鍵になる。

  • 書き下ろしの第4章「ローカリゼーションマップをつくる」は、様々な応用範囲が考えられとても参考になります。

  • マルちゃんが日本ブランドの食品をどのようにして海外展開していったか、またその最中にどのようなことに気がついたか、といった内容が書かれています。
    自身の長年の慣習からバイアスがかかり、ついつい相手に自己流を押し付けてしまいがちですが、相手の文化を理解した上でマーケティングをすすことでより好ましい結果が得られるかもしれない、と感じました。
    一方で、この類の本を読むとやはり、「made in Japanの良さ」も「ローカライズ」も、どちらでも成功している企業の事例があるので、ビジネスに王道はないのだなぁ、と常々思います。

  • 久々に、こういうビジネス系の本で面白いと思ったなー。
    すごい具体例でいっぱいなので、想像しやすいし。
    冷蔵庫が家電じゃない!とか(←やや極論にしてますけど 笑)。ははぁー、なるほどーという感じです。
    途上国で文化が違うのは周知の事実かもしれない。が、この本は、それにとどまらない。先進国だろうと何だろうと、違うものは違うんですよね。
    どこまでそれに気づけるか。
    それが勝負ですね。

    強いて言うなら、もう少し、じゃぁどうやったらその差に気が付けるのか?の、より具体的な例示があっても良かったかな。方法論的な。モデル化は試みられてましたけどね。モデルってあまり具体的な方法論じゃないから。

  • ローカリゼーションマップのことを仕事でお知り合いになった某識者から教えていただいたので自分は大丈夫だったのですが、タイトルはセンセーショナルな感じで若干軽めに感じてしまいます。しかしながら、非常に深い観点で書かれています。作り手ではなく顧客の目線でビジネスを進めることの重要性を「地域文化と製品文化」という切り口で捉えた点が本書のユニークなところです。「風土→民俗→ライフスタイル」という地域文化のレイヤー構造、そして、リサーチャーの資質として「歴史への勘・地理・言語への興味・モノへのこだわり」としているところが自分にとって斬新な点でした。観点はユニークなのですが、体系化もう少し厚めに取り扱っていただけると星5つなんだけどなあという印象を持ち、星4つにしました。

  • Googleで日本のキーワードで画像検索
    京都、日本地図、日の丸、相撲、舞子、サクラ。。。
    あれ、こんなんだっけ?日本って
    ※旦那さんが行っているメキシコのGoogleで調査


    本の中でも
    クールジャパンでイメージを限定しているが、本来は拡散が必要という指摘に納得

    六本木ヒルズ、表参道、東京駅の再開発などスタイリッシュな都市もあるし京都だけでなく自然が楽しめる観光地
    日本は海外から限られたイメージで見られているだろう。
    別に日本のナショナリズムに浸るつもりは毛頭ないが、真の姿とはかけ離れているのがもったいないと思ってしまいます。

    この本で提唱しているのは、海外で自分の商品を売る地図としてlmap(エルマップ)を作ること。
    市場の理解と商品の理解を図る。


    そのために、製品文化と地域文化
    二つの切り口から理解するアプローチが紹介されていました。


    作ってみたいと思いましたが、もっと具体的な事例があるとイメージしやすいと思いました。

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著者プロフィール

モバイルクルーズ(株)代表取締役。De-Tales Ltd. ディレクター。東京とミラノを拠点とするビジネス+文化のデザイナー。欧州とアジアの企業間提携の提案、商品企画や販売戦略等に多数参画してきた。同時にデザイン分野や地域文化との関わりも深く、ユーザビリティやローカリゼーション、意味のイノベーションの啓蒙活動、ラグジュアリー領域のイノベーション等に関与。著書に『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか? 世界を魅了する〈意味〉の戦略的デザイン』など。共著に『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義』、『デザインの次に来るもの』。監修に、ベルガンティ『突破するデザイン』。訳書に、マンズィーニ『日々の政治 ソーシャルイノベーションをもたらすデザイン文化』。

「2023年 『ここちよい近さがまちを変える/ケアとデジタルによる近接のデザイン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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